6 色 ※※
一時間後にチャーリーが……以降はサブタイトルの後ろに※マークを付けますので、よろしくお願いします。チャーリー以外も出ます。ヴァリーの予定です。※※が二つは二話分あります。
◯ 6 色
結局、鳥でいたら要らない資格をもう一度取る事に決まった。一度は取った資格なので何とかなると思う。そしてまた借金がふくれあがっても大丈夫な様に、資格は特殊を二つ取るのを自身に課した。まあそういう時に限って借金はしなかったりするんだけどね。
僕は白い色が自然界の中では浮く事を自分の映像を見ながら学んでいた。そういえば黒とか白とかの色は場所に寄っては生き残りにくいとかそんな説を聞いた事があった気がする。しかもキラキラの光をまき散らしながら飛ぶ姿だ。気を押さえてもっと地味にしないとダメだと悟った。
兄達は大丈夫だろうか。彼らも派手な色彩だから狙われてないか心配だ。擬態のやり直しを誓い、色換えする事にした。
マリーさんや獣守達の猛反発を食らったが、危険を減らす為だと説得して何とか了承してもらった。茶色でもないしグレーでもない微妙な色合いの髪色にした。肌の白さが引き立つくらいだ。つまり色は何でも合うのでこれまで皆が作ってくれた服も大体合う。家では必ずもとの色に戻す事を約束した。
その内に長さも調節出来れば良いのだけど、レイはあんまりその技術は教えてくれない。何でだろうか……。食事中に視線をやれば機嫌の悪さが伺えた。髪色を弄るのは反対ならしいのが伝わった。家ではちゃんと自分の色を出す事を誓い、髪と瞳の色を決定する魔術用の髪留めを幾つか自作しておいた。
「今日はレイカちゃんに会って夢縁の件を聞くよ?」
「分かったよ」
「それから、明日はガーラジークに合いに行くからね?」
「そういえば森の成長の為の踊りはどうなるの?」
「その話し合いをしに行くからね? 『妙旋風』の踊り手はみかん神だってのは、こないだウィルジュ神がどこかで漏らしてたからちょっとだけ危険なんだ。まあ、ガリェンツリー世界では月夜神が踊っているから、みかん神だってのは信じられてないけどね……。色々と情報を持ち出されてるけど、本当の所は分からないというのが現状だよ」
「月夜神はどんな感じで広まってるの?」
「……そうだね、闇色の髪の女神だってのは広まってるよ」
レイの顔色を見るに余り良い噂は出てないのが分かった。毛魔物コンテストでの出来事を思い出せば何となく分かる。カフェでの噂話も兵器を作って異世界間管理組合に売り込んだ戦神だと言われているし、地上を浄化している力は弱く、精霊達に浄化をやらせていると思われているらしい。
確かにポースと紫月達に頼っているが、見習い神としてはまずまずの出来だと言われているのだけど、そうみない人が多いのだ。というかあそこに来る人たちがエリートだからというのもある。基準がめちゃくちゃ高いのだ。伝え聞く月夜神の力が弱いと感じるのは仕方ない。それにその噂を流したのはこないだ捕まった死神達だ。僕達の反対勢力だ。死神も一枚板じゃないという教訓を忘れていない。
「トロ爺さんは僕の事は悪く言わないね」
「勿論ちゃんと評価してくれてるよ。直接会って話をして、人物が分かっているからね。人を動かすのは心だって分かってるんだ。アキのやった事はちゃんと書いてくれるよ」
「そうだね」
「生まれ変わりをやってからは女の子になってるし、書くのに文句は無いって言ってるしね」
「……」
そこなのかっ! 僕からの評価は駄々下がりだ。キヒロ鳥になったのは伏せられてるけど、女の子なのは目の保養だと言っていたのを思い出す。
「実際、ピピュアは綺麗だよ? ボクと並んで遜色無いくらいには」
「え、そ、そうかな」
レイと並んだ姿は考えた事は無い。実際に鏡の前に立てば確かに消し飛んではいないし霞んではない。今はレイが気を押さえているのは分かってるけど、純粋に造作だけを気にするなら並んでも良いくらいになっている。
「自信もっていいよ。アキの顔も可愛くて親しみ易さがあって毒の無い感じがよく出てたけど、今回は更に美人度が上がって可憐だし愛の鳥にふさわしい容姿だからね」
そう言って僕の髪を触って感触を確かめていた。細くて傷つき易いのでお手入れは慎重にやらないとならない。レイが黒髪の時も長いのにこだわっていたのを思い出した。意外と髪の毛フェチとか言いそうだ。




