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第3話 ヒロイン登場!

「母さん、遊びにいってきます!」


いつものセリフを残して俺は足早に家から出て行く。

今日は1人で遊ぶ日ではなく友達と遊ぶ日である。

もちろん友達と遊んだからといって魔法の練習をサボっているわけではない。

きちんと夜に自室でトレーニングをやっている。


街の治安はいい方であるが、それでも時たま強盗や人攫いは出る。

3歳児が1人で歩いていて危なくないか?と聞かれたら危ないと答えるしかないだろう。

しかし俺は3歳児にしては異様に精神的にも発達しているのと、軽い攻撃魔法も使えるということにしているのでこうやって外出を認められている。




「プレ君、遅い!」


そう言って集合場所に着くや否や声をかけてくるのは、俺と同じ3歳であるサリという女の子である。

サリとは家の近くで迷子になっていたところを助けたのが出会いである。

この辺はまたのちのち語らせてもらおう。


いくら継承権はないと言えども公爵の子供という身分は簡単に明かせないため

サリと同じ平民と偽って一緒に遊んでいる。

サリも公爵の子供相手となったら恐縮してしまうだろう。

嘘も方便というやつだ。


「ごめん、ごめん。サリの家の近くの空き地は遠いんだよ」


サリは家の近くで遊ぶことは許されているらしく、決められた範囲より外は遊びに行ってはいけないらしい。

そこで毎回俺がサリの家の近くまで行くというのがお決まりになっている。


「プレ君だから許してあげる! 特別だからね!」


サリは女王様気質でもあるのだろうか。それともツンデレのツンなのだろうか。


「ご許しいただきありがとうございます」


「分かればよろしい」


そう言ってふざけ合うのもいつもの事である。

サリは女の子なだけあり男の同年代に比べれば発達も早い方である。


「サリ〜、今日は何して遊ぶ〜?」


「今日は冒険者ごっこしたい!」


「え〜あれやるの??ただ単に空き地周りを散策するだけじゃない?」


「いいの! 冒険者はロマンなのだから!」


冒険者とは名の通り冒険してお金を稼ぐ人である。

魔物とかが住むこの世界では割りとありふれた職業である。

魔物の革や鱗などが武器や防具として使えたり、コアという魔物にしか持ってないものはポーションと呼ばれる回復薬の精製に使うものらしい。

また、ダンジョンと呼ばれる魔物の巣窟の一番奥深くまで行くとそこのダンジョンのボスが構えており

ボスを倒すと宝石類等がたくさん手に入るらしい。

もちろん、魔物と対峙するため死亡率はどの職業よりも圧倒的に高いがそれでも一攫千金を狙える夢のある職業となっている。


「冒険者って死にやすいから俺はいやだなぁ」


「プレ君男でしょ! 冒険者は男のロマンじゃない!さ、いくわよ」


そう言ってサリは俺の手を引きながら空き地近くの茂みへと入っていく。


(こうやって手を繋いでくれるのも今だけなんだろうなぁ)


大人からしたら草むら程度であろうが俺達には格好の冒険場所?である茂みを探索していく。


「プレ君何か見つけた〜?」


「いいや、なんにも見つからないよ〜」


(というか何かってなんだよ、一体何を見つける冒険なんだ)


「おっかしいわねぇ、私の予想じゃこの辺に宝物が落ちているはずなんだけど」



うわーん


「プレ、何かいまさっき泣き声が聞こえなかった?」


「俺には聞こえなかったけどなあ。」

(って呼び捨てになってしまった……)


「行ってみましょ!誰か居るのかもしれない!」


「あっ、ちょっと待てよ!っておーい!!」


全く、毎回俺の意見など無視せず突っ走るやつだ。

とは言っても心配なので俺も追いかける。


そして追いついた先には……

テンプレがあった。


どうやら小さな女の子2人相手に6〜7歳くらいの男の子4人が囲んで苛めているみたいだ。

(うーん、どうしたものか)


「ちょっと! アンタたち何やってるのよ! 可哀想じゃない!」


「あぁん?お前は誰だ?こいつらの友達か?」


俺が考えている間にサリが突っ走った。

全くいつもこうだ……


「俺たちは〜、こいつらが作ったダンジョンを攻略する冒険者ごっこをしていたんだよな?」


もう一人の男の子が言う。


(いつの時代もこういう輩はいるもんだなぁ)


「どうみてもいじめじゃない! やめてあげなさい!」

そう言ってサリは男の子たちに突っかかっていく。


「あ、っちょ、サリ待て!」


俺は静止を求めるがもう遅い。いくらこの年代は女の子のほうが成長が早いとはいえ

年上には体格差で勝てるわけがない。

案の場、サリはそのまま突き飛ばされた。


「サリ、大丈夫か?」


「別に大丈夫よ」

気丈に振る舞うがその目は涙が宿っている。


(あー、仕方ない。ここは魔法で対処するしか無いか。サリには魔法のことなんか話してないし……)


(1割くらいで身体強化)


「女の子に乱暴するのはダメだろ」


「ああ?お前もいじめて欲しいのか?」


「いや、そういうわけじゃないんだけどさ……」


「やっちまおうぜ!!」

男の子三人組から声が上がる。

俺に向かって殴りかかってくるのが分かる。


「プレ、危ない!」


しかし身体強化した俺は動体視力も上がっておりどうやら脳の思考速度も上がっているので

これぐらいならゆっくりに見える。

魔力量が膨大であるらしい俺は1割の身体強化でもこれぐらいなら屁でもない。


サッ!


「なっ!こいつ避けやがった!」


代わりにお見舞いしてやる。

必殺・でこぴんだ!!


バシッッ!!


(あっ、やべ。威力強すぎた)


うわああーん


男の子1人が大泣きを始めた。

残りの男の子はそれに動揺したのか何もしてこない。


「今のうちに逃げよう」

そう俺は提案してサリといじめられていた女の子と集合場所であった空き地へと逃げこむ。

幸いにも追ってはこないようだ。



「はぁはぁ、ありがとう〜〜」


苛められていた女の子の1人が俺に向かって言う。


「いやいや、サリが勝手に突っ走っていっただけだからお礼ならサリに言って」


「ありがとうね〜〜」


「どういたしまして!」

サリは得意気に答える。

結局俺がやっつけたみたいなもんなのにどうやらサリは自分で全て解決したと思ってるんじゃないだろうな……


「わたしたちは、ふたごの、ハルとフユっていいます!さんさいです!」

と元気に挨拶する。

サリが異様に成長早い3歳児だから普通は滑舌もこんなものだろう。

もしかしたら体内の魔力によっても成長スピートが違うのかもしれない。


「わたしはサリでこっちの男の子がプレリュード!長いから私はプレってよんでるわ!」


それにしてもハルとフユか……そのうちナツとアキも出てきそうな名前だ。

双子なだけあって顔では区別がつかない。格好が白い方がフユ、橙っぽいのはハルらしい。


「いえのちかくであそんでいたらおとこのこがいじめてきたの」

ハルが説明する。


「それは大変だったわね!じゃあ今日から私たちと一緒に遊びましょ!」

(って俺の意見は!?友達は多いにこしたことはないけどさ……)


こうして俺とサリ、そしてハルとフユが加わった4人グループが出来上がった。

(学生の頃はグループとかいろいろ面倒くさかったけど子供の頃はこんなに簡単に友達になれるんだなぁ。)


「今、ちょうど冒険者ごっこをしていたとこなの。4人も集まったなら名前をつけましょ!」

サリが俺に提案してくる。


「名前って何のだ?」


「もちろんこの4人のチーム名よ!冒険者はチームでなくっちゃ!」


「なまえつけたいです〜」「わたしもです〜」

ハルとフユが賛同してくる。

ここは空気を悪くしないためにも俺も乗っかかるのがいいだろう。


「じゃあ、<<世界探検隊>>とかどうだ??」


「は?そんなださいの嫌よ!」

一蹴された。俺には発言権がないらしい。


「<<メビウスター>>にしましょ!」


(いやいやいや、どこからその名前がきたんだよ!!)

と、思うも今更いったところで無駄だと知っているので反論はしない。

無駄な体力は使いたくないのだ。それに俺は精神年齢は上だがこうやって振り回されるのも楽しいものがある。

無粋なころに戻って遊べるとはいいものだ。


そうして俺たち<<メビウスター>>は結成したのであった。



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