第一話
「あぁ、いい人生だった……。」
ベットで横になっているのは、『フェーン・レイル』最強の魔導士である。
彼は幼いころから、魔道に目覚め、勇者と共に魔王を倒した。
そして、魔導士として町の平和を守っていた。
しかし、彼も年を取り、人生の終止符を打とうとしていた。
「もう未練は無い、このまま静かに眠ろう……。」
彼は目を閉じ、そのまま眠りについた。
彼の葬儀は、街中に広まり、彼の死を受け入れた。
「うん……、ここは……?」
レイルが目を覚ますと、辺りが真っ白の空間にいた。
『ようこそ、転生の間に。』
声がする方へ向くと、一人の女性が立っていた。
「あなたは?」
『私の名は『アルテイル』転生の女神です。』
アルテイルはレイルに名乗る。
レイルは、辺りをきょろきょろと見渡す。
「転生の間でしたっけ、ここに来たということは……。」
『その通り、貴方はこれから生まれ変わります。」
「でも、私は悔いはないのですが……。」
レイルの言葉に、アルテイルは提案をする。
『ならば、人生をやり直すというのはどうでしょう?』
「人生をやり直す?」
『はい、悔いはなくとも、新しい名でこの街に生まれなおすということです。』
アルテイルの提案に、レイルは少し考える。
『確かに、人生をやり直すのは面白い、だが……。』
『もう一度魔導士になれるか、ですね?』
「わぁ!? 心を読まないでください!!」
驚くレイルに、アルテイルはクスクス笑いながらも謝る。
『大丈夫です、転生特典というものがあります。』
「転生特典?」
転生特典とは、転生する際に何かを貰えるということ。
例えば、最強の剣が欲しいとなると、冒険途中で最強の剣に出会うことが確定されている。
『ということで、最強魔導士になれるように準備しておきますね。』
「ありがとうございます!!」
すると、レイルの体が光に包まれる。
「これは?」
『そろそろ、転生の時間ですね。』
アルテイルが、レイルの手を包み込む。
『あなたの人生が良きになることを、願います。』
レイルは光に包まれて、天へと昇って行った。
「(うーん、ここは……?)」
レイルが目を覚ますと、見知らぬ天井があった。
アルテイルの言う通り、転生に成功したのだろう。
「あらあら、起きちゃったの?」
レイルの視線には、見知らぬ女性が立っていた。
そして、女性はレイルを抱え上げる。
「よしよし、『クレイド』今日も元気ね~。」
レイルは状況判断をする。
自分の名前は『クレイド』新しい人生の名前だろう。
そして、抱っこしている女性は自分の母親だということ。
「(本当に転生したんだなぁ……。)」
レイル改め、クレイドは取り合えず微笑んでみる。
「あら~、笑ってるの~。」
どうやら正解みたいだったようだ。
そして、扉から男性が現れる。
「ミーネ、クレイドは起きたか?」
「あら、あなた、ちょうど起きたところよ。」
「そうか、ほーら、クレイド、パパだぞ~。」
どうやら男性は父親らしい、
そして、母親の名前はミーネらしい。
もう一度微笑んでみる。
「おー! 我が子は世界一可愛いなー!!」
「あらあら、あなたったら。」
高い高いをされて、クレイドは満更でもなさそうだった。
時は過ぎ、クレイドは七歳を迎えた。
「クレイド、今日は新星の日だ。」
「新星の日?」
新星の日とは、教会に向かい、属性神の力を貰うという日のことらしい。
一人、必ず一つは属性を貰えるらしい。
「(魔力があるとはいえ、属性神達に会うのは久しぶりだからな……。)」
転生前は属性神達に力を借り、魔王を倒したのだ。
しかし、今回ばかりはそうはいかないだろう。
「大丈夫だ、クレイド。」
「父さん……。」
父親こと、ブレイはクレイドの頭を撫でる。
「例え、属性がなくとも、お前は俺達の息子だ。」
「そうよ、だから、落ち着いて行ってきなさい。」
「父さん、母さん……。」
二人は、クレイドを優しく抱き寄せる。
この暖かさを胸に、クレイドは教会へと向かう。
「クレイド―!!」
一人の女の子がクレイドに手を振る。
彼女は『マーレイ』クレイドの幼馴染だ。
「クレイド!! 今日は大切な日よ!!」
「わかってるよ。」
マーレイはクレイドの手を引き、急かすように引っ張るのであった。
「おや、二人とも、こんにちは。」
「「こんにちは、神官さん。」」
神官は二人に挨拶をし、頭を撫でる。
「いいですか二人とも、何があっても落ち着きを保つように。」
「「はーい。」
二人は神官に頭を下げると、奥の部屋へと言った。
奥の部屋には、七つの像が建てられていた。
左から火『ガーム』水『レティ』風『フルクス』土『バールド』氷『フィンフィル』光『コルール』闇
『ベダール』の七つだ。
「お前何だった?」
「俺は火だぜ!! お前は?」
「俺土だったよ!!」
「私水だった!!」
クレイドと同じような子供たちが、属性を貰いはしゃいでいた。
光と闇は珍しく、いまだに出ていないらしい。
「(皆、久しぶりだな~。)」
そうのんきに考えていると、先に水晶に触れたマーレイ。
すると、水晶は白く輝き始めた。
「珍しい!! 君は光属性だ!!」
「私が、光属性……!?」
突然のことに、周りはザワザワとし始めた。
それもそうだろう、今まで出ていなかったのだから。
「つ、次!! クレイド!!」
「は、はい!!」
クレイドは名前を呼ばれると、水晶の前に立つ。
そして水晶に触れると、七色に輝き始めた。
「な、七色!? これはいったい!?」
「え、な、なに!?」
クレイドが困惑していると、目の間に透明とかした属性神が現れた。
『わが友よ!!』
『あぁ、本物です!!』
『やっぱり!!』
「(もしかして、皆!?)」
声に出したらヤバそうなので、心の声で話すクレイド。
クレイドの言葉に、属性神達は皆頷く。
『お前さんが死んだと聞いて、悲しみに暮れいていたが。』
『女神アルテイルから、貴方が転生したと聞いて。』
『今、こうやって話しています。」
『どうだ、驚いただろ?』
属性神達の言葉に、クレイドは涙を流しそうになった。
そして、とんでもないことを聞かされる。
『我が友よ、其方が倒した魔王が復活しようとしている。』
「(そんな!! まさか!?)」
『どうやら、少しの破片でも残っていれば、復活できるみたいです。』
レティの説明に、クレイドはグッと拳を握る。
『でも、復活までは時間がかかるみたい。』
『それまでは、修行をしてみるといいだろう。』
バールドの提案に、クレイドは頷く。
『そして我ら属性神。』
『貴方に、もう一度力を貸しましょう。』
『大切に使ってくれよな!!』
そう言うと、属性神達は姿を消した。
そして、調べていた神官が驚きの声を上げる。
「な、七色の光は、全属性を使うことができるという!!」
その言葉に、周りのザワザワが大きくなった。
「(皆、ありがとう!! これでもう一度魔王を倒す!!)」
そう心に誓った、クレイド。
ここから、彼の人生のやり直しが始まる。




