Preparation
春休みや夏休みの様な長期間の休みって昼夜逆転しちゃってライフスタイルを戻すのって大変ですよね。
閲覧ありがとう御座います。
街の銀行はギルドのすぐに隣あってギルドからの依頼されたクエストの報酬をすぐに渡せれる用に作られたらしい。
俺はそこそこ綺麗なフローリングや天井に吊り下がってるシャンデリアを眺めながら受付けカウンターへと進んだ。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
青髪ロングの女性が用件を聞いてきた。
「あれ?ギルドの受付嬢じゃないですか?なんで銀行の受付もやっているんですか?」
すると彼女はニコっと営業スマイルをした」
「隣のギルドと当銀行は同じ時に設立されまして、その際人経費削減などにより両方の仕事を課せられています」
彼女のにこやかにしている営業スマイルの瞳の奥は光輝いているようには見えなかった。
労働基準法とかそこら辺は、この世界にはないのだろうか。昔の同期もこんな顔していたっけな、そいつは次の月にはやめていたっけな。
営業時間じゃなかったら一緒に酒場で愚痴かなんかを聞いてあげたい。
そんな気持ちが顔に出ていたのか、彼女は大丈夫ですよっとばかりに微笑んでくる。やばいうちの子と交換したい。
「こんな時にすみません。小切手を現金に換えたいのですが」
彼女はにこやかにしながら用件に答えて整理券を渡された。
この世界も整理券が渡されるのか。
再び彼女を見ると瞳の中の光が消えかけているように見えた。
銀行で小切手を現金に換えた俺は青髪の彼女に一礼してから銀行を出た。
「さてと、銀行で現金に換えたことだし...ほらよ」
「?、何この量のお金」
俺は銀行の外で野外に置いてある椅子に腰を掛けていたユウに子袋に入れた金を渡した。
「何言ってるんだ?お前の借金代だよ」
「あぁ...」
あれ、なんかコイツ忘れ事多くないか?逆に心配になるんだが。
「そんじゃ、さっきもらったサービス券使って今晩のメインディッシュのハンバーグ用に行くとするか」
「え!?ほんと!?流石ケイスケじゃない!低脳のくせに毎日作ってくれる料理は美味いからさ、クリエイターやめて料理屋開きなさいよ」
「...」
早歩きにギアチェンジして痴女を置いて行くことにした。
「え?ちょっと待って、今腰抜けたときの疲れと股がヒリヒリしてるか走れないの!置いてかないでよ!!」
ちょっと周りの女性人から勘違いが起きそうだが俺は無視して先を進んだ。
「もぉなんだかんだ言いながら待ってくれるとか低脳なのに優しいところあるじゃん」
やっぱり置いてくればよかった。
今いるここは商店街の入り口で、ギルドから少し離れたところにある。
俺はそこで何となく疲れたから小休憩してた。
別に良心が痛むからとか今更痛むわけがない。
「早く肉屋のサービス券使って高い肉買いに行きましょ!」
俺は、はしゃいでいるユウを見ていたら口元が緩んでいたことに気づき口元を手で隠した。
「あれ?今笑ってた?ねぇ?笑ってた?エロい人とか見つけちゃった?」
ニヤけていた俺の顔をバカにするような顔で覗いてきた。
さっきの光景はただのガキの戯れだったのだろう。
「別に、お前が俺と同い年に見えないなって思っただけ」
「え?何?私の方が若く見えちゃうから自分が老けて見えちゃうって?」
腹立つ顔をしながら言った直後に俺から逃げるように商店街の中へと走って行った。
この世界に来てギルドを最初に見たときも俺は今のユウの様な感じだったのかな。
そんなことを考えながらユウの後を追った。
この世界は時計で時間はわかるのにカレンダーがない、ちょっと不便だな。
晩飯の材料を商店街で買った後、ユウが変なモノを買わないように服の襟元を掴み家へと向かっていた。
「お前さ、いい加減よくわからない物欲しがる癖やめろよ」
「え?よくわからない物なんて一つもないけど?」
あっ駄目だこいつ。
ユウが手にする物は基本使い道が限定的場面にしか使わない様な物ばかりだ。
「え?でもこのドキドキポーションとか楽しくない?」
「それ、運のステータスが高くなければただの水だぞ?最悪飲んで爆発するなんていう事もあるって店主が言ってたぞ」
その店主が営んでいる店は俺もちょくちょく顔を出している馴染みの店だ。
個人的にはあそこの品物が独創的な物が多いから研究対象として買っている。
「なんでケイはあそこの店行ってるの?たしかに私の様な天才にしかわからない道具が多いけれど、あんたの場合は美人の店主を見に行ってるだけでしょ?」
「.......」
「あれ?どうしたの顔を逸らしちゃってさ、ねぇ?ねぇ?図星でしょ?」
いやまぁたしかに、あそこの道具を営んでいる店主は、この街の中での結婚したい人ランキング1位の人物だからな。
あの店主はスタイルも抜群の美人、性格も穏やかで、一昔前に勇者と共に魔王軍と戦って砦に穴を空けた戦いにもいたと言われている凄腕の魔法使いだったらしい。
そりゃ雄としての本能で誰しもが魅了されてしまう。でもちょっとおかしい。砦を破壊したのは数十年前だ。彼女がもし10代半だったとしたら三十路を超えているのではないのか?
「ねぇ?」
ソッポを向いてしばらく黙っていた俺に対して、突然ユウが話しかけてきた。
「...なんだ?」
「いや、その、ちょっと疑問に思ってね」
「疑問?」
俺は小首を傾げた。
「なんであそこの店主さん結婚してないんだろうね、もうすぐ三十路行くのに男の1人も寄ってこない上に、あんなボロい店で私たち意外に客が来ないのに食べていけてるのかしら?」
「うーん...」
確かにあそこの店主は美人で胸も痴女とは比べることのできないほど大きい。死ぬ前に一度は触りたいっとこの街の上から下までの男は口をそろえて言う。だが結婚したいという男は出てこない。
「不思議だな...」
「でしょ?」
俺とユウの頭の中では同じで合って同じではない方向で話が終わった。
それと丁度良く街の端にある家へと着いた。
俺とユウは家に着いた。俺は晩飯を作り、ユウはリビングにいつの間にか置かれていたソファーにだらしなく横になっていた。
そして晩飯を当たり前のように食べるユウを見て、いつもこう思った。
『少しは手伝えよ天才という名のアホ』
風呂に入るのもユウが一番に入る。風呂を洗うのも俺。
あれ?これ俺がほとんど仕事してるのになんでこいつずっと家にいる日の方が多いわけ?
ユウが風呂から上がり俺の番が来た。
俺は風呂の中で考えた。
体を洗い、風呂の浸かって体を温めて風呂を出て、着替えてアーリーオックスのミルクを当たり前のようにある冷蔵庫から取り出し飲んだ。
至福の一時である。
「って...違うだろ...」
リビングで同じく冷えたミルクを飲みソファーに寝転がりだらけたそれを見ていた。
「おい、いつも俺が街で新商品になりそうな物を探して情報収集している間、お前何してるんだ...」
「ほぇ?」
風呂上がりの顔はまだほんのり赤い。そんな顔を俺に向けた。
「いやだから、いつもお前何してるんだって聞いてんだ」
「何って?そりゃ家の中でゴロゴロしてるわよ?」
「....」
「どうしたの?そんなに顔近づけちゃって?」
近づけているのはコイツの方だ。
石鹸やシャンプーの匂いとは別にアルコールの臭いがユウから放たれていることがすぐにわかった。
「お前、アーリーオックスのミルクを飲んでいるんじゃないな」
「あぁ気づいた?これこれ」
そういうとソファーの影に隠れていて見えなかった大きな一升瓶を取り出して見せつけてきた。
「これすごい美味しいわよ。ギルドで知り合ったパーティから"タダ"で貰ったのよ」
ブランド物とわかるラベルが瓶に貼っていた。それを大事そうに抱えながら俺に対して呂律が回っていない口で話してきた。
「お前、ギルドでクエストなんかいつ受けたんだ...」
「いつって?行ってないわよ?」
なんだか少し嫌な予感がする。
「あぁえっとねぇ、貰った時になんか一緒にパーティ組んで倒してほしいモンスターがいるからっとかなんとか」
風呂上がりにアルコールなんか飲むからだろう、もうフラフラになっている体で説明してきた。
「それ、当日がいつとか言われてなかったのか?」
「ん?えぇっと、たしか、3日後って言われたかな」
「その3日後って貰った日から数えてだよな?」
子供に約束守ったかと聞いた親に対して守った時と同じ感じの頷きをした。こいつやっぱ子供だ。
そしてユウは瓶の栓をしっかり填めて元にあった場所に戻すと自室へとフラフラと危なげな状態で階段を上って行った。
「どうしよう...」
この世界に来てからは、ギルドカードの手帳の白紙のページに日誌を書いていた。
『検証成果、磁場の変位は正常』
この世界に来てからの研究した内容は、地球との比較検証だ。
最初に調べたのは重力だ。次に空気の振動っと機材がなくても検証が可能な範囲を行ってきた。
「う~ん」
俺は自分の能力のクリエイターと名付けた、この書いたモノを任意で出現させる能力を使って売れる物といざという時に備えての武器開発に使えないか試すために検証をしていた。
「鉄板を入手できる所があれば刃物類は解決なんだがな」
考えていたのはサバイバルナイフの様な万能ナイフだ。
狩猟から台所、日曜大工にも使えるサバイバルナイフ。
「作れたら売れるだろうなぁ...」
声が漏れていたのか後ろからユウが近づいてきた。
「頭痛い...頭痛薬作ってよ...」
「俺は薬剤師じゃないからな」
風呂上がりに酒を飲むからだろ、てかあの酒の度数はいくつなんだよ。
するとユウが頭を抑えながら、それとは別に要求してきた。
「昨日の話覚えてる?」
「あぁ、酒を貢いでお前の体を買った話か?覚えてるとも」
「体を売った覚えも買われた覚えもありません...」
マジな顔で否定されたためすぐに本題に入った。
「その、討伐するモンスターがさ、ドラゴン系なのよね...」
「あっふ~ん...で?この世界でのドラゴンの存在はどれぐらいの脅威を誇るんだ?」
よくゲームやアニメで出てくる『ドラゴン』だ。生息地域は魔王軍の占領下にあるベルン北部に80頭近く確認されていた。
それとは別にこの大陸の中央にある"アルゼス山"付近に数十から数百といたらしいが今となっては先の戦争で目撃件数がぴたりとやんだという話を耳にしていた。
「いや、どれぐらいってモンスターの種族の中でドラゴン族は最強の部類よ!?ゲームとかでめっちゃ苦戦する相手よ!?モ○ハンとかそうでしょ?火竜とか炎竜とか氷竜とか!?」
「あぁ、そういえばそうだったな、ハメ技とかバグ技で安置作って倒してたから苦労がわからなくてな」
「はっ!?それやってて楽しいの!?ッ!!」
二日酔いの後に大声を出したユウは両手で頭を押さえて倒れるような勢いでしゃがみ込んだ。
「はぁ...今水持ってくるから、落ち着いてからまた話をしような?」
「うっうん...」
ユウに水を飲ませて話を再開した。どうやらドラゴン族の一種のワイバーンがこの街から北西の森林地帯で狩猟をしていた冒険者たちが目撃されたらしい。
そのワイバーンの討伐の賞金額がすごい高いらしくそれ目当てで狩りに行ったら返り討ちに遭ったから街のウィザード兼プリーストの2つの職業を持っている珍しいユウを訪ねたらしい。誰からかユウが酒好きだってことを聞いたらしく高級酒を持ってきたらしい。
「で、その酒の代金はお前持ちって話だったのか?」
「うっうっ、いやだって普通渡されたらタダでくれるっていう流れで所普通!?」
やはり昨日の高級酒は貰い物ではなくてドラゴンの討伐報酬の前払いだったようだ。
「だからケイスケェ、手伝ってぇ、私の懐今砂漠になってるから高級酒なんて払えないの...」
道理で家のいたるところが近代化されてると思った。
ユウのテレポートは日本にも繋がってるために、金が入ると日本製の物を買ってくるというテレポートを無駄に使っている。
「お前、わざわざ日本にまで行って家具買うのやめろよ。この世界の家具もそれなりに良い物だろ?」
「私、最初に言ったわよね。時代遅れの埃臭い生活は嫌って」
お前絶対楽に暮らせる異世界で現代生活送りたいだけだろ...。
「あぁ、うん、なんか、もうお前の魔法の使い方には何も言わないことにしとくよ」
「え?じゃぁワイバーンの狩猟に手を貸してくれるの!?」
誰がそんなこと言った。
俺は机の上に置いてある設計図の束を手に取り1枚取り出しユウに見せた。
「何?これ?」
まぁ当然の反応である。
「これは俺がここに来てから書いた一つの武器だ」
「現代兵器で無双でも図ったの?」
「.....」
「また図星なのね」
よくあるラノベとかで無双するシーンとか自分がやらなきゃ面白くないシーンとか多々あるからそれが今実現出来るのでは!?っと考えて現代兵器のアサルトライフルやサブマシンガン、対物ライフルや対戦車ミサイルをミリオタな理系だった頃の知識とデザイナーとしての設計案を使って書いていたのだ。
「ま、まぁドラゴンの鱗の強度や肉質がわからない以上現時点で作れるとなると火力と射程を誇る対物ライフル辺りじゃないかなって」
「ふーん...ん?でもどうやって弾や銃なんか作るの?この世界の技術レベルや火薬とかたかが知れてるけど...」
いい所に気づいたなっとばかりに俺は誇りきった顔で言った。
「銃、対物ライフルはアメリカのバレット社が生んだ一番有名な対物ライフルの一品、M82A1を記憶と構造を考えて設計図を書いたからなんとかなる」
「えっそれって大丈夫なの?動作とか運用とか...」
設計図を示しながら説明したがいろんなところをユウに点かれたが気にせずに続けた。
「この世界の今の主力は魔法だ、暮らしの中での街頭や水の供給なんかは全部魔法で成り立っている。だが兵器は全般的に弓や槍なんかの近接武器だ。で、街灯なんかの魔法を貯蓄するための装置として魔法を貯めて置ける瓶が存在する。俺はその瓶を複製しようと美人店主の店で1本買ってきた。俺はその実物に近い物を複製に成功したのだ!!」
「おぉぉ!!お?」
ユウは俺の言葉に相づちを大げさに打った直後に疑問を言い放ってきた。
「あれ?でもその魔法を溜めて置く瓶をどうするつもりなの?容量がどれくらい入るのかとか実験したの?」
「何を言っている。この世界の主力は魔法だぞ?それに"目の前に天才の魔法使い"がいるだろ?」
「そんな天才だなんて、まぁ当然よね私天才だから...で、私が何するの?」
外はどんよりとした空模様で、いつでも雨が降ってきそうな天気だ。
風は吹いていない上に妙に蒸し暑い。季節的には夏の風物詩の梅雨なのだろう。
「ね、ねぇ本当に大丈夫よね?ケイの作ったものだから大丈夫だと信じてるけども」
今俺たちは前にアーリーオックスの狩猟をした時と同じ場所に来ていた。
俺は大量に道具が入る手作りのバックパックを背負って来ていた。
そしてユウに、俺が作った空の瓶(魔力収集小瓶)を手渡し魔力を込める様に指示している最中だ。
「大丈夫だ、少しずつ魔力を込めていけば大丈夫...たぶん」
「ちょっと待って、今小さくたぶんって言ったよね!?」
ギャーギャー叫ぶユウへの指示が終わった後少し離れて見守っていた。
「ほ、ほんとうに大丈夫なのよね!?信じてるからね!!じゃっじゃぁ始めるわよ」
彼女を中心とした魔法陣が展開され小瓶に光が収縮していくのが確認できた。
「だ、大丈夫か?なんか瓶が熱くなったり膨張したりしてないか?」
「だ、大丈夫!空瓶が貯まっているのがわかるから」
すると急に魔法陣が消えてユウは動きを止めた。
「ど、どうした?」
「ね、ねぇ、もう注げないんだけど」
俺は急いでユウの傍に近寄りその原因がわかった。
液状化した魔力が満タンになっていたのである。
「満タンになったか...んじゃ次よろしく」
すると俺は背負っていたバックパックにから追加の空き瓶を渡した。
「えっ、まだやるの?」
「作った空き瓶は全部で15個だ。よろしく頼むぜ」
「えっ」
如何にも嫌な顔を出して拒否しようとする。
「おいおい、別に俺はワイバーンの討伐加担する必要なんてないんだぜ?嫌なら高級酒の代金は自分で稼げ」
「が、がんばります...」
自分でラノベの表紙描いてるけどタイトルのフォントをどうしようか悩んでいるせいでキャラクターの設定資料が貯まるだけで終わっている状態の紅魔マヤです。
あわよくば文庫化したら嬉しいなって考えてる愚か者です。
今回の話は次の話で使うもモノの準備段階です。
次回も必見になる話になりますのでどうかよろしくお願いします。
閲覧ありがとう御座いました。