創世神と出会う
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2☓☓☓年、☓月☓日☓曜日。
5:00起床、5:30出勤。
12:00昼休憩、21時帰宅。
23:00就寝。
いつも通り、何事もなく1日が終わった。
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俺は寝る前には必ず日記をつけている。
だが、内容はご覧の通り。超適当。
何を書けばいいのかさっぱりだ。
毎日日記をつければ何か変わると思い、始めてから約10年は経った。
………。
何も変わってなかった。よく三日坊主にならなかったなと自分を褒めたいぐらいだ。
そう思いながら日記を閉じ、眠りにつく。
翌日、5:00から3分刻みでアラームが大音量で鳴る。
目を開けて、アラームを止め、外を見ようとするが―
「…そうだった」
この部屋に光は入らない。元々この部屋には窓がない。
広がるのは壁一面を覆い尽くす本棚と無数の本。
俺の趣味は読書。会社へ行く途中、休憩時間、休日…隙あらばいつでもどこでも本を読んでいる。
会社では、ただひたすら椅子に座りパソコンを使って仕事をしている。
おかげで肩こりひどいし、腰も痛いし。
正直やめたいなんて思っているが、お金がなくなったら生きていけない。
本が買えないどころか食べ物まで買えなくなる。
嫌嫌ではあるが、本のためと考えて仕事を頑張っている。
そんなある日のことだった。
仕事の量が多く、残業することになってしまった。
いつもの時間より2時間、遅い時間に帰宅していた。
疲れがたまり、頭痛もひどく、歩くのも大変だった。
そして意識が朦朧としていたせいか、信号を見ずに横断歩道を渡ってしまった。
ドンッ!!という鈍い音をしていたが、思考が追いついていなかった。
地面に寝そべり立てなくなり、少し鉄臭い匂いがする。そこでようやく気がついた。
あ、俺轢かれたのか…?
体が寒くなってきた。周りから大きな音が聞こえるが、何かすらわからない。次第に意識がなくなって―
そして俺はそのまま死亡した。
「……?あれ?生きてる。」
俺は確かに車に轢かれて死んだ、はず。
どこだここ。
「あら、お目覚めのようね」
突然声が響いた。誰かと思い、周りを見渡すが誰もいない。
というより、何もない。ただただ真っ白な世界が広がる。
「ここよ、ここ」
また声が聞こえた。と思ったら目の前に急に現れた。
「うわっ!?」
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。」
「え、え…?あの、あなたは一体…」
「あぁ、言い忘れていたわね。私は異世界を創った神。いわゆる創世神というものよ。」
頭の中が疑問符だらけである。
異世界…?創世神?何を言っているのか…
「混乱するのも無理ないわ。死んだのに生きてるなんて、普通に考えてありえない話だもの。」
「そう…ですね。状況を理解するのに時間がかかりそうです…」
「うーん…正直今すぐ異世界について話したいのだけど―その様子じゃ無理そうね。しばらく待っているわ。落ち着いたら呼びなさい」
「…はい」
俺はしばらくここで休むことにした。