第6話 わたし、強くなる!
よければ評価、ブクマお願いします。
頭の下に柔らかい感触がある。
一体なんだろう。
頭がボーっとする。
瞼はまだ上がらない。
(……というか何してたんだっけ)
確か、今日はサリ達と森に冒険に行って
頂上からの綺麗な景色を見て、それから帰路についたんだっけ。
そしたら猪に襲われて。。。
(ハッッ!)
「サリ、無事か!?」
俺は急に頭がクリアになり、起こったことを思い出し叫ぶ。
「「うわぁぁ〜〜ん」」
ハルとフユが泣いている。
(まぁこんな光景みると泣くのも仕方ないな)
周りを見渡すと先ほど俺にぶつかった猪は首から血を流して死んでいる。
幸い血は出てないようだが全身打撲らしく体中が痛い。
猪とぶつかる直前に身体強化の魔法をかけたつもりだったがあまりに短時間だったため効果が少なかったのだろう。
それでもかけてなかったら・・・と想像すると恐ろしいものがある。
そして横を見るとサリがいた。
どうやらさっきまで俺はサリに膝枕をされていたらしい。
(どうせならもっと堪能しておけばよかった……こんな機会滅多にないだろうに)
「プレ!大丈夫?どこか痛いところとか無い?頭うってない?」
珍しくサリが俺を心配してくれているようだ。
「心配してくれてありがとう。体は痛むけどそれ以外は大丈夫だよ」
うっすらサリの目に涙が浮かぶ。
(あれ、俺何かいけないこと言ったっけ?)
「良がっだああ〜〜プレが死ななくて本当によがっだあ〜〜」
大泣きしながら俺に抱きついてくる。
多大な心配をかけたらしい。
ここは好きなだけ泣かせてやるのが男の勤めというものだろう。
サリの頭を右手で撫でながら左手は抱きしめてやる。
ハルとフユも俺が大丈夫なのを確認したら抱きしめてきた。
ちょっとばっかし苦しいけどここはこのままいよう……
しばらくたって
「プレ?立てる?もう少し休憩しよっか?」
「いや、大丈夫だよ。もう体もそんな痛むところもないし」
「じゃあそろそろ帰りましょ。ここにいてまた猪が出たら危ないわ」
(今度、猪が出たら問答無用で殺すことにしよう。いっそのこと首を切り落とす勢いで魔法使ってやらんといけんな)
(それにしてもこの服どうしようかなぁ)
先ほどの衝突で森を転がり回ったらしく、プレの着ていた綿メインのTシャツやズボンがぼろぼろになっている。至る所がやぶけて肌が見えてしまっている。
このまま帰ると母さんに心配されるのは目に見えている。
のちのち考えよう。
下りなだけあって往路よりもはやく下山することができた。
唐突にサリが言う。
「わたし、強くなるわ!」
いや、話の内容が理解できません。
「サリちゃんどうしたの〜〜?」
フユが尋ねる。
「さっき、プレが猪にふっ飛ばされたでしょ?なら猪ぐらい退治できるぐらい強くなればいいのよ!」
「お〜、サリちゃんすごい!!」
ハルが感嘆の言葉をいう。
俺はなんて言えばいいんだろう。
言葉が思い浮かばない。
「6歳になったら冒険者学校に入っていっぱい勉強するわ!」
(なるほど、それなら確かに強くはなれるかもしれない・・・ってそういう問題ちゃうわ!)
「一体きゅうにどうしたんだよ。別に女の子が強くならなくってもいいだろ」
「ううん、さっきのを見てたら余計に冒険者になってみたくなったの!プレを守れるくらい強くなりたい!」
「お、おお、そうか。。。」
(女の子が男の子に言われたら惚れちゃいそうなセリフだけど反対だよな……)
この世界は義務教育というものは存在しない。
しかし6歳から9歳の間に学校に行くのが普通となっている。
また日本のように文字や言葉・算術を勉強する場ではなく、職業学校みたいな感じなのである。
そのため冒険者になりたければ冒険者学校へ、商人になりたければ商人学校へ行く、という風にいくつも学校が別れている。
職業に特化しているが最低限の文字書きや算術などもここで教わる。
日本の学校の時間割風に言うと「算数、国語、職業練習、職業練習、職業練習」みたいな感じだろう。
学校を卒業すれば十分戦力として数えられる。
「俺何か守ってどうするんだ?」
「だってプレが死んだら悲しいじゃない。」
(こういう素直に言ってくれるのはサリのいいところではあるな)
「俺が死ぬことはまずないよ。絶対に。」
「さっき死にかけたじゃない!あと一歩間違えれば死んでたよ!?」
(あれは油断したからな……二度とあんなミスはしない。)
俺は言い返す言葉もなく一行は無言で最初の集合場所である空き地へと戻る。
俺は全員に釘をさすつもりで言っておく。
「今日あったことは俺らだけの秘密にしよう。こんなことバレたら二度と遊べなくなっちゃう。」
「そうね、それは嫌だもんね」
「「分かった〜〜」」
さすが双子である。返事のタイミングも完璧に一緒だ。
「きょうはありがとね!ふだん遠くにいったことないから楽しかったよ!プレくんも元気でよかった!」
ハルが言う。
いい子たちである。
さて俺以外の3人が帰りはじめたことだし俺も帰るとするか。
問題はこの服をどうするかだよなぁ。
潔くこのまま帰って言い訳しようかな。
言い訳プランその1
・友達と遊んでいたらこけて破けてしまった。
(うーん、こけてここまで破けるのは不自然だな)
言い訳プランその2
・友達に服を破かれた。
(これじゃ俺がいじめにあってるみたいで余計に心配されそう)
言い訳プランその3
・帰り道に魔法を練習していたらなぜかこうなった。
(よし、これでいこう)
門の前に立っている衛兵に挨拶をし顔パスで通してもらう。
衛兵は俺の服の様子を見てびっくりしていたが何もいってこなかった。
「母さんただいま〜」
そう言っておれはリビングとなる部屋のドアを開けると
「まあ、なんて格好してるのよ!いったいなにがあったの?」
(予想通りの反応だな。ここは言い訳プラン3で……)
「帰り道に魔法を使っていたら暴発した。」
「本当に??」
母さんは疑い気味である。今まで服を焦がすことはあってもこんなにボロボロになることはなかったからな。
「プレは魔法があるから怪我することは滅多にないと思うけど気をつけてね?」
「はーい」
なんとか言及を逃れれたみたいだ。
この世界において魔法は特別なのである。
体内にある魔力を媒介として魔法を実現させるのだが
実際、実現させれるほど体内に魔力を有していない人が大半なのである。
仮に有していたとしても、一日に火種を3回とかコップ一杯の水を3回とかそのレベルである。
俺は体内の魔力量は幼少期、そして今も含まれるが小さいころの訓練によって上昇し
ある時、急にとまってしまうのではないかと考える。
本来、幼少期は自我意識がないため意識的に魔法の練習などできないが
自我意識があった俺は魔法の練習をしていた。
そしてその結果、体内に膨大な魔力があるのだ。
(幼少期、それも0歳に近いうちが一番魔力量の伸びが早いのかな)
(そして年をとるごとにその伸びは少なくなっていって最終的に増えなくなる)
「プレ〜そろそろご飯食べるわよ〜その前に着替えてらっしゃい」
俺の考察は母さんの言葉によって中断された。
またそのうち考えよう。




