episode5 『元』英雄、防具を新調する。
今回からあとがきに小話が入ります。
朝。俺は今つけている防具を売りに出すことにした。
なんでそんなことをしようと思ったかといえば、
決闘を申し込まれた時、こう言われたからだ。
「決闘の前にその金で買ったであろう服は取り替えてくるんだ。君みたいな金持ちが冒険者になって出世するのは気に触るからな。」
まあ別に金持ちなわけじゃなく、あれの時に魔族が使役していたケルベロスの皮で作ったものなんだがな。
と心の中で言って小さく笑う。
ここは心機一転、新しい防具を新調しよう!と思い、ゴルグさんの工房へ向かった。
◆◆◆
「おーい、ゴルグさーん!」
と呼べば、
「おお、あんたか。よく来たなぁ!」
と言って出迎えてくれたので、工房を使いたいことを話すと、
「おう!そんぐらいならいくらでも貸してやる!」
と、快諾してもらえた。
早速工房に入った俺は、アイテムボックスからウィンドウルフの毛皮を出し、加工を始める。
しばらくして、俺の新しい防具である、風狼装が出来上がったので、ケルベロスの防具をゴルグさんに売って、出来上がった防具を着てギルドに向かった。
◆◆◆
ギルドに着いたのは昼過ぎで、かなり空いていた。
俺は掲示板から薬草採取のクエストを剥がし、カウンターに置いた。
「ええっ!もう依頼ですか!?」
ん?何かおかしかったのだろうか。
「普通の人は冒険者試験を受けた翌日は依頼を受けないんですよ?」
「ええ!そうなんですか?」
「しかもなんですかその鎧!?風の加護でも付いてるんですか?」
「ああ、これはさっきゴルグさんの工房で作ってきたんですよ。」
「ゴルグさんの工房!?作った!?はぁ、驚くことが多すぎてもう呆れますよ…」
あれ?まあゴルグさんは国一の名工らしいけど簡単に工房を貸してくれたから、みんな作ってるんじゃないのかな?
「というか、なんで依頼が薬草採取なんですか…」
「え?初心者の依頼と言ったら薬草採取だろ?」
「いやまあ、そうなんですけれども、クリスさんは魔物討伐のクエストを受けた方がいいのでは?」
「いやいや。焦らず、堅実に、ですよ。」
「いやあ、謙虚ですねえ。なんでセルードさんに目をつけられたのか見当もつきませんが。」
「まったくですよ。」
「あ、言い忘れていましたが、ゴルグさんはうちのギルドマスターもやってるんです。滅多に顔を出しませんがね。」
「ええっ、あの性格からは想像もできませんね、ギルドマスターなんて。」
「ふふっ、そうですか?あれでも真面目に仕事はするんですよ?」
そんなことを話しながら、依頼を受領する。
その後俺は、依頼場所のウルナ大森林へと向かった。
【ちょっと小話】
ゴルグさんとプリムガンの衛兵ロック、王都の衛兵さんは、実は兄弟。
(笑い方がみんな一緒です)
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