8話 変化
奇跡と言える成果を得た試合から数日。
少しではあるが、周りが変わりつつあった。
「ごきげんよう」
「あら、ごきげんよう」
シャネルへと普通に挨拶するようになった。
当たり前と言えば当たり前なのだが、あの状況からは考えられない出来事だ。
「シャネル、ごきげんよう」
「アリシア、ごきげんよう」
教室へ入り、何時もの席に座るとアリシアが話し掛けてきくるて…
「そう言えば、この前あのナディアさんを凌いだあれは何?」
「私にも分からないですね」
「へぇ、無意識に使ったって、可成り凄いじゃん」
先日の試合で、気掛かりがあったアリシアはその事を問う。
当の本人も全く知る由もなく、発動条件すら不明だ。
普段から使えるのか、危機的状況にのみ有効なのか。
「けど、あの力を使いこなせれば次は完全に勝てると思うんだけど」
「凄い自信じゃん。けど確かに、そうかもな」
最強と言う肩書きの相手に一度効いてるのだから、次も効くと思いたい。
「にしても、驚いたよな。あの#幼女__せんせい__#には」
「普段あまり見かけること無いですもんね」
「何時もは会議室に籠って仕事してるとか」
──まあ、無理もない。
あの若さで先生をしているのだから。
食事以外で会議室から出ることは滅多にはない。
何時もサボっている訳ではない。
一応仕事している。
教材の解り難い部分を簡素化して解りやすくしたり、それぞれの学年に配るプリント作成等々。
結構忙しいのだ。
「飛び級とかパナイって」
「七歳でここの学科制覇したってヤバすぎますね」
コレットの事を聞かされた二人はそのよう反応をしていた。
「あの空間魔法は恐ろしかった」
「確かにあれはヤバいね。ありゃ勝てないや」
思い出しただけでも鳥肌が立つ。
それも無理はない。
あれはチートなのだから。
そのような相手に、対抗する術など持ち合わせていない。
「そんなことよりも、交流祭で頑張らなきゃいけないです」
「交流祭ね。何だろね」
シャネルから出た聞きなれぬ言葉に、呟くと。
「そんな事も知らないのか」
会話を聞いていた隣の席の少女が割り込む。
「交流祭とは、他の学園との交流を目的としていて、この中で絆を深めて行くイベントだ」
交流祭について説明してくれて…
何処かワクワクしてる様に見える。
「そこで戦えるなんて、凄いことなんだ」
「そうなんですね」
目をキラキラさせる少女へ、そう返す。
そこへ先生が入ってきて、ホームルームが始まった。
色々と連絡をし、授業が始まった。
授業はどんどんと進んでいき、あっという間にお昼休みに。
シャネルとアリシアは食堂へ向かう。
食堂へ着くや否や、ビュッフェを楽しんだ。
食べ終わって、教室へ戻っていく。
──やはり可笑しい。シャネルが魔法を使えないのが
食事を済ませたエステルは違和感を抱いていた。
──あまりにもスムーズに行き過ぎている。何かあるとしか思えない。
あのシャネルの結果に疑いを持ち始めたエステル。
しかし方法が分からない。
機械にあるのか、或いは──
不信感があるのだから、間違いなく何かあるのは違いないだろう。
「──魔法殺し。あれは汚名何だよね」
恐らくは間違いないだろう。
問題なのは──
「どうして、シャネルのが狙われたのか」
本当にそうなら、何かあるはずだ。
等と考えていると、昼休みの終わりが近付く。
なので急いで片付けを済ませ、教室へと戻っていく。
「やっぱり魔法使えたんだ。前迄は」
偶々居合わせていたコレットが、ボソッと呟いた。
「本当に仕掛けられてたんだ。本来のお姉さんとなら楽しくやれたのかな。だとしたら残念」
愛くるしい瞳には悲しみの表情が浮かぶ。
──一体何処へ魔法は消えたのか。
それを知るもは、盗んだと思わしき人物しか知り得ない。
コレットもまた会議室へ戻っていった。




