一夏の思い出 ~貴方と過ごした時を胸に抱いて~
貴方と共に一夏を過ごした
貴方に触れられた手はチリチリと痛みが走ったけれど、痕は何も残らなかった
夜は目が冴えるのね
眠たくてうとうとするのはいつも私
好き……
最初はそんな気持ちは無かった
貴方のことをよく知らなくて、知ろうともしなくて
でも、貴方とのこと、沢山の人に相談したの
知りたいと思った
知らなきゃ、って強く思ったの
知れば知るほどに気持ちは膨らんで
好きという気持ち、愛しいという気持ちが私の中に芽生えて
でも、貴方のことを好きなのは私だけじゃなかった
「行ってきます」をする時、あの子が貴方に投げキッスをしたのを見て妬けちゃった
あの子からの投げキッス、羨ましいな
夏が終わり、秋になり、貴方は去った
何となく、予感はあった
貴方の死を受け入れて、動かない貴方を持ち上げたら、首と胴が離れてしまった
愛する人の首を切り落として愛で続ける絵を漫画とかで見たことがある
でも私はそんな気持ちにはなれなくて
ごめんなさいごめんなさいと心の中で呟きながら
貴方の死骸を庭の土に埋めた
お供えになる?
それとも別の貴方が食べに来る?
食べ掛けのゼリーをそっと横に置いて手を合わせた
当初、約1,700円の経費を要した。
土か木屑の袋、細長い木、中央が窪んだ木、ゼリー(100均の安物だと食べなかったりするとの助言有)、ケース1つ(1つは家にあった物を使用)
男2、女2、計4(男女セットで、2、2にしないと喧嘩すると助言有)