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異世界でもクリエイター志望  作者: 紅魔マヤ
1/7

人生終了のお知らせ

閲覧ありがとう御座います。

この作品は作者の妄想と夢の中の出来事と事実を捻じ曲げた内容で構成されています。

「今日も平和に会社の仕事が終わった」

 斎藤 圭介22歳、趣味はゲームに読書、散歩である。高校に上がってから特にやりたいことがなく適当に学校生活を送ろうとしていた矢先に同じクラスの小林優によって漫画研究部に入部させられる。そして同人誌即売会などのイベントに彼女が作った漫画(百合メイン)のアシスタントや雑用をしたりする3年間を過ごして漫研で興味を持ったイラスト作成が心に残ったために専門学校に進学してクリエイター兼デザイナーとしてとある下請け企業に入社した。見た目は普通、身体能力も普通。変わっている所と言ったら軍事や銃器と言った知識や毎日ネットやニュースで確認している政治、おまけに下ネタなどの雑学に長けている。大抵はその雑学で浮いてしまうせいで高校での友人が幼馴染と数人だけだった。

そんな彼は今やっとこさっとこ終わった残業を終わらせて帰宅途中であった。

「はぁ、早く帰って撮り貯めしているアニメ見ないとな。そろそろディスク容量限界だろうし」

俺は家と仕事場までの通勤に街灯が少ない道を近道として利用していた。

就職した会社までは徒歩で通勤できる距離、傍から見れば羨ましく言われるが俺はそのせいで仕事の割り振りが同期で入った奴よりも多く仕事を振られているせいでいつも真っ暗な夜でも遅くまで残っていることが多い。そのせいでいつも一人だけ寒い思いをさせられている。

いつものように俺は大通りから小道に入り薄暗い道を歩いていると突然目の前から空の缶がコロコロと転がってきた。俺はその缶を何も疑わずに拾い上げる。

「すいません」

すると目の前から俺と同い年ぐらいの女の人が小走りで走ってきた。見ると彼女の恰好は場に相応しくない黒いドレス姿だった。

きっと近くで何かパーティにでも参加したのだろう。だがなぜこんな場所で、しかも空き缶を捨てる場所なら近くにあるのに何故彼女が持っていたんだ。

だがその考えも後で思いついただけにすぎなかった。なぜならあまり女性と接する機会がなかった俺は少しいいところを見せようと思いスーツをピシッとさせてカッコつけて彼女に挨拶と一緒に拾った缶を差し伸ばそうとした。

そして彼女は俺が差し出した手に触れることなく胸に飛び込んできた。その時にザッという音が鳴った。

気づくと目の前の彼女は俺の左腹部に刃物が根元まで深く刺さっていた。

人の気配がいつもよりも感じなく電柱の光すらも届かない夜道で軽い金属音が響いただけだった。

彼女は刃物を力強く引き抜き慣れた手つきで俺のスーツで血を拭い空き缶を拾うと何もなかったように俺の来た道へとスタスタと歩いて消えて行った。

俺は地面に倒れ込み闇の中に消えて行く彼女の後姿を横目で見ているだけだった。

よくドラマとかアニメとかでナイフで刺されてそのまま死ぬシーンの大半の原因って脳が一時的に処理しきれなくなって麻痺して動けなくなって出血多量によるショック死なんじゃないか。

俺は刺された箇所を手で抑えながらぽたぽたと垂れて赤い水たまりを作っていた舗装された地面を見ながら立ち上がろうとする。

なぜか唐突に朝食を食べながら毎日欠かさずに見ていたニュース番組の内容が頭に浮かんだ。

ここ巷で騒ぎになっている通り魔事件のことですでに4人の遺体が発見されていて同一犯によることだと言っていた。なぜなら全員共に同じ個所に深い刺し傷が一か所のみ。犯人の特徴が大柄の全身真っ黒な黒装束の男性と目撃者の女性が通報していた。

だがおかしい、俺の遭遇したのはドレス姿の女性だ。

もしかしてその目撃者の女性が通り魔事件の犯人なのではないだろうか。

しかも差した場所って腎臓辺りか?でも腎臓は背中よりだからチラっと見えた刃渡りを見る限り当てるには厳しいだろう。なのに出血量が多すぎることから引き抜いたときに周りに遭った血管でも切ったのだろう。

もたつかない身体を無理やり起こし刃物で刺された箇所を抑えながら真下に広がる赤い血が地面を見つめた。

徐々に意識が薄れていくのを感じて現状をどうするべきか血が流れ過ぎて酸素が回りきらない頭で刺された箇所と出血量を見て今自分がどういう状態かを考察していた。

なんとか立ち上がった後、ブロック堀に手を付き自身の腹部を抑えていた手をスーツの懐にねじ込み助けを呼ぼうと痙攣し始めていた手で携帯を取り出し電源を点けようとした。




 何か物音が聞こえた。重たい瞼を開けた、辺りは薄暗く状況が掴めずらい空間の中で自分は横になっていた。

「あれ・・・」

俺は体を起こしながら何があったのかを思い出そうとしていた。

「・・・撮り貯めしてたアニメ見ないと...」

何が起きて何が起こっているのかと考える前にまだ見ていないアニメのことを思い出していた俺だがすぐに直前に起こった出来事を思い出した。あの女性が通り魔だと疑いが確信に変わった俺は刃物で腹部を刺されたのを、その跡に力強く引き抜かれた時の焼ける痛さが脳裏に蘇る。

「ッ!?...あれ、傷がない」

自分の腹部に手を当て痛みに堪えたのだが痛みがなかった。抑えた手を外して跡がないことを確認したのだが秋楽兄おかしかった。傷跡がなく赤く染まっていたシャツとスーツに血の跡がなかったのだから不思議に思わない方がおかしい。

俺はその場で立ち上がり状況を把握するためにしばし薄暗い空間を見回した。なぜか暗いはずなのに足元や頭上に広がる空間の奥行きがわかる。それなのに自身が立っている足場はガラスよりも透過度が高いのか暗く深い穴の様に見えた。上も下も同じ色で同じ奥行き感なっている空間に立っている俺はある方向だけ少し明るくなっていることに気づいた。

その明るくなっている方向を見るとゲームのファンタジー系でよくある光の道の様にうす暗い空間の中でほんの少しだけ明るく見えた。俺はその道を目で追いかけると都会でたまに見える星のように光がうっすらと差し込んでいるのが見えた。

俺はその光に向かって明るくなっている道を使って暗闇の中、光に群がる虫の様にその光に向かい歩き始めた。



 いったいどれくらい歩いたのだろう。俺はこの薄暗く広がる空間に差していた光に向かって歩いていたのだが。

「なんで光ってる場所に着かないんだ...」

そんなことを吐きながら日ごろデスクワークなせいで体力のなさがここで来るとは思わず腹に手を抑えながら歩き続けていた。

苦痛を実感するが同時に死んでいるのか生きてるのかという疑問が生じる頭を動かす中、変わらない景色を眺めながら考察をするがわからずにいた。

「これってまさか無限ループという落ちではないのだろうか。実は後ろに下がれば出口が出てくるとかいうパターンなのではないでしょうか」

すると目の前の光が唐突に強く光始めた。

俺は突然強くなった光がまぶしく感じ顔を手で庇いながら動かしていた足を止め、手の隙間から光を見ると黒い点が見えた。それが徐々に近づいて来ているのだろうか大きくなっているように見える。

その黒い点が人の形だとハッキリ分かるぐらいに大きく'ソレ'が近づいているのが見えた。

「死神なのか?神様なのか?いや、死神も神様だから神様なのか?」

そんな一人漫才擬きをしている中'ソレ'に向かって一歩踏み出した。その瞬間、一気に光が強くなり俺の体を包んでいった。

「うおっ!?まぶっ!!」

急に強くなった光は俺を包み込むと気絶してしまったのか一瞬の出来事が目の前で起きた。気づけば俺はまた体を横にして倒れていた。


 薄暗く静寂とした空間で雑な歌声が響いていた。

俺は枯れた声で気分転換をしようと思い昔流行っていたであろう曲を枯れ気味の喉で歌っていた。

なんだこの状況、いい加減死んでるのか生きてるのかわからなくなってくる。

俺は5回目となるであろうその光の差す先へと向かっていた。そう、5回目である。

これはきっと神様のちょっとした悪戯なのだろう、そうなんだろうと信じたいのだが流石にやりすぎて萎えるぞ。

気づけば歌うのをやめて小さく声に愚痴をこぼしてい。

 また、あの光が大きくなり人の形にハッキリわかる黒い点が近づいてくるのが見えた。俺は5回目も見た光景に飽き飽きしている中怒りが出てきた。その中で俺は歩き続けて疲労している体を前に前にと無理やり走りださせた。

そしてその人の影にぶつかり倒した時に俺も倒れて寝転んでいた。

「ついにやった...あの影に追い着いた」

擦れた声を出しながらぜえぜえと息を切らせて吐く中、体を起こそうと手を着きながらぶつかったであろう影に目を向けた。

横に転がっている全身黒い人っぽいのを息を整えながら眺めた。

形は最初に発見した時に見た人型だったそれにゆっくりと近付き正体を確かめようとあちこち触って確かめてみた。

正体を確かめようと最初に触った場所が人と同じ温もりがあることに疑問を思った。

「なんだ、これ・・・ハッ!?」

俺は気づいた。今触っている場所が人で云う所の胸部にあたる部位であるということを。

マシュマロのような柔らかさとは違う感覚で尚且つほんのりとした硬さがある...この感触は間違いない。

脳裏に浮かんだ光景がわかると恐る恐る手を放し影の上体を見る。

「女の子・・・だよな・・・」

口に出した言葉に反応したかの様に、その黒いのは上体を起こしてこちらに顔?を向けた。

「・・・変態」

「変態です」

自称変態と名乗っていた昔の出来事のせいか俺は即答した。だがその黒い人型が喋ったことに不思議に思わないのはなぜだろうか。

「あれ・・・この声って、お前・・・」

そう不思議に思わなかった、というよりその黒い人型から発せられた声が誰なのかわかった。黒い人型の影はは立ち上がって俺に顔を再び向けた。

「はぁ、死んだっていうのに随分と元気そうにしてるわね」

聞きなれたこの声、3年間毎日聞いていた声の持ち主だってことを。

「小林・・・意外と胸あるんだな」

「セクハラで訴えるわよ」

目の前にいる影から聴こえて来る声の持ち主は、同じ漫画研究部部活仲間の"小林 優"なのだから。

「あっごめん許してください、ってなんだよその頭まで真っ黒な格好は、探偵の犯人かなにかか一体・・・てか俺死んだの確定なのか」

「死んでるわよ。私あんたの能力欲しくてこんな面倒なことしているんだから。この格好に関しては顔バレしないための変装よ。神様が管理している場所だからね」

死んだのを未だに実感出来ていない。それに加えてコイツが今能力のどうたらと言ったのが気になった。

「能力って・・・俺そんな大層な能力なんて持ってないぞ。そんなラノベ主人公じゃあるまいしさ」

「あぁ、気づいてなかったかぁ、仕方ないわよね」

なんだこの俺のすべて知っててわかっているような言い方は。

すると彼女は全身の黒い何かをどこかの大泥棒が変装を外す時のようにバサッと片手でそれを剥いだ。

「うおっ!危な!・・・って」

俺は、その黒いのに当たりそうになり後ろに身を引いた直後、彼女を再び見るその姿に既視感を感じた。

「その、.なんだ...」

「これが私の本当の姿よ!」

意気揚々と高々に、新しいおもちゃを見せびらかしたい小学生のような振る舞いでその姿を俺に見せた。

彼女の恰好は俺の知っていた高校生時代の時の小林 優の顔や姿ではなかった。と言ってもあれから5年は経っているんだ。高校時代とは打って変わってショートカットだった黒髪は肩まで伸びたセミロングになり、少しどこか幼さを残した大人びた顔立ち、腹筋がいい具合に引き締まったスレンダーな体系にファンタジー系のゲームでよくある黒のマントに黒い薄着なシャツ?に短パンとそこから見える黒のスパッツ服装を身に纏っているだけの小林にしか見えない。

 昔は漫研で参加したコミストとかのイベント会場で彼女がコスプレをして売り子をしながら描いた漫画を売っていたしな、別に今更腹筋や太ももやマントから見える脇とか見慣れてた思い出があるから別に...。

俺は青春だったはずの思い出に浸りながら彼女をもう一度見た。

「いつも通りの恰好しているな」

「でしょ?...って違うわよ!いや違わなくはないけど違うわよ!!」

乗り突っ込みを頂いたところでやっと話が進んだ。

「こほん、あなたはアニメや漫画でよくいる主人公、みたいなチート能力保持者なのよ」

わざとらしい咳払いをして俺の能力のどうたらを言ってきた。

「ほう、チート能力...してそのチートとは?」

昔と変わらない口ぶりでユウと会話を進める。

「チート能力といえばそうなのだけど、普通の凡人が扱ってもほぼ意味のない能力だからね」

今、凡人には扱っても意味がないって・・・ていうことはほんとに俺には!?っとそんな俺の淡い期待をよそに彼女はそれを壊した。

「まぁあんたの能力は知識がないと意味がないからね。生きている中で使うかどうかわからないような知識とかね」

「ん?知識とはどういった知識だ?っておい無駄知識言うなし」

俺はふと彼女の言った言葉に疑問を思い訊いた。

「知識は知識よ。文字通りのね。あんたの無駄に多い軍事とか雑談とか下ネタとかよ」

最後に言ったことは、まぁ別にないより在った方が会話には困らないからとかいろいろ仕入れてたんだけだし。

「俺の知識がそのチート能力に必要だってことか、一体どんなチート能力なんだ!?はよ教えろください!」

「それはだね・・・ってそう易々と教えてあげるわけないじゃないですかー」

顔を高々に上げて俺を見下すようにどや顔を決めながら話をやめた。

やっぱり甘くないか、コイツの性格は所々捻じ曲がっていたことを思い出す。

でもこんな腹立つ顔以前はしてこなかったのにな。

ここは脅しをかけるか。いやでもどう脅したものか、コイツのことだ、歯向かえば何をしてくるかわからんからな。

高校で初めてエロ本を持ってきた漫研の男友達に頼まれて渡そうとエロ本を直前にコイツに見つかり、返してほしくば毎日私にメロンパンとイチゴ牛乳買ってこいとかパシらされた。

ユウがいない時に机の引き出しに保管されたエロ本を奪取しようとこっそり抜こうとした瞬間に見つかり、その時の罰として部員7人いる全員の前で喘ぎ声を出せとか。それが今でも忘れられない出来事である。

「ぐぬぬ...いやそこを教えてくれるのがメジャーな展開でしょ」

「えぇ、てか私はあんたの能力使って楽して残りの人生過ごしていきたいのぉ」

一体どういうチートなのだ、そんな楽して人生過ごせるだと!?気になる、めっちゃ気になる!!

そんな内心自分のチート能力が気になって気になって興奮してる自分を置いて冷静に切り替えた。

「じゃ、じゃぁ俺もその人生楽したいのだが、死んでるけどさ」

ちょっと自虐挟んで言ってみる。

「うーん、どうしようかなぁ、私的には元居た世界に帰ってあんたの能力でなんとでもなるしなぁ、あっ」

なんかすげぇゲスい顔してるんだけどこの娘。

すると突然彼女は目を閉じて何か唱えていた。

嫌になるほど見た光と同じのを彼女は足元から発していた。まるで魔法を使う時に出てくる魔法陣の様な模様を浮かべながら唱え続けている。

「え、え~と何をしてございますんでしょうかコバヤシ ユウさん...」

恐る恐る何をしているのか聞いた。

 その次の瞬間に俺たち二人は光に包まれた。その後光が広がった薄暗い空間が元に戻った。

初めまして自称変態の紅魔マヤです。

改めまして閲覧ありがとう御座います。

とある作者の影響を受けてまた小説を書こうと思い筆を執ったしだいです。

いただらない点や誤字などがあったりしますがよろしくお願いします。

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