episode2 世界は退化してたっぽい
俺、クリスは今、王都の検問の前にいる。
なぜここで立ち止まっているかというと、心配だからだ。
ああ、さっき成り行きでなんとかなるとか言った俺が情けない。
釈放されたとはいえ、元大罪人であることに変わりはない。
まあ、物は試しだ、案外上手くいくかもな。
「すみませーん、王都に入りたいのですがー」
俺は声を掛ける。
すると、衛兵にこちらへ来るよう促され、身分証を要求される。
「入国の目的は?」
と、衛兵は身分証を見ながら聞く。
あまりにも突然だったので、少し驚いたが、
「一応、冒険者志望で…」
と言うと、
「冒険者にしては少し歳をとりすぎてないか?」
と言われる。
だがすぐに、
「まあ、このくらいの年齢の方が冷静な判断が取れそうだがな。」
と言い、ガハハと笑った。
俺はそれを見て、プリムガンで最初に会った、衛兵隊長のロックを思い浮かべた。
そうこうしているうちに、検問がおわったようだ。
「入って右側にすぐ見えるのが冒険者ギルドで、左側が宿屋だ。冒険者になるなら覚えておけ。ま、すぐに慣れるだろうがな。」
と衛兵は言い、またガハハと笑った。
そのまま検問所を後にした俺は、冒険者ギルドへ向かった。
冒険者ギルドに入るとすぐに、いかにも強そうな見た目をした四人組に見られたが、気にしない。
関わってもいいことなんかないからな。
そのまま真っ直ぐギルドカウンターへと向かった俺は、
「冒険者登録がしたい。」
と言って、身分証を出した。
受付嬢のエルフらしき金髪の女性は、淡々と作業をこなしていく。
そして最後に、
「冒険者登録には、試験が必要です。外の草原で、ホーンラビットを三匹倒してきてください。」
と言われたので、
「わかった。本当に三匹なんかでいいのか?」
と聞くと、
「多い分には問題ありません。ホーンラビットはFランクの魔物ですので10匹倒して来る人もいましたよ。ちなみに、討伐の証明部位は角です。お間違えのないように。」
そう聞くと早速俺は、草原に走り出した。
なかなか魔物が見つからないので、昔よく使っていた魔物寄せの指笛を使ってみると、
「おいおい、そんなに効力あったかよこの指笛…」
と言うほどの距離から、魔物の群れがこちらへ向かってくる。
まあ来てしまった物は、しょうがない。
そう思いながら、俺はなんの変哲もないただの鋼鉄のナイフを構えた。
まず最初に襲ってきたホーンラビットの五匹程度の群れの、一匹の突進をいなし、前にいる二匹の尾を掴んで回転する。
それだけでホーンラビットの角に巻き込まれ、来ていた魔物の半分が倒れた。
よく見れば、魔物は16体ほどで、それほどの驚異でもなかった。
その後も、適当に突進を躱しながら、ナイフで斬りつければ、群れは全滅した。
その後、討伐の証明部位の角を全匹分剥ぎ取り、その場を立ち去ろうとすると、後ろから強い殺気を感じた。
思わず飛び退くと、一瞬前に俺がいた位置に、鋭い爪を持った前足が振り下ろされる。
すぐさま後ろを向くと、そこには、風を纏う三匹の狼たちがいた。
俺はすぐに、前へ進むと二発、三発と斬りつける。
だが、狼たちが纏う風により、弾かれてしまう。
「久々だが、あれを使うしかないか。」
そう言って俺はナイフをしまい、狼たちに向かって突進する構えをとる。
次の瞬間、俺は走り出し、狼たちの前で高くジャンプをすると、そのまま宙返りをしながら狼たちに向かって手を伸ばし、
「【奪取】!」
と叫ぶ。
すると頭の中から
《技能、【身体強化】、魔術、【風魔法】を習得しました。》
と声が聞こえたので、すかさず
「【身体強化】!」
と言い力が漲るのを感じながら、狼たちを斬りつける。
すると、今までのことが嘘のように簡単に狼たちを倒すことができた。
「んー、なかなか強敵だったな。仮面はできるだけ温存したいからな、こんなとこで使って目立ったら元も子もない。」
スキルも手に入ったし、ギルドに帰るとしよう。
こうして俺は、アイテムボックスに素材などを全て収納し、ギルドへの道を辿った。
名前:クリス・グリード
Lv.25
年齢:32
性別:男
【称号】
・【|強欲
《グリード》】
【ステータス】
体力:2500
魔力:3900
攻撃力:1300
防御力:1000
素早さ:2300
知力:5000
幸運:4500
【スキル】
・【鑑定】・【アイテムボックス】・【奪取】・【身体強化】
【魔術】
・【風系統魔法】
【装備】
頭:
腕:【|地獄犬の手袋
《ケルベロスグローブ》
】
胴体:【|地獄犬の上着
《ケルベロスベスト》
】
足:【|地獄犬の靴
《ケルベロスブーツ》
】
アクセサリー:【|強欲の骸面
《グリーズ・スカル》
※携帯状態】【|幽々の外套
《レイスローブ》
※不可視状態】




