第5話 森へ行こう!
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俺に発言の余地がないまま、俺・サリ・ハル・フユの四人のメビウスターというチームが決まって2週間。
今日は親に内緒で森に冒険に行くことになった。
俺は反対したんだ。でも誰もあいつを止めることはできなかった。
ハル・フユも案外乗る気だったのが意外だ。
そんなわけでいつもの空き地に1時に集合し、そこから歩いて20分ほどにある小さな森へと向かう。
(まぁ森と言っても誰かの裏山みたいなものなんだが、言わないのが吉だろうな。)
「さ、みんな行くわよ! 今日は森に魔物狩りよ!!」
そういってサリは声を上げる。
(いやいや、そんな歩いて20分の森に魔物なんか出るわけ無いだろう。出たら大問題だ。)
「「おぉ〜〜!」」
ハルとフユは元気よく返事する。
まさにサリ隊長についていく下っ端みたいなものだ。
「こら!プレ!返事は?」
「おー」
いかにもやる気のない返事を返す。
しかしサリは関係なしに森へ向かって進んでいく。
今日はいい天気だしこれはいいピクニックになりそうだと思う。
しばらく歩くと街並みも変わり家がまばらになってくる。
この辺りは畑が多いみたいだ。
恐らく目的地の森もこの辺の家の薪など採取するようの裏山だろう。
「さっ!ついたわよ!目指すはこの山の頂上よ!」
「「おぉー!!」」
ハルとフユが勢い良く返事する。
この双子は今日も服の色が違うので見分けはつきやすい。
「休憩しないの〜?」
「休憩なんかしてたら暗くなっちゃうじゃない。気合があればなんとかなるわよ」
まさに体育会系並の精神である。
こんなのがいるから日本も変な文化が生まれたんじゃなかろうか。
森へ入るとよく整備されているのが分かる。
木が適度に切られているため、森のなかでも明るいしそれでいて空気は澄んでいるので気持ちがいい。
ときおり吹いてくる風が気持ちよさに拍車をかける。
「んー、魔物とかいないものねー」
(だからいないって……俺が1人で行っている南の海に行く森ですら出なかったんだから)
「あ〜、あそこに何かいるよ〜」
フユが何かを見つけたようだ。
よく見てみると
「ああ、鹿みたいだな」
「目標を鹿を倒すこととする!メビウスター、ファイトオー!!」
「「おぉ〜〜!!」」
「いやいやいや、どうやって倒すんだよ!」
冷静に俺が突っ込む。
「石とか投げて?」
「何も考えてないのかよ!」
そう言い争いしているうちに鹿はどこかへ逃げてしまったようだ。
「あんたが大声だすからどっか行ったっちゃじゃない。仕方ないわ、頂上を目指しましょ。」
(絶対に掛け声のせいだろ……)
文句を心のなかで殺しながら先へと進んでいく。
10分ほど歩くと少しずつだが木が覆い茂ってきた。
この辺りになると人の出入りも少なくなるのだろう。
「だんだん森らしくなってきたわね。これでこそ冒険のしがいがあるってもんよ」
一体何を理由の冒険のしがいがあると言うのだろう。
猪が出たとしてもこちらから襲わないかぎりは襲われないだろうし
特に危険はなさそうなので今のところは放っておく。
更に20分も歩きつづけた頃だろうか。
ようやく頂上らしいところが見えてきた。
立て札も建っているわけではないので頂上かどうか定かではないが周りの景色を見ると
ここが頂上とみて間違いないだろう。
「うわぁ〜いいけしき〜」
ハルがつぶやく。それに同意してフユも
「ここまでのぼってきたかいがあったね〜」
(この二人を見ていると癒やされるなぁ。一方こっちは……)
「結局、鹿以来動物が出なかったわね。今度あったら棒で刺してやろうと思ったのに。」
なんて物騒な事を呟いている。
10分ほど山の上からの景色を見てのんびりする。
頃合いを見て
「そろそろ帰ろー」
このチームのタイムマネジメントは俺の役割ということが定着しつつある。
「そうね、早く帰らないと暗くなったら家まで帰れないから帰りましょ」
今は恐らく2時ごろだろうがここから家に帰ることには3時過ぎになって
ハルとフユにはちょうどいい時間になるだろう。
俺もこれは家に帰ったら4時ぐらいかな。。。
下山をはじめて10分くらいたった頃だろうか。
カサカサッ
(ん、何か今、草が擦れる音がしたような)
そう思った矢先。
キャッッーーー!!
ハルとフユが大声をあげる。
10メートルぐらい前にでかい猪が現れた。
まさかここまで近づくまで気づかなかったとは。
流石のサリも実際に対峙したら討伐しようなどとは言えないみたいだった。
「みんな、特に何もしなければ猪の方から去っていってくれるはずだから動かないで」
俺は声をかける。
ハルとフユは聞こえているのか聞こえていないのか、びっくりして座り込んだままである。
サリは一応聞こえたらしく、顔をこちらに向けて縦にふる。
(これはこれでいい経験になっただろう。
これに懲りてしばらく冒険者ごっこをやめてくれればいいんだけど)
(しかしなかなか去ってくれないなぁ)
そう思っていると、いきなり
猪が俺の方に向かって突進してきた。
「んなっ!」
「プレ!!」「「プレ君!!」」
(向かってきたのが俺の方で良かった、この際仕方ないが前と同じように……)
(風刃カッター)
(あと6メートルはある、余裕で倒れるだろう)
俺の予測通り猪は5メートル過ぎたところで首筋を切られたために勢いは弱まっていった。
安心していると、
急に猪の速度が上がった。
死ぬ間際の必死の抵抗というやつだろうか。
それとも傷が浅かったのか?
ここで俺は大きなミスを犯してしまった。
ミスというよりか経験不足だろう。
落ち着いて対処すれば色々な対処法はあったはずだ。
しかし初めて迫る命の危険にパニックになっていた。
地球にいた頃は命の危険など死ぬ前までなかったのだから。
気がつけば残り1メートルまで接近している。
(やばい!!しんたいきょう)
ドガッッ!
鈍い音がして猪が俺に突っ込んでくる。
何倍もある体重差によって吹き飛ばされた俺は・・・
意識を失った。




