episode12 スタンピード①
今回は一章のクライマックスの始まりです。
どうぞ楽しんで!
「来たぞ!」
どの冒険者とも知れない声がこれから戦場となる場に響く。
スタンピードが、始まった。
先ほどの一言であたりは一気に戦場と化した。
「始まってしまいましたね。」
セレナはそう言った。
だが、前衛のクリスはそれに応える間も無くもなく戦っている。
その姿を見て、周りから歓声が上がる。
肉を裂き、骨を断ち、間髪入れずに戦闘は進んでいく。
モンスター達は本能のままに1番強く見えるクリスを狙っていた。
あいにくこの場に高ランク冒険者はいない。
暴走した憎悪の矛先は全て彼に向かうのだった。
◆◆◆
おかしい。何かがおかしい。
このスタンピードには裏があるとは思ったが、それにしても動きがなさすぎる。
そんな事を考えながら、俺は敵を捌いていく。
ドウッ!!
「やっと動いたか。」
俺はこのスタンピードの黒幕を確信するのだった。
だが、黒幕が現れたからには少々本気を出さなければいけない。
ここは少し向こうの出方を待つか。
◆◆◆
数分前、ある馬車の中で...
「おい、まだ着かねぇのか?」
ガラの悪い獣人は言う。
「あと少しかかるかと...」
従者は恐る恐る答える
「はぁ?ナメてんのか!?もっと飛ばせよ!」
「はっ、はひぃぃ!」
馬車内が騒がしくなる。
「気持ちを抑えろ、着いてから存分に暴れろ。」
長身の男が制す。
「へっ、しゃーねーな。わーったよ。」
仕方なく獣人が了承したとき...
ドカッ!
大きな音に合わせるかのように馬車が揺れる。
「「「うおっ!?」」」
「何だぁ?」
「猪型のモンスターがぶつかって来たようだな。」
「じゃ、そろそろ着いたってことか?」
「そうなるな。」
「じゃ、行ってくるぜ、後でこいよ?お前も幹部だろ?」
「分かっている。早く行ってこい。」
「ウリィャアアッ!」
ドウッ!!!!!
轟音とともに大きな土埃が上がる。
「ゴホッゴホッ、もっと静かに行けば良いものを...」
◆◆◆
「...バーンノヴァ」
ゴゥッ!!!!
「うわっ、危なっ。でも、動いてきたみたいだな。」
「ほぉ、これを避けるか。」
「死ぬのは嫌なんでね。ところであんた、帝国の人間だろ?」
「半分正解半分はずれだ。帝国の猫獣人だよッ!」
キィンッ!
「出来ればもう少し広いとこでやらないか?」
「いいだろう、ここら一帯焼き払ってやる」
「いや、やっぱ遠慮しとくよ。」
「ハッ、そんな心配しなくても結局は此処は焼け野原になるんだ。覚悟しな。」
「へぇ...だがそれは困るんでこっちも少し本気を出させてもらうよ。」
◆◆◆
セレナは、土煙の中からやってくる人影を見つめていた。
「あなた、誰ですか?」
「私ですか?帝国幹部のベリア・ミスティクと申します。ベリア卿とでもお呼びください。あなたも名乗っては?」
「そうですね。私は、セレナです。ただの...セレナ。」
「ほう...そうですか。貴女は嘘をついていると、この目が言うのですがねぇ?」
「くっ...私は!第三王女のセレナリア・フォン・ロードウルよ!」
「そうですか、せいぜい楽しませてくださいよ?」
そこに、一人の男が割り込んだ。
「おい、何勝手に話進めてんだハゲ!」
「んん?あなたは?」
ベリアは言う。
「俺はセルードだ!元『聖閃』のな!セレナさん、援護を頼む、俺が前に出る!」
「は、はいっ!」
「セレナさんが傷つくときっと兄貴が悲しむからな、本気出すぜ!」
こうして、それぞれ二組の戦いが始まったのだった...
いよいよ戦いが始まりました!
猫獣人の名前はそのうちわかります。
ちなみにベリアは顔が青白いハゲのおっさんです。
セレナさんのフルネームも、本当の身分も分かりました!
まさか、王女だったとは...
ちなみに、馬車の中にいた長身の男はベリアではありません。
面白いと思ったり、続きを見たいと思ったりしたら、
ポイント評価とブックマーク登録、感想をよろしくお願いします!




