第1話 目覚め
慣れてないので変な部分があるかと思いますが、一生懸命書くのでよろしくお願いします!
暗い、どこまでも続く漆黒の闇、歩けど歩けど闇ばかりの風景に、私はもう言いようのない絶望を感じる。
その時、目の前に淡く小さな白い光を見つけた。この闇の世界ではそれが神々しく思え、私の脚はいつしか光に向かって走り出していた。
それが夢だと気付いたのは見覚えのない部屋の中にある、見覚えのないベッドの上。
彼女、田宮沙希はこの状況に混乱しながらも、自分に何があったのかを思い出しはじめる。
それは確か早朝の通学途中、歩道に突っ込んできた乗用車にぶつかり、そこで意識が途切れた。沙希は記憶をたどる内に、今自分がいるのが病院だと確信し、枕元を探る。
ナースコールのボタンがあるはず。
そして沙希は、手に何か固い物が触れるのを感じると、コードのついたそれを自分のもとへ手繰り寄せ、スイッチを押した。
これで看護士がくるはず、そう思った沙希はこの室内を見渡す。
見たところここは完全な個室、ベッドは自分の寝ているものだけ、テレビなどの娯楽がないのをのぞけば清潔な白を基調とした、実にいい部屋だ。
だが軽い贅沢な気分にひたっていた沙希だったが、自分の腕と脚に浅く巻かれた包帯を見たとき、自分が怪我人と自覚したが、不思議と痛みはない、多分すぐに退院を言い渡され帰宅し、いつも通りの日常が待っている。
「遅いなぁ…」
沙希はそう呟くとベッドから体を起こし、ひんやりとした床に素足をつくと、看護士の到着をまたずに沙希は部屋を出た。