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誘われた場所は暇人のたまり場
貴方には友人がいる。
とても厄介な友人だ。
どうしてかはきっともうわかるだろう。
そうギャンブルが好きで、古くからあるカジノに君を無理やり連れて行こうとするのだ。
しかし貴方も、高貴な身分でありながら、周りから厄介者として扱われている。
厄介同士の空間はさぞ居心地がいいだろう。
であれば行くしかなかったのだ。
たとえ、つまらない話を聞くことになろうとも。
なあ、知ってるか。
何が?
この大きなカジノに展示されている手記のことだよ。
ああ、”不幸なる奴隷”の噂だろ。
そう、最も幸福な奴隷による――。
もっとも不幸な事件の話、ね。
暇つぶしにはもってこいだからさ。
ここで話すのか?
いや、新しく来たこいつがよく知ってるんだとよ。
へー、Kが。
おい、ゲスト、ちょっと一緒に聞いていかないか。
今回暇してるってからって、ここに連れてきたが、普段よりも面白そうだぞ。
な?聞いて行ってくれるだろう?
分かったって?
おk、それじゃあ、Kよ。
話してくれ。
ああ、これは僕が伝え聞いた話なんだがね。
ある所に、14人の主人を持った奴隷がいた話の全容だ。