17話 特訓
年を明けて十日後のこと。
この日は年を明けて初めての授業の日。
何時も通り目を覚ましたシャネルは。
「はわぁ~」
大きな欠伸をして起き上がる。
──昨日は良く眠れた
そう思っていると、
「シャネル、ごきげんよう」
「ネージュさん、ごきげんよう」
「エステルさん、ミラさん、ごきげんよう」
目覚めたことに気付いたエステルとミラが挨拶してきて、それにシャネルが返した。
「お腹空いた」
「それじゃあ、ご飯行こっか」
と言うことで食堂へ向かう。
食堂に着くと、空いた席に座る。
するとそこに、パンが運び込まれてきた。
早速食べ始め…
あっという間に間食し、部屋に戻っていく。
部屋に戻ると、少し経ち歯磨きを済ます。
それから顔も洗い。
髪の毛を一纏めにして大きなリボンで後ろに結ぶ。
それからパジャマを脱いで、下着を身に付け制服に着替えた。
荷物の準備を整えてから。
「そろそろ行こっか」
「そうしよ」
「そうするの」
三人で部屋を出て教室の方へ向かう。
三組の教室に入ると、何時もの席に座り込む。
「アリシア、ごきげんよう。今年も宜しく」
「シャネル、ごきげんよう。此方こそ宜しく」
──前の席に座る青髪の少女──アリシアと私は挨拶をした。
「後二ヶ月で交流祭で、そこで全て決まるけど、大丈夫か?」
「出来るだけの事はやる」
「新しい力手にしたみたいじゃん。それで何とかなりそうか?」
懸念するアリシア。
そんなアリシアの心配に、シャネルは難しい顔をした。
「うーん。そんな簡単じゃないと思う。もっとこう、決め手になるものが無いと」
「じゃあ、今度わたしが手伝おうか?」
「良いの!? やったー」
悩んでいたところ、アリシアがそう提案する。
嬉しい申し出に、シャネルは物凄く喜んだ。
そのような会話をしていると、先生が教室に入ってきてタイミング良くチャイムが鳴り…
「皆さん、ごきげんよう。今年も宜しくお願いします」
先生の年明け早々の挨拶と共にホームルームが始まった。
連絡事項等を伝えて、授業を始める。
授業はどんどんと進んで行き、軈て昼休みになった。
「ご飯行こ」
「そうしよ」
二人は学食へと向かう。
そこてビュッフェを楽しみ、満腹になるとそのまま学科棟へ向かう。
途中でシャルロットと出会うと思いきや出会わず、そのまま非魔法学科棟の中へと入っていく。
──あれ? 鳥が入ってきて…
その理由は──
「シャルロットさん」
と思わず呟いた。
教室の窓際で鳥と話すシャルロットの姿が。
それだけでも進歩と言えるだろう。
「ごきげんよう。今年も宜しくね」
入っていったシャネルが、仲間へと挨拶する。
「ごきげんよう。此方こそまた宜しく」
「ごきげんよう。うん、宜しく~」
「ごきげんよう。此方こそ宜しくなのじゃ」
「ごきげんよう。そうだな。宜しく」
四人が挨拶を返す。
「──ごきげんよう(ボソッ」
ボソりとシャルロットが呟いた。
それからお喋りしてると、マドレーヌが入ってきた。
なので教室にいた鳥が外に飛んでいく。
「皆さん、ごきげんよう。また一年間宜しく」
マドレーヌが挨拶をし、講義が始まった。
「そう言えば、ネージュさん、もう二ヶ月で運命の日と言うことで、特別に練習試合を行うことが決まりましたよ。特別に他の皆も」
思ってもないことを言わたシャネルは、内心で喜ぶ。
「良く取れたね。マドレーヌ先生」
「日程とかの調整大変でしたからね。それに相手見付けるのにも時間掛かりましたからね」
驚いた様子のオリヴィアに、大変さを語った。
「それで何処とやるんですか?」
「それはですね。召喚魔法学科とです」
「よりによって召喚魔法学科···」
マドレーヌから飛び出した学科名で、空気が変わる。
「凄く強いの召喚してくるから厄介なんだよね~」
「私、学科見学で見たけど凄かった」
学科見学をした時の事を思い返しながら話す。
「練習試合の日程ですが、二週間後の今日に決まりました」
猶予は二週間の様だ。
「私が教えるより心強い助っ人を用意した。その人に任せます」
「心強い助っ人って···」
最後迄言い終わるよりも先に、扉を明けて入ってきて…
「皆、ごきげんよう。今年もコレの事宜しくね」
と挨拶をしたコレットだ。
「コレットちゃんが特訓に付き合ってくれるんだ」
「確かに心強い」
「そうだねー」
「この幼女であれば、特訓相手として相応しいのじゃな」
「ホントそうね。強過ぎるけど」
其々がコレットの事を持ち上げた。
するとコレットは偉そうに胸板の胸を張って…
「任せて! シャネルお姉さん、コレが強くしてあげるんだもん。楽しみにしてて」
──確かに心強い。これなら私も決め手になる強さを手に出来るかも
一人思考を馳せるシャネル。
そんなシャネルへと、コレットが近付いて来た。
「早速始めよ」
「そうしよう」
と言うことで、早速庭園の方へ向かう。
━━━━━━━━━━━━━
庭園。
其々がバトルウェアに着替え、集まっていた。
それじゃあ、早速始めよ」
そうコレットが言うと。
「相手は強いからみっちりといくね」
一人一人コレットが付いてくれるようだ。
先ず始めは、シャネルとやる様で…
「じゃあ、シャネルお姉さん。先ずは鍛えた力を知りたいから、見せて」
「はい」
幼女から指示を受けたシャネルは、早速動き出す。
──空気が凍てつき始めた。
凍てついた氷が、シャネルの周囲を覆うようにして纏う。
そしてコレットとの距離を縮めて、相手に殴り付けた。
透かさず後ろに跳躍して攻撃を回避する。
続いて頭の中で想像したものを作り出す。
すると吹雪が吹き荒れて地面を凍りつけにしていく。
「シャネルお姉さん、凄い。こんなこと出来るようになったんだ」
力を着けたシャネルに対して、コレットは少し驚く。
──氷を溶かしてから。
「あの氷だと召喚魔法で簡単に破られる。もう少し強力なものがないと勝てない」
コレットのアドバイスを聞き、ふむふむと頷く。
「それじゃあ、氷の威力を限界越えれるようにしよう」
その指示を受けて、早速動き出す。
大気中の酸素を全て凍りつけにし、シャネルの周囲を囲う。
囲った氷が、シャネルの躰を包み込んだ。
そして両腕を振り払う。
すると、振り払われた場所に氷柱が発生した。
巨大な氷柱が躱そうとしたコレットを襲う。
──その威力は凄まじい
ギリギリで防御魔法を使い何とか回避して見せた。
「先より良くなった。シャネルお姉さんなら、もっと強くなれる」
そう自信を着けさせる。
「そうだと良いな」
「きっとなれる。コレが云うから間違い無いもん」
その呟きに、自信満々にコレットは言った。
続いては、エミリーの番のようだ。
「エミリーお姉さん、頑張ろ」
「うん、頑張るね~」
意気込んだエミリーが、早速動き出す。
エミリーは水を纏うと、水が蛇の姿に変化し、コレットを食らう。
「全然駄目」
首を横に振って、駄目出しをする。
そして食らい付いた水の蛇が、姿を消す。
「流石だね~。強い」
「水も使い方次第で強くなれる」
とアドバイスしてくれた。
「全ての力を出し切る気持ちでやってみて」
指示を受けたエミリーは、早速動く。
大量の水を纏う。
すると纏った水が巨大な龍へと姿を変えた。
巨大な竜はコレットに向けで破壊的な水を噴く。
噴いた水が破壊を伴って、コレットへと襲い来る。
迫る水の竜を、空間移動させようとするも
上手く行かず攻撃を食らい掛けてしまう。
「エミリーお姉さん中々良くなった」
「良かった~」
コレットに褒められて、喜ぶエミリー。
「後は一旦一人で練習してね」
二人に指示を出す。
続いてオリヴィアの番だ。
「オリヴィアお姉さん、何時でも良いから」
「そうか。じゃあ、行くよ」
オリヴィアが早速動き出した。
風を纏うと。
手にした愛用の武器で仕掛ける。
疾風を纏った刀で、コレットを薙ぎ払う。
斬撃を軽々しく躱して見せた。
「流石だ」
「花の力を最大限に生かしたら良いと思うの」
身体能力の高さを褒めるオリヴィアへ、アドバイスを送る。
それからもう一度仕掛け…
──辺り一面に花を咲かせ、コレットを花*花が呑み込む。
そして躰に浸食くしていく。
「良い感じ」
「これで対抗出来たら良いんだけどね」
浸食した花を取り除いた後、オリヴィアを褒めてあげた。
淡い気持ちを抱く。
続いてソフィの番のようだ。
「ソフィお姉さん、頑張って」
「じゃあ、行くね」
と言うと、全身に燃え上がる炎を纏い、コレットへ火を放つ。
「〈パゴス・トイコス〉」
コレットが魔法を発動。
目の前に氷の壁を作り出す。
そして炎を氷の中に閉じ込めて消し去った。
「凄い」
「そんなこと無いよ」
素直に褒められるも、当然と言った様子だ。
「それじゃあ、火の威力を最大迄引き出して見て」
コレットの指示を受けて、早速動き出す。
丸で業火を思わせる程に燃え上がった炎を全身に纏う。
業火の炎が周囲を燃やし尽くし、コレットをも燃やす。
燃やされ掛けたコレットは。
「〈ゾーイ・ヒュドール〉」
生命の水の力を使って、躰を癒していく。
「良くなったね」
「それは良かった」
とソフィは嬉しそうだ。
続いてデルフィーヌの番。
「何時でも良いよ」
「では、行くのじゃ」
デルフィーヌがそう言って動き出した。
空間に絵を描き始め…
描き上がった光の矢が次から次へとコレットへと飛んでいく。
それを掌で全て受け止めて見せ、その事実にただただ驚く。
「描きたいモノをもっと強くするイメージして」
「了解なのじゃ」
コレットに云われるがままに動く。
──描きたいモノを強く···
そう呟きながら空間に描き始める…
描き上がった光の女神が、コレットへ神々しい弓を無数放つ。
「〈ダーティス・トイコス〉」
暗黒の壁を作り出す。
暗黒に包み込む。
しかし、その壁が神々しい弓によって破られてしまう。
「···がッ!」
神々しい弓を全て食らってしまう。
「〈ゾーイ・ヒュドール〉」
生命の水の力を使って、傷口を癒していく。
そして最後にシャルロットの番が来た。
「何時でも良いから」
「···そうする」
──小さく呟くと。
「鳥さん、お出で」
呼び出されたのは大きな鷹。
姿を現した大きな鷹が、コレットを襲う。
「〈空間移動〉」
すると襲い掛かった大きな鷹は、別の空間へと移動させられてしまった。
「そんな···」
と驚いた様子のシャルロットに、コレットは。
「威力が足りないの。もっと威力がないと、それに能力を組み合わせてみたら」
「···そう、試してみる」
コレットからのアドバイスを受け、それに従う。
突風の威力を限界に迄上げて、全身に纏う。
同時に鳥を呼び出した。
呼び出された鳥は隼だ。
その隼もまた突風を纏って、コレットを襲う。
──威力が桁違いだ。
回避を試みるも、相手の方が早く完全に攻撃を食らってしまう。
「ぐあっ…」
攻撃を食らい、躰中を痛みが襲う。
「先とは全然違う。シャルロットお姉さん」
「···そうでもないけど」
断然良くなったこともあり、その事を絶賛するコレット。本人はそうてもない様子なのだが。
それから其々の特訓が続いた。
そんなこんなで期限である当日が近付き始めた。
前日も確認を行いながら、当日を向かえようとしていた。




