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少子社会の設計図  作者: カトーSOS


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2-1 人口には「山」と「谷」がある

第2章 高齢化は問題ではないという前提


人口構造は、常に一定ではない。


どの社会においても、出生数は時代によって増減し、その結果として年齢構成には必ず偏りが生まれる。


人口は均一に積み重なるものではなく、ある時期には膨らみ、ある時期には細くなる。


言い換えれば、人口には「山」と「谷」が存在する。


日本の人口構造を理解するためには、まずこの前提を確認する必要がある。


戦後、日本では出生数が急激に増加した時期が存在する。


いわゆる第一次ベビーブームである。


戦争が終結し、社会が復興へ向かう過程で、多くの子どもが生まれた。


この時期に生まれた世代は、後に「団塊世代」と呼ばれる。


団塊世代は、単に人数が多いというだけでなく、日本の人口構造全体に長期的な影響を与える存在となった。


人口の山が形成されたのである。


さらに、その子ども世代にあたる時期にも、出生数の増加が見られた。


これが第二次ベビーブームであり、「団塊ジュニア」と呼ばれる人口の塊を生み出した。


こうして、日本の人口構造には明確な二つの山が存在することになった。


重要なのは、これらの人口の山が政策の成功や失敗によって偶然生まれたものではないという点である。


戦後という特殊な歴史的条件、社会環境、経済成長への期待など、複数の時代的要因が重なった結果として自然に形成されたものである。


つまり、人口の山は設計されたものではなく、時代条件の産物である。


しかし、形成された以上、その影響は長期にわたって続く。


人口の山は、時間とともに移動する。


幼年期を過ぎ、青年期を迎え、労働世代となり、やがて高齢期へと到達する。


年齢を重ねるという事実は変えられない。


したがって、人数の多い世代が高齢者になることも、最初から予測可能だった。


ここで確認しておきたいのは、高齢化という現象が突発的に発生したものではないという点である。


団塊世代が存在する時点で、その世代が将来的に高齢者となることは明白だった。


人口構造を分析する立場から見れば、それは予定された変化であり、想定外の出来事ではない。


人口の山が移動すれば、統計上の年齢構成は必ず変わる。


労働世代に人口が集中している時期には、若年人口の厚みが強調される。


その世代が高齢期に入れば、高齢者の割合が急激に増えたように見える。


しかし、それは新しい現象が発生したのではなく、人口の山が位置を変えただけである。


この視点を持たない場合、人口構造の変化は危機として誤認されやすい。


特定の年齢層の割合が増えること自体を異常と捉えてしまうからである。


だが、人口構造は本来、時間の経過とともに形を変え続けるものであり、固定された状態を前提にすること自体が不自然である。


人口の山が存在すれば、その前後には必ず谷が生まれる。


出生数が増えた時期があれば、減少した時期も存在する。


均等な人口分布が維持され続けることは、むしろ例外的である。


日本の人口構造も例外ではない。


戦後の急激な出生増加という山が形成された以上、その前後の世代との間には厚みの差が生まれる。


そして、その差は時間の経過とともに社会のさまざまな領域に影響を与える。


教育、雇用、住宅、社会保障など、人口構成に依存する制度はすべて、この山と谷の影響を受ける。


ここで重要なのは、人口の山そのものを問題として扱わないことである。


山が存在することは異常ではない。


それは人口の自然な変動の結果であり、避けることのできない構造である。


したがって、人数の多い世代が高齢者になること自体も、構造上予定されていた現象に過ぎない。


人口構造を冷静に見れば、高齢化とは突発的な危機ではなく、長期的に観察されてきた人口の山が高齢期へ到達した結果である。


ここでの結論は単純である。


高齢者が増えることは、予測可能だった。


予測可能であった以上、それは異常ではない。


人口には山と谷があり、その移動が年齢構成の変化として現れる。


この前提を共有した上で、次に進む。

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