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世界を繋ぐお仕事 〜キヒロ鳥編〜  作者: na-ho
たからばこむそう
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113 遊戯

 ◯ 113 遊戯


 建物の中に到着すると、中央広場のある第二エリアが解放されますと放送が入った。しかも、玄関にいる僕達は大注目されている。玄関から続く待ち合いの為のホールでは拍手喝采をやっているのだけど、それが僕達に向けてなのが、何故なのかが分からない。


「解放条件は何だったんだ?」


 知らない鎧男に話し掛けられたが何の事か分からない。カジュラも目を白黒させている。


「取り敢えず、進んだわ!!」


 見知らぬ弓を担いだ女性が、鎧男に言った。どちらも顔は日本人顔だ。装備が何故かコスプレ感が漂っているけど、似合ってない訳じゃない。


「第二エリアを探索しに行くぞ!」


 鎧男が周りにいる人達に声を掛けた。


「「「おーっ!!」」」


「「やったー! 狩りの時間だ!」」


「いこうぜ!」


 厳つい男女が喜びながら叫んだ。と思ったらいそいそとお出かけの準備に取りかかり、荷物をまとめ出て行き始めた。他のグループも皆競って外に出て行っている。

 何がなんだか分からない。取り敢えず、僕達に必要なのは情報収集と休憩だ。ものすごく重要なのは休憩だ。


 元収容施設と、名の変わったダンジョン内の休憩所で僕達はカフェテリアを見つけてそこにある椅子に腰を下ろした。リラが施設の案内板を見せてくれている。

 第七フィールド名物の、リンゴジュースにシナモンが混ざった様な香りと甘みの完璧な融合を誇る飲み物を味わっていたら、ガリェンツリーダンジョン運営委員会とかいうところから連絡が来た。画面を可視化してカジュラと並んで画面の向こうの日本人らしき人物と相対した。


「解放おめでとうございます。エリア解放の条件をクリアした方には報償として「みかんなカフェ」のケーキセット半額券か、うさぎ印の大福五個セットが貰える権利から選べます。如何なさいますか?」


 調子良く喋る画面の向こうの黒ぶち眼鏡のサラリーマン風の男に怪しげなところは無い。だが、僕達はさっぱりと付いていけてない。思わずカジュラの方を見れば彼もこっちを見て、顔に訳が分かりませんと書いて助けを訴えて来ていた。


「……ダンジョン運営委員会とは?」


 僕は目の前の黒ぶち眼眼鏡の男に聞いてみた。


「おや、ご存知ない? それでこのダンジョンにチャレンジを? おかしい、ですね……それで条件クリアは出来ないはずだけど」


 思いっきり疑わしいと言った視線で僕の顔をジロジロと見て荒を探している感じがした。


「質問の答えをお願いします」


 ぶしつけなその視線に耐えながら、謎の組織の目的を聞いた。


「ちょっと待ってー。不正の有無を今、記録から確認してるから。もし、不正がバレたらこのイベントの参加は以後、出来ませんのであしからず……あー」


 余裕の表情が一気に不機嫌顔に変わった。どうやら不正は見つからなかったらしい。しかし、舌打してその結果を僕達に伝えるのを迷っている顔をした。何かムカついたので、彼が話し始める前に僕は口を開いた。


「別段、うさぎ印の大福は貰えなくても大丈夫ですし、ケーキセットの半額券はもらわなくてもただ券を持っていますからそれほど必要ではありません。それよりも、あなた方の大幅に弄って用意した人型の魔物にクレームをつけさせて頂きます!! 断固として訴えさせて頂きます」


 僕の決意は固いぞ!! あんなの視察も出来ないじゃないかっ! これ以上、異常な空間を視察なんて冷静に考えたら出来ないと僕は判断した。取り敢えずこの元収容施設から天上世界へと戻って、状態を訴えるしかないと思う。


「ええー? うちに喧嘩売るっての? 止めた方が良いんじゃない〜。まあ、無駄だと思うけどやるって言うなら頑張れば? 一応は止めたから。あ、大福は拒否ったの、記録したから訂正は出来ないよ〜。破格の報償なのに馬鹿だよね〜。後悔しても知らないよー?」


 めんどうな人物特定された気はするが、ここは僕の管理する世界だ。あんなホラーゲームよりも恐ろしい魔物が存在するなんて僕には耐えれない。こんな横暴がまかり通る世界なら僕は管理神を止めてやる!! そのくらいは耐えれそうにない。


「あんな風に弄るなんて倫理的にも不味いし、何より視察も出来ないくらい神経削られるなんて、無理だから! 改めてもらうからちゃんとそこの運営の上に報告しといて!!」


「はあ? 視察〜?!」


 思いっきり馬鹿にした顔を向けて来たので、負けずに睨み返した。要望が通らないとまたあの訳の分からないダンジョンを彷徨わないとならないのだ。

 と、画面がブちっと切れた。向こうから通信を切られたのがリラから教えられて僕は呆れた。リラはそれで怒り始めた。隣りのカジュラの顔を見て少し冷静になった。今にもさっきの人を細切れにしに行きそうな顔をしている。


「……ちょっとやつ当たったかも。彼にクレームを言っても意味無いだろうから責任者に話をしないと」


「いいえ、彼は非常に失礼です。怒って当然かと」


 不敵な微笑みが浮かんでいるけど、まさか行動にはしないよね?


「そ、そうだね。僕の顔を見て不正だって決めつけてたよね」


 確かに怒って当然だ。でも冷静さを欠いたのは良くなかった。反省するべきだ。彼にクレームの受付を何処で受けているのかをちゃんと聞くべきだった。怒りを彼にぶつけるだけで交渉はさっぱりと出来なかったし、通信をわざと切られたりもした。なんて言うか相手の神経を逆なでする人だと思う。

 まあ、それだけ彼の態度に引きずられた僕も修行が足りないと思う。ダンジョン内で神経がすり減っていたとしてももうちょっと対処の仕様があった気はする。その辺りは反省しておこうと思う。そんな話をカジュラにして何とか気を鎮めてもらった。……僕は一応努力した。後は知らないぞ。


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