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1-1 宣言
第1章 少子化は設計の問題である
少子化は、若者の意識の問題ではない。
少子化は、価値観の変化の問題でもない。
少子化は、制度設計の帰結である。
本書は、結婚観や家族観を論じない。
個人の選択を評価しない。
善悪の判断も行わない。
本書が扱うのは、制度である。
人を取り巻く条件を定め、行動を方向づける設計の話である。
人は自由に選択しているように見える。
しかし、選択肢の範囲は制度によって決められている。
雇用、収入、居住、将来の予測可能性。
それらの設計が、人の行動を決める。
少子化は結果であって、原因ではない。
原因は、その前段にある。
本書は、感情を動かすために書かれていない。
合意を形成するためでもない。
ただ、現在の制度がどのような帰結を生んでいるかを記述する。
価値観ではなく、設計の話をする。
それが、本書の立場である。




