Behavior No.00
空は常に暗く濁っており、あらゆる光を遮断する程に濁っている。
地は荒廃しており、広大な土地には腐敗した空気と、灰の降り積もった建造物が立ち並んでいた。
半数の建物は老朽化で半壊し、錆び付いた鉄クズや瓦礫と化していた。
草木は朽ち果て、もはや原型を留めてなく、生物の姿も無い。
これらは塵埃を巻き散らした風が、辺りの風景を包み隠しており、あらゆる光を打ち消す闇のように暗く深い。そんな混沌とした世界と化している。
そう、この惨状は訃告を意味しており、生物の繁栄し得ない歪な環境は、正に世界の終焉を受け入れたことを意味していようだった。
何時からだろうか。何処からだろうか。もう、何がキッカケでこうなり、何がそうさせてしまったのかさえも思い出せない程の年月が流れていた。
広いだけの地に、ただただ大量に並んでいるだけの小さな建造物。
その中の一つに私は居た。
私の居る建物も既に老朽化しており、いつ風に煽られて崩れ落ちるかもわからないような環境だ。
私の住むこの小さな建物の中には、あらゆる金属機器のジャンクパーツが詰め込まれている。
寄せ集めで作られた小さな機械が、微かな電力で僅かに光をもっている。
その機械の光は、錆び付いた台の上で、辺りの金属に反射し不安定に揺らめいていた。
ガラクタの山で埋もれていた身体は、不透明な光沢を持つ私の身体を照らす。
「もうすぐ、だな。もう直ぐ世界は、動き出す。」
身を起こすのと同時に、ガラガラと音を立てて雪崩れる金属達を気にするでもなく、それらを意に介することなく踏み進めていく。
軋む身体は小さな悲鳴を上げるように鳴き、足元の金属に足を取られて何度もよろめいた。
錆びた台の上の光る機械と、丸みを帯びた水晶のような[コアパーツ]。そして自らの身体]の各部位に装着するための[ユニットパーツ]を確認する。[ユニットパーツ]はどれも年季が入っており、色こそくすんではいるものの、丁寧に手入れが施されており、いつでも使用可能な状態になっている。
台の近くの床に置いてあった、背中に装着するタイプの大きなウエポンラックの中に無造作に詰め込み、蓋をする。
自身の身体の半分はある大きさのラックを持ち上げて、剥き出しになった背中の接続ユニット装着した。
ガッチリと固定されたウエポンラックとは裏腹に、前のめりになりながらふらつく。
身体のあちこちから歪な音を出しながらも、なんとかその場に踏みとどまり、バランスを整える。
「まだ、何とか動ける。問題は、ない。」
自分に言い聞かせるかのように独り言ち、改めて身体の劣化を誤魔化した。




