episode0《泥棒狐》
いきなり最初は三人称です。まだ本編には入っていません。
やあどうも、こんにちは。
俺が何者かって?まあそんなことはいいだろう。
今から一つ、君に話をしよう。
ある男の昔の物語を…
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「何も無いな…」
一人の少年は言う。
彼はクリス、ファミリーネームのないトレジャーハンターである。
彼の齢は、13。
彼の潜った迷宮などからは宝が見つからなくなるため、巷では『泥棒狐』と呼ばれている。
「ここ、本当になにもないんじゃないか?
ガセつかまされたかもな。」
そんなことを呟きながら洞窟の奥へと進む。
そして、洞窟の最深部へとたどり着いたようだった。
「「止まれ!」」
二人の衛兵がクリスの前に立ちはだかった。
「ここからは囚人国プリムガン。入るなら通行証を見せろ。」
するとクリスは、
「あいにく通行証はないんでね、立ち去らせてもらうよ。」
と、踵を返したかと思うと、
衛兵の懐に潜り込み、有無を言わさず気絶させた。
「本部に連絡しなくては!」
ともう一人は言うが、間髪入れずに気絶させられてしまう。
そのままクリスは門を飛び越え国内へと入っていった。
「そういえば、あの衛兵の【鑑定】忘れてたな、まあいいか。」
国内に入ったといっても、まだ薄暗い洞窟が続いていた。
進んでいくと、クリスは後ろから殺気を感じる。
「うわっ!」
慌てて避けるも、クリスは麻酔弾で気絶させられてしまった。
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「…いってぇ、ん?どこだここ?」
「おう、坊主気がついたか。
いきなりで悪いがお前を不法侵入の罪で逮捕する。」
「は!?まじかよ…」
「まぁそう落ち込むな、これで念願の入国が叶うぞ、まだ入国審査があるけどな。」
「いや、帰してくんない?てか、あんた名前は?」
「お、自己紹介を忘れてたな、俺はロック。囚人国プリムガン裏門の衛兵隊長だ。
っとまあ、お前は今お尋ね者ってわけで、
帰すわけにはいかないんだよ。」
「で?それじゃ俺はなにすればいいわけ?」
「とりあえずここを出て、ガラの悪りぃおっさんに入国審査って伝えろ。」
「そうか、ありがとよ、ロックのおっちゃん!」
「俺はまだおっちゃんって年じゃねえぞー!」
そんなことを言いながらクリスは入国審査所へと向かった。
「そこのあんた、入国審査を頼む!」
「名前は」
無愛想な声で聞かれる。
「クリス!家名は…無い!」
「じゃここに手を乗せろ」
「おう!」
と言ってクリスが差し出された板に手を触れようとした瞬間、手が板に弾き返された。
《お前、俺と契約してみねえか?》
そうクリスに声が聞こえる。
「契約していいことあんのか?」
と、聞くと
《この国の最高地位を手に入れられるだろうな。》
「んー まあ、地位にそんな興味無いけど契約っと」
そして、契約すると声の主の妖狐の姿が見えた。
「随分と軽いな、少年。」
と、審査員に声をかけられる。
「これ、あんたにも見えてんのか?」
「いいや、だが普通はもっと考えるものなんだよ。」
そして、もう一度差し出された板に手をかざすと、白いカードが発行された。
「それでは、お前は今日からこのプリムガンの正式な住人だ。で?お前の地位はっと…」
そう言って、審査員がカードを見るや否や、白目をむいて気絶した。
「おっさん?どうした?まあ、いいか。」
そう言ってクリスはカードを取って自分の名前の欄を見る。その家名の欄には、
しっかりと、【グリード】の文字があった。
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「ふうん」
酒場にいた1人の男はつぶやいた。
「それで?あんたは誰なんだ一体。」
もう1人の男は言う。
「俺か?俺は、囚人国プリムガン【七つ星】【強欲】クリス・グリードだ。そしてこれは、俺の物語だ。」




