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世界を繋ぐお仕事 〜キヒロ鳥編〜  作者: na-ho
おみやげをかくほせよ
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96 決意

 ◯ 96 決意


 待ち合わせた聖域内のホニーシャさんに案内されて、隷属化されていた精霊の元に向かった。ボスは聖域内を散策している。


「わあ、目が覚めたんだね」


 良くなるまで眠るようにされていたのだ。その治療も終ってすっかり元気を取り戻したように見える。ルビーの様な色の額の石はやっぱり小さな角みたいだ。元いた場所も分かって、そこに帰る前に僕達を待ってくれてたみたいだ。落ち着いたら、家に来て貰おうと招待をする事にした。サリブもホニーシャさんも呼んでるから一緒に来ると良いと撫でながら伝えた。


「毛並みも良くなってるし、しっかり元の状態だね」


「攫われた子達も戻って来て今は眠ってます」


 誘拐されてた子達も同じように弱っていたそうで、他の精霊達がしっかりと面倒を見てくれているらしい。


「そっか。癒しの時間だね」


「ええ。しばらくは人を恐れると思いますが、いずれはこの事態も落ち着きを取り戻せると信じてます」


「そうなると良いね。ううん、僕達がやるんだ」


 ホニーシャさんは微笑んで頷いてくれた。今の所は事件後の配慮からフラワーガーデン内のみが妖精達の活動範囲としている。まだ外には見つかっていない仲間がいるかもしれないので、誤解がないように外出を控えるようにしているのだ。警戒が解けるのはもう少し先になるけど、こればっかりは仕方ない。

 取り敢えず、本来の訪問の目的の契約出来そうな暇な妖精か精霊を紹介してもらおうと相談してみた。


「まあ。人間をやっているのですか?」


 精霊界の片隅で僕は少しぼかしながらも説明した。


「そうなんだ。バレないように人間でいたいんだけど、妖精とか精霊と契約すると待遇が上がるみたいだし、仮契約だけでもお願いしたいかな」


「大変なのね……」


 頬に手を当てて良く分からない事をしていると言った視線で目を合わせられてしまった。人間の仕事の評価は何となく理解しているみたいだけど、僕が態々ここでの契約をする意味が今一伝わってないみたいだ。


「外に興味のある子とかいるかな?」


「それなら、サリブで良いんじゃないかしら。猛アピールして来ているし」


「え? いいの?」


 振り返れば翼を広げてまかせろという念話を送ってくる。その横の隷属から解放した精霊も尻尾を振りまくってアピールしてくれている。契約は一ヶ月の仮契約から始める事にした。最も、家への招待もしているので遊びに来てくれるはずだ。会ったらみかんの中間界の自然公園とかも案内しておこうと思う。


「じゃあ、聖域のある世界では召喚に応じてもらう形で良いかな?」


「ええ。正式な契約はこちらにもう一度来て頂いて登録をお願いします」


「勿論です」


 どうやらサリブは前回の護衛みたいな仕事が気に入ったらしい。たまにやるのは問題ないとか言っているのでお願いする事にした。カーバンクルに似た助けた子にはソニアと付けたので喜んでいる。クリーム色の毛で耳先と背中線辺りが少し濃い金茶色の毛並みだ。背中の毛はクリームと金茶が混ざってライン状に軽く模様になっている。


「取り敢えず、ソニアは自分の住処に戻って仲間に無事な姿を見せてね」


「キュー!」


 頷いてくれたので良しとしよう。


「まあ。あんなに喜んで……。随分と良さそうな契約ですね」


「そ、そうなのかな?」


「彼らの力が増したので……。精霊がこんな風に力を付けるなんて珍しい。レイと契約をした時のよう」


 ホニーシャさんはレイと契約を交わした事があったのか……。


「まあ、一応これでもレイの弟子なので……」


 その台詞で納得したのかホニーシャさんが微笑んでいた。それでその場は離れてボスを迎えに行ったら、俺様演説が始まっていた。……新しいバージョンだろうか? ビアラマ隊やら紀夜媛ら全員が外に出ている。


「まあ。面白い劇」


「そ、そうですね」


 どうやら話の盛り上がり部分を皆に再現させているみたいだ。こないだの悪神の捕獲を話しているみたいだ。バッタ部隊が三人の黒い鎧の悪神をやっつけて狼をビアラマ隊が蹴散らしたとか言っている。その時の作戦がどうとかだ。すっかり妖精達はその話に飲まれている。


「いつも庭で妖精達相手に演説したり、ごっこ遊びをするので……」


「楽しそうね」


「闇の魔法生物との契約も考えないとダメなんだった。……戦いに向いた子でないと難しいけど」


「それはこの森では難しいですわ。精霊界でも守りをする者が不足してます。だからこそ人間と手を結び保護を頼むのです」


「そうだね。妖怪とかは戦いに向いているけど、それだと瘴気に汚染されるし」


「闘神の多く集まる世界では戦いに特化した精霊を育てているとか……余り詳しくはありませんけど」


 そう言って少しその世界を教えてもらい、家への訪問の時に詳しい話をしてくれると約束した。どうやらら相手を紹介してくれる雰囲気だ。


「すいません。催促したみたいで。でもありがたいです」


「いいえ。ここの子達の中にもいるかもしれません」


「そうですね。サリブみたいにやってみて面白いと思うならありですよね」


「交流を深め、育ててもらうかもしれません」


「僕がですか?」


「はい。戦闘をなさるのでしょう?」


「主にボスがですけど。指揮を取るのは彼です」


「これはまたレイを通じてお願いに行くかもしれません。今回の事で私も少し考え直しましたので」


「……防衛にも力を入れるつもりなんですね?」


「ええ」


「分かりました。僕も出来る範囲で力をお貸しします」


「お願いしますわ」


「こちらこそよろしくお願いします」


 利害の一致があるのならそれに乗るべきだと思う。戦闘を教えてもらうならプロにお任せした方が良いと思うのだ。闘神のための訓練所に精霊と妖精の為の訓練所を作っても良いかもしれない。……地上世界にも降ろせる子達が育ち集まる可能性が出てきた。しっかり話し合う場所が必要だろう。C3U経由でレオノルディスさんに精霊界中から集めてもらっても良い。取り合えずそんなレポートを書く為にリラにさっきのアイデアを書き留めてもらった。

 朝日が昇り始めた頃、御泊をさせてくれたホニーシャさんに挨拶をしてゴーノヴォッカさんに会いに向かった。


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