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最強な元囚人のスローライフは大罪ですか?  作者: 舵輪
第1章 《ロードウル王国編》
9/19

episode7 決闘

少し投稿が遅くなってしまってすみません!

決闘当日になった。


冒険者ギルドの裏にある闘技場にはたくさんの冒険者が集まっていた。


「おい、あの『聖閃』が駆け出し冒険者と決闘だってよ。ギルド試験の結果が気に入らなかったらしいぜ。」


「それにしてもあの新入り、試験結果が化け物レベルだから金で高ランク冒険者に手伝ってもらったボンボンだって疑われてるらしいな。」


そんな言葉が客席のあちこちから聞こえてくる。


俺は緊張しながらも、ベストを尽くせるよう精神を整えた。


◆◆◆


冒険者ギルドに併設された闘技場の客席に一人の女性、セレナはいた。


彼女はクリスが入ってきた途端、


〈あ!あの人、あのとき助けてくれた…〉


と彼女は心の中で少し驚いた。


〈あの人が駆け出し冒険者…?そんなはずないんだけど…〉


そんなクリスの向かい側からセルードが入ってきた。


その時、客席が沸く。


そしてクリスが精神統一を始めると、熱狂していないセレナのみがそのオーラに気づくことになった。


それは、幻獣の威圧にも近い覇気をギュッと濃縮して抑えたような強力な気配(もの)だった。


「君は僕の覇気に耐えられるかな?」


そうセルードが言い、全身に力を巡らせる。


だが、そうして練り上げられた覇気は、規格外であるクリスに挑むにはあまりにも薄っぺらい覇気であった。


〈あんなので勝てると思ってるの…?セルードって人は身の程を知らないのかしら…〉


そう呆れたセレナは、黙ってこの試合を見届けることにした。


◆◆◆


「君は僕の覇気に耐えられるかな?」


俺の向かい側にいるセルードはそう言った。


《ハハッ、あんな薄っぺらな覇気、一瞬で吹き飛んじまうだろ。》


と、グリードが鼻で笑うが、


「いや、あの人多分手加減してくれてるんだろ?」


と、小声で俺が制する。


《そう言うと思ったぜ。だから俺はお前を選んだんだ。》


そんな意味のわからないことを言いながら、グリードは意識の奥の方に潜り込んでしまった。


「さて、ひと段落ついたし、準備OKの合図を出すかな。」


俺は、頭の上に手で丸を作る。


すると、アナウンスが始まった。


〔皆様、ご来場ありがとうございます。

それではこれより、クリス様対セルード様の決闘を執り行います。〕


そうアナウンスが流れると、観客がさらに沸き立った。


俺たちの間にいる審判が、ルール説明をする。


「この試合では、相手の殺害は禁止、降参か戦闘不能で決着です。スキル、魔法の使用は控えてください。」


そう言われるとセルードは模造剣を正眼の構えに、俺は脱力し、腕をダラリと垂らした。


「始めっ!」


刹那。


俺は彼の懐に潜り込み、配給された模造ナイフで斬りつける。


その後ナイフを逆手に持ち替え、刺してからの、持ち手での突き。


そのままタックルで吹き飛ばすと、彼は気絶してぐったりしていた。


「は?どういう事だ?」


俺は本気で困惑した。


会場も困惑していたが、やはり俺が一番困惑していた。


本気を出していないとはいえ、セルードは二つ名持ちだ。


それが俺みたいなのにこんな簡単にやられていいものなのだろうか。


《お前のその自分の力を自覚していないあたりが気に入ってるんだぜ。》


と、グリードが突然出てきて言う。


いや、自分の実力が無いのはこれまで嫌という程思い知ってきたはずだ。と思うが、


《お前は自分を過小評価し過ぎだ。》


と、言われてしまった。


《ちょっとは自分に自信持てよ。お前は強いんだから。》


まあ、励ましてくれるのは嬉しい。


そんな話をグリードとしながら、俺は支給品を返し、宿へ戻った。


◆◆◆


次の日、俺は依頼を受けにギルドへ向かった。


過程はどうあれ昨日の決闘には勝ったから、仲間になりたい人がいるんじゃないか?


と、少し期待していたが…


「誰も近づいてこない…」


みんな近づいて来るどころかむしろ俺を避けているような気がする…


そんな時、後ろから俺を呼ぶ声がした。

【ちょっと小話】

セルードの覇気はクリスに比べては薄っぺらですが、そこらのチンピラ程度だったら気絶させられます。


それ以上の覇気を持つクリスって一体…


そのクリスの覇気を浴びても発狂しないセレナさんって一体…


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