episode9 黒き死神へと至る
今週は都合でこの話だけです。
短くて小話もないけど読んでみてください!
ーー数週間後
深夜。皆が寝静まった時間。
「セレナさんは寝たようだな。そろそろ行くか。」
俺はレイスローブを実体化させ、仮面をかぶって闇夜に躍り出た。
俺がなぜこんなことをしてるかといえば、国を出るときに、
「何か異常事態があればグリードを介して伝える。君はそれを解決してくれ。」
と言われた。
その異常事態がついにやってきたらしい。
だが詳細は一切教える気はないらしい。
「ま、機密情報らしいししょうがないな。」
そんなことを考えていると、目的地の廃墟に着いた。
「ここに対象がいるんだな、グリード。」
《ああそうだ、もう出てきてるぞ。》
「出てきてる?あれか?あの二足歩行してる鶏か?」
《それだ。》
「来たか。ご客人、ここに来たということは覚悟はできているのだろうな!」
「覚悟?なんのことだ?」
「まあ良い。自己紹介と洒落込もうではないか。我は上級魔族の闘鶏様だっ!」
見た目通りの名前だった…
「は、はあ。俺はクリス。クリス・グリードだ。」
「そうかそうか、では早速行かせてもらうぞっ!」
おお、速攻でくるタイプか。
この鶏、なかなかやるようだ。
だがその程度で負ける俺ではない。
「【解放】」
俺は、普段は仮面に隠しているスキルを発動した。
「ありがとよ!クリス!俺がちゃっちゃと片付けるぜ!」
これは、俺の身体の指揮権を一時的にグリードに譲ることができるスキルだ。
この時の俺は白髪の17歳ぐらいの姿になり、左目の下に赤い刺青が入る。
俺は最後に生きている敵の姿を目に収め、意識を手放した。
◆◆◆
「うぃー。じゃ、遊ぼっか。」
「遊ぶ?そんな余裕が貴殿にあるかな?ハッ!」
早速魔族が懐に潜り込みパンチを繰り出してくる。
「ヘッ、そんなのが本気か?うらよっと!」
クリスもといグリードは、それを軽く受け流し蹴り飛ばした。
「くッ!では本気で行くぞ!」
「来てみなよ。ま、俺にはかなわないけど。」
グリードが煽る。
「ウリヤァッ!」
魔族の全身全霊を込めた鋭い蹴りが放たれた。
すると、クリスの仮面に傷がついた。
「ふーん。ま、やるじゃん。でもさ、もう飽きたからいいよ。」
そう言うとグリードは、
「くたばりなよ。」
と言う。
すると、
「ガハッ!な、何をした!?」
「ただの言霊。この程度で驚かないでよ。」
そう言うと倒れた魔族が仮面とローブに吸い込まれる。
《経験値が一定数に達したため、武具の進化を行います。
【獲得】
・冥王の外套
・強欲の黒
以上が獲得武具です。》
その後、俺は意識を復活させて仮面とローブを付け、黒ずくめで宿へ帰った。
だがこれが、早朝に狩りをしていた冒険者に見られ、巷で噂になることをこの時はまだ知る由もなかった。
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