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9話 初めての学科と二人の実技

何事もなく1日が終わったシャネルは、初の学科の方へと向かうが道に迷ってしまった。


広い庭を彷徨っていると、木に凭れ鳥と戯れるグレーの髪の少女と出会った。


「あ···あの~」


声を描けるが反応がない。


「あのーー」


「―――何」


二度目のシャネルの声掛けに嫌そうな声音で、少女はこちらを睨み付けた。


「非魔法学科はどちらでしょうか」


「そっち」


グレーの髪が指を指して教えると、一礼をして教えられた方角へ向かう。


少し歩いた先には古びた看板に非魔法学科と記されていた。


「こっちこっち」


仁王立ちのシャネルへ一人の少女が声を掛けてきた。


「君、新しく非魔法学科に入るって子だね」


「あ、はい、そうです」


「僕は非魔法学科のオリヴィアって言うんだ。さ、入って入って」


親しげなオリヴィアに言われるがまま教室の中へと入っていく。


「本日からお世話になります。シャネル・ネージュと申します。宜しくお願いします」


教室に入るなり自己紹介をするシャネル。


「あ、同じ一年だ。一人だけ一年なのかと思ったよ。良かった。よろしくねー。わたしはエミリーね」


真っ先に話し掛けてきたのは青い髪をした少女、エミリーだ。


「ネージュさんよろしく。アタイの名前はソフィ・ベルナール。自由に呼んでもらって良い」


「妾も名乗るのじゃ。妾の名はデルフィーヌ・ペリン。ネージュさん、宜しくなのじゃ」


残る二人も挨拶を交わした。


「···」


「最後の一人が彼女だ。シャルロット・ボネ。あまり人と関わりたくないみたいなんだ」


とオリヴィアが説明していると。


「皆さんお揃いのようですね」


そこへ担当講師のマドレーヌが入ってきてーー。


「紹介するつもりでしたが無くて良さそうなので早速始めていきます」


教卓の前に立ちマドレーヌが講義を始める。


「ではこれから実際にやってもらいます。オリヴィアさん、シャルロットさん、お願いします。ネージュさん良く見ていてください」


講義が終わると実技を行うことになり、


「これより庭で行ってもらいます」


非魔法学科の面子で庭に向かう。


私は鳥以外は信用しない。鳥なら私を裏切らないから。


 とは言え最初からこうだった訳ではない。


そう、最初は──


 これは一年前の九月。入学直後のこと。


━━━━━━━━━━━━━━


 入学した時の私は、周りと関わろうと無理していた。


 その結果多くの友人を作ることが出来た。


 「シャルロット、ごきげんよう」


「ごきげんよう」


友人と挨拶を交わす。


 多くの友人との日常は、不満などはは一切感じることがなく。


楽しい日々を送る。


 ──そんな中、初めて学科見学を受けた時に、私は魔法攻撃学科に惹かれ…


そこの学科を受講することに。


 授業は楽しく、直ぐに内容に追い付いていく。


 そんなある時、遅めの魔法の適性検査が行われ…


 結果は余りに酷く、適性率:10% 属性:雷


(弱


 その結果を知った仲間からは、表向きはそうでもないが、裏では色々と言われるようになってしまい。


 信じていた友人から、「私たちは絶対味方だから」というテンプレを吐かれてしまう。


 その言葉を信じた私は友人と普段通り行動していた。


 適性率が低い所為で、学科の実技試験は散々な結果。魔法が僅かすぎてボロクソにされてしまう始末。


 先生は呆れ顔で此方を見ていて視線が痛い。


 それも仕方ないといえば、それでお仕舞いなのだが。


 ある日──私は友人とボランシュの森を歩いてて


そう、そこが全ての始まりだ。


 複数の生物がシャルロット目の前に姿を現す。


 周りを見渡すも、友人の姿はない。


 (はぐ)れたのかと思うが、そうではない。


まんまと嵌められたのだ。


 その事を知ったシャルロットには、悲しみと憎しみが心のなかを渦巻いていていってしまい。


 森に集う生物達の包囲網を掻い潜って、少女は何とか帰還した。


 幸いにも体には滅多った外傷はなく、心以外は健康だ。  


 ──学園に戻ると、『友人』も私に関わりを持たないよう避け始め完全に孤立した


 ──けどそれで良い。シャルロットは分かったのだ。


 人と関わりを持つ事で、その内自分は裏切られるのだと。


 淡い期待をするなんて阿保臭い。そう思うだけ無駄だ。


 この日の内に、魔法攻撃学科を抜け、踉蹌ついてた所『非魔法学科』に出会った。


 とは言えど、そこに居た五人とも関わりを持とうとはしなかった。


 一人木の下で休んでいた所、一羽の鳥が飛んできて、シャルロットの隣で羽を休める。


 ついその鳥に愚痴を溢してしまう。

 

 伝わることなどあるはずもない、しかし鳥は少女へ擦り寄る。


 するとシャルロットは元気になっていき、鳥に微笑む。


それから鳥を愛でていく。


 ──鳥は良い。裏切らないし、話も聞いてくれる


 鳥と過ごしている内に、どんどん鳥の仲間が増えていく。


 こうして今の少女が出来上がった。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


学園の庭。


透き渡る風が頬を撫でる。


吹く風は程好く暑くはない。


 バトルウェアに着替えた二人はお互いに向かい合う。


 「それじゃあ、早速始めていきましょう」


先生の合図で開始した。


 愛用の銃を手にしたオリヴィアが、銃を放つ動作確認をし、構えて一発目を放つ。


──バンッ


 放たれた弾は勢いを殺さず、避けようとしないシャルロットを狙う。


 撃ち抜かれた──そうシャネルは思うも、実際は撃ち抜かれてない。


 弾幕が晴れると、素手で何と弾き飛ばしていた。


「す···凄いです」


「あれでも初盤ですよ」


 圧倒されるシャネルへ、先生が言う。


──すると。


 身体強化したシャルロットの移動で、突風が発生し…


 オリヴィアと目と鼻の先に迄距離が縮まりる。


 突風を纏った(パンチ)りで、オリヴィアが銃を放つことも出来ず吹き飛ぶ。


 吹き飛ばされた少女が不安定な体勢から、確実にシャルロットを狙う。


 がしかし──またしても軽々しく止めてしまい。


「これはどうかな」


 と言ってもう一本の銃と、刀を手にしたオリヴィアは。


身体強化をする。


 それからシャルロットへと近付くと、至近距離で弾を引く。


 同時に疾風を纏わせた刀で斬りつけ…


「──凄過ぎます」


 目の前で繰り広げられる戦いに圧倒されてしまう。


 受け止めきれず、攻撃を食らってしまった。


「──ッ!!」


血泥を吐き捨て立ち上がる。


傷口は塞がることはない。



 血を流しながら歯を食い縛って痛みを耐え、相手に近付き剣を凪払い二丁の銃を奪い取った。


「これで終わりだ」


「それはどうかな」


「何?」


 とオリヴィアの意味深な発言の直後──


 シャルロットは苦しみながら倒れ込む。


それは毒によるものだ。


あの刀に塗られていたのだ。


 先生が駆け付け、回復魔法と毒消しを行った。


 互角に見えた試合は、一段階オリヴィアの方が上だった。


 実技が終わり、教室へと戻っていく。


 教室へ入ると、早速授業を再開させる。


 「それでは先程の試合で使われた肉体戦の基礎を教えます」


 そう言って、レクチャーし始めた。


 「相手の懐を狙います。どんな相手でも隙さえあれば何とかなります」


 迚分かり易い教え方に、ふむふむと頷く。


 「では、早速ネージュさん、やってみてください」


 呼ばれた直後──低い姿勢で自分のベストで飛び掛かる。


 「そんな飛び掛かりでは弱いですよ」    


そう言って振り払う。


 「もう少し強く、そして早く飛び掛かって見てください」


──教えられた通りに動く。


すると。


「凄い。早くなってる」


エミリーは思わずそう呟く。


 「良い感じですね。次は構え方をやってみましょう」


 マドレーヌのお手本を真似て構えのポーズを取った。


──しかし


「握りが甘いてすよ」


そう注意を促す。


 そしてもう一二度繰り返す内に、上達していく。


 「呑み込み早くて助かりますね」


満足気な様子のマドレーヌ。


 「能力強化についてはまたやります。次は穴埋めして貰います」


 そう言って手渡されたプリントを配って行き、それを見ながら講義が続いた。


 それから暫く講義は続いて、本日の学科授業は終わった。


 「では、本日の講義は終わります。では、また明日」


と告げてから教室を出ていく。


 それからマドレーヌは先生仲間とお茶会を開く。


「では、私も帰ります」


「お疲れ、また明日」


「また明日ね」


「お疲れなのじゃ」


「バイバイ」


 続いて椅子から立ち上がったシャネルが挨拶をして教室を出て行く。


 出てから部屋へと戻っていった。


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