近くて遠いようなそんな感じ
一度も会ったことのない彼。
顔も見たことのない彼。
どこに住んでいるのかも知らない彼。
何歳かも知らない彼。
知っていることと言えば、私より年上で、学生で、男ってことだけ。
あと、私が元気のない時に限って必ず連絡をくれる。
といっても、Twitterでリプライをくれる程度だけど。
私はそんな彼が好きだけど、彼は私のことなんてなんとも思っていないだろう。
――私なんてきっと彼のたくさんいるフォロワーのうちの一人に過ぎないのだから
学校でいつも見かける彼女。
同じクラスの彼女。
いつも元気そうに笑って友達に囲まれている彼女。
そんな彼女が僕のTwitterを突然フォローした。
といっても、僕は年齢も偽っているし、名前も仮名だ。
適当に増やしたフォロワーに相互フォローされてるから、フォロワーの人数だけはいっちょまえ。
でもその瞬間から僕は彼女のツイートが目についた。
いつも元気な彼女が悩んでいる。僕はすぐに励ましのリプライを送った。
こういう方法でしか彼女を励ませないと思った。
僕なんかを彼女が相手してくれるわけない、彼女は僕の名前すら覚えていないだろうから。
普段何気なく使ってるTwitter、意外とこういうこともあるかも知れませんね。