・枯れる薬草・
「は? 仕事がない?」
案内所で依頼を受けようとしたら、受付がこう言ったのだった。『仕事が無い』ーーと。ーーなんだそれ?ーーふざけてんのか?
俺はユリシアと例の『マサル』を連れて、コミュニティに来た訳だ。ユリシアは俺が思うよりもかなり優秀だった。折角だから、一応アウト×ワーカー登録をしてはどうだと言ってみた。彼女は乗り気ではなかったが、薬草に詳し過ぎるんだよ、彼女。勿体無いから登録だけしときゃいいんだよ。登録料は俺が払うからと説得して、連れて来たのだ。マサルの方は、ついでにだ。
こいつの場合、マイナスになるかもしれないーーが、と思ったが、まあ、ついでと言う事で。此方も当人は乗り気では無い。『怖い』と来た。ーーおまえなーーじゃあ生活費どうするんだとーー言いたい。言ったがな。
で、登録依頼と、ついでに『仕事情報』を聞いたのだがーー
「どうやら『報告』を聞く限り、『異常気象』的な? 洞穴なんかの植物まで、ーー駄目に為ってるとかで。とにかく異常報告が絶えないんですよ。」
なんだそれーー
「ーーんん? もしかしてカーズィか?」
「支部長じゃないですか……どうなってんの? 何『異常』って。」
「いや、どうやら…………『地熱』が上がってんじゃないかって、学者が言ってるんだが?」
「ーー地熱が?」
受付の奥から支部長が出て来て、俺に言ったのだった。
「分かった。ーーじゃあ取り敢えず『登録』2名な、あ、俺が面倒みるから『パーティー』で。」
宜しくと言うとポート・リーダーは呆れたのだった。『今か…………?』と。
今だけど?
「すみませ〜ん。」 「冒険者……じゃ無かった、『アウトワーク登録』って、此処で出来ますかあ〜?」 「違うぞ、理、『アウト・ワーカー』だとよ。」
「因みに『五名』です。」 「『職種』ってあんのかな?紺ちゃん居ないと理解らんな。」
と、其処へ、俺の横から若い男の子『5名』がーー受付に聞いたのだった。そして、其処でやっと『マサル』がーー言ったのだった。
「ーーーー『なつめ』君?」と。お前は記憶が戻ったのか?なあ?ーーーーーー
しかし、呼ばれたらしき相手はこう言った。『どちら様?』と。
「加野っち、知り合い?」 「嫌、深織も馬鹿言うなよ。知り合い居たら『可怪しい』だろ。」 「人違い?」 「人違いでも此の場合可笑しいよな?」
「ーーー『名前』が『合って』るしなーーはて?」
はてじゃ無い。ーーーー何なんだ??
「「「「「さておき『登録』お願いします。」」」」あ、後『説明』もね、おじさん。」
「宜しく「「「「お願いします。」」」」」
5人の少年達はーー綺麗に頭を下げてお辞儀したのだった。
「ーーこら、此方を無視するなーーよ。おいマサルーーやっぱり知り合いなのか?」
俺の言葉に悩んだのは、マサルではなく『少年』の方だった。
『…………まさる? ……………マサル……………マサル………まさ…………あっれ?』と。
だが言ったのは、ユリシアだった。
「あの、今『紺ちゃん』て言いました?」と。
ユリシアの問いに、少年達の中の、一番顔立ちが綺麗な子がーー答えた。
「あっ!分かった!もしかして貴女ーー『ユリシア』さん?!」と。ユリシアは『そうです!』と返したのだった。
× × ×
「あ〜では、『試験』を始めます。」
「リーダーがやんの?」
「カーズィ……………今日……………中に『私』の『仕事』は『無い』のだよ…………」
「で、『職員』達は逆に『忙しい』と。」
「分かってるなら、黙っててくれ……………先に進まんから……………」
「悪いね、『俺』も『暇』なんだわ。」
「でも『俺達』急ぎなので、邪魔しないで下さい。」
と、ポート・リーダー・『ラッシュ』がアウト・ワーカーの試験の進行を始めたので、俺が確認をするとーー先程の『坊や』のひとりに、咎められた。ーーこいつーー、
坊や『達』は『あの親子』の『仲間』ーーらしい。本当質悪いな〜あの男。こんな『少年』達迄、ーー手なづけてんのかーー何企んでんだか。ろくな奴じゃ無いな。
と、やや険悪に為りかけたーーその時だった。
「おまたせ〜そっち『終わった』〜?」と。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーずっげえ美少年来たぞおい。何?
後、美青年がその後ろからーーーー来た。こっちもやばい。何?
俺の目が可怪しいのか?
「!!」 「おまたせっ!?」 「嘘でしょ?!」 「ははは。」 「悠緋!はははで済むか!ちょっと!」
「………………………海君〜巧さ〜ん。…………………………俺達未だ『登録』すら………………。」
「えっ、……………………………………。何してたの? お腹痛かったの? 大丈夫?」
「……………………海君。」 「や、大丈夫お腹痛く無いよ。…………………。」 「普通に、今から『試験』です。」 「えっと、てか二人早すぎませんか? 巧さん。どうやったの?」
「俺達?」
「えっとね〜『巧』が『変則』的『試験』にしてもらって、すぐ終わって、そのまま『行って』来た。やっぱり『全部』枯れてたよ。」
「と、いう感じ。報告もしたから、『移動』するよ。早く『終わらせ』なよ。」
ーーーーーーと。やって来た『美形』の二人はーーーー好き勝手言ったのだった。こいつ等はーー何?
「!! 俺の『念願』の『ダンジョン』『制覇』の『夢』がーー終わっちゃった?ーーーーー又しても。っ、くうっ。嫌『我慢』しろ俺。此れは『遊び』じゃないんだ!紺の為なんだ!くうっ!」
「……………………原が…………………壊れたな。と、いう訳でやっぱり『急ぐ』ので『成る早』でお願いします!」 「待て待てw」 「『成る早』は通じないだろ。」
「あ〜『成る早』だと、『転職者』のみーーなんだよね。ごめんな、君達。まあ、急ぐからさ。『普通』に『試験』受けてよ。悪いね。さ、始めよか。」
ポート・リーダーは言ったのだった。「「「「「通じた?!」」」」」ーーと、何故だが少年一同は驚いたのだが。
そんな事より、俺は今凄く気になる単語を耳にした気がするーーそれを確かめる。美青年野郎にーー問い掛けた。
そいつは俺の方を向いた。そして言ったのだ。
「『薬草』? ーーうん。『全滅』かな。」と。
事態は俺が思うよりも、深刻だった。『薬草』が全滅? 洞穴のか?
非常に不味いーー即ち其れは、『薬』が作れないのだから。何が起きてんだよ?
「ーーーーーってえ!っちょっと待ったあ!!!!っわ〜ちょっと!ストップ〜〜〜!」
「あれ?」
「ちょっと!何なの君等は!強過ぎだから!もうイイ! 『格闘面』は『合格』!次!『知識』っ!って、え?…………………………え?」
「ポート、リーダ〜、此の子達『満点』です。あ、あと『そちら』の『女性』も。『合格』ですね。あ、『君』は『駄目』ね。『見習い』以下ね。『出直し』だね。うん。」
マサル以外は、『合格』だった。ユリシアは『採取』の『実技』を残すのみだがな。
ちょっと『聞いて』良いか?先程『目の前』で、『不可解な』出来事が『起きた』ーーんだが。
「ポート・リーダ〜、『試験官』が起きません〜どうしましょうか…………………?カーズィに『頼み』ます?」
コミュニティ職員が、何か言いやがった。やだよ。
ガタイのイイ、それが取り柄の『格闘試験』専任の『試験官』、素手で『跳ばせる』連中の『相手』は、御免被るよ。
彼奴等『何者』だよ?しれっとしやがってさ。
格闘やってる間に『知識』試験官引っ張り出して来て、『此処』で無理矢理『試験』始めやがって。『問い』の『知識』問題『スラスラ』答えやがった。『全員』がだ。『闘いながら』だよ!
「ほらな。『時短』だったろ。」
綺麗な顔の青年がーー言ったのだった。美少年が言った。「今日『巻き』だからね。」と。
にっこりと。ーーーーーーーーー俺は寒気を覚えたのだった。ーーーーーーーー何が『起きて』んだ?ーーーーーーーーーーーと。
美青年の方が、動いた。試験官の元まで。そして、試験官は、起き上がったのだ。
青年が『手を触れた』ーーだけで。