第2話 俺ってチートじゃね?
3歳になりました。
1歳頃から徐々に喋るようにして2歳半ばでほぼ完璧、3歳にして完璧に異世界語を使いこなせるようになりました。
頭や体は3歳児らしいがその分、物覚えもよく言語覚えるのもあまり苦労しなかったなぁ。
もしかしたら単にこの体自体が賢いというのもあるが。
言葉が理解できるようになり家族構成や家の事情が分かった。
まず俺の名前は「プレリュード」であるらしい。
普段はプレなどと呼ばれている。
母さんの名前は「セリア」
そして俺の専属メイド「レイ」である。
なにより驚きなのが俺の父さんは公爵らしい。
この国は1夫多妻制であるらしく母さんは第3夫人であるらしいが。
そして大きく変わったのが魔法というものである。
本を毎日のように強請っていた俺はその中に
魔法の教材本を見つけてベッドに持ち込んだ。
そしてこの世界で生きるために必死に練習した。
魔法についてまとめると
・体内にある魔力を媒介とし現実世界に魔法として実現させる。魔法の威力は詠唱の長さやイメージの強さによって変わる。魔力を魔法として現実世界に反映させる場合、体内の魔力を消費する。魔法を使うことで魔力量は増えていくが、いずれは限界が来る。最大魔力量には個人差があり、これが大きな魔法を使えるか使えないかの別れ目ともなる。
ということだ。
生まれて1ヶ月もしないうちから魔力増強や魔法練習を毎日してきたが
未だに魔力の底は見えません。
この体が恐ろしいね。
どんぐらいかって言うと恐らく一瞬にして東京ドームの敷地分くらいは更地にできると思う。
いや、まじで。
魔法の種類も思いつく限り試した。
だってファンタジーの世界だもの。
ファイヤーボールとか、サンダーストームとか、灼熱地獄とかやってみたくなるじゃない?
もちろん母さんには簡単な魔法が使えるとしか言ってない。
それだけで十分驚きなのだが。
そして色々な本を読み漁り色々な知識を身に付けた。
この世界に魔物はいる。そして1000年間隔くらいで魔王が現れるらしい。
今のところその兆候もないし次に現れるのは200年後くらい先みたいだ。
俺には関係ない話だな。
うん、なんかフラグみたいになっているが気にしないでおこう。
社会の仕組みも色々と理解してきた。
まず貴族が存在し、各貴族は国中の至る所に領地を持ちそれを統治しなければならない。
しかし、公爵にもなると自分の領地は自分のとこの役人にまかせ国の統治をしなければならないらしい。
そのため俺の父であるハンセン公爵は首都に家を構え、第1夫人と第2夫人と暮らしている。
俺は母さんと領地の家で暮らしている。
第1夫人には長男、次男がおり
第2夫人には長女、長男がいるという状況だ。
この三年間で何回か会ったが精神年齢が大きく離れていることもありふーん、といったところだ。
第3夫人だけが領地で過ごしているため広々とこの家を使っているというわけだ。
時たま父さんが帰ってくることもあるが1週間も滞在しないですぐに首都に帰ってしまうのがほとんどだ。
継承権もない俺は自由に過ごしている。
3歳になり自由に外に出ることが許されたおれは、
「母さん、外に遊びにいってきます!!」
「遅くなる前に帰ってくるのよ〜」
といったやり取りがここのとこ毎日行われている。
外に遊びに行くといっても領地内の子どもたちと遊ぶ日が半分くらい、
1人で魔法の練習などするのが半分くらいだ。
今日は1人で魔法の練習をしに行くところだ。
小さい頃からできていた瞬間移動の魔法は自分自身も移動させることに成功して
今まで行ったことある場所には瞬間移動ができるようになっていた。
行ったことのない場所はイメージが出来ないため無理なのである。
外に遊びに行くといいつつ俺は屋敷の庭に秘密でほった地下室へと向かう。
俺がテレポートする場所を作りたかったからである。
「さて、今日はどこまで行こうかな」
最近の趣味は瞬間移動で出来るだけ遠い所に行き、そこから歩いて移動できる場所を増やすことだ。
「とりあえず前回行った一番南にいってみるか」
そう言って場所のイメージをし
(テレポート)
と心のなかで唱える。
本来は口に出さなければ出来ないのだがイメージ力が強ければその限りではないらしい。
いわゆる無詠唱といったやつだ。
ハンセン公爵領は公爵地なだけあり広大である。
南は海に接して東は険しい山々、西に行けば大きい川があり、北に行けば湖があるという。
公爵領の中心市街地はちょうどその真中にあり我が家もそこに建っている。
「そろそろ1ヶ月くらい歩いていることになるし海についてもいいんじゃないかなぁ」
1人で呟きつつ森のなかをかき分ける。
別にきちんとした道を通ってもいいのだが3歳児が1人で歩いているのもおかしな話であるので
こうして人目につかない森のなかを歩いて南下している。
もちろん森のなかには危険はたくさんある。
野生のイノシシが襲ってきたり見たことのない大型の鳥が襲ってきたりする。
魔物は決められたエリアしかで出ないのでそこは避けるようにしたりする。
普通の3歳児がイノシシに襲われたらひとたまりもないのだが、
「おっと、またイノシシか。君も懲りないなぁ」
(風刃カッター)
俺の命名である。風を操り超鋭利な刃物に見立てて獲物に向かい襲うというものだ。
元が風であるので自由に向きなどを変えれるため首などの致命傷を狙うのに適している。
ドサッ。
イノシシはその場に倒れた。
もちろん1撃である。
「持って帰ってもいいんだけど母さんがどんな反応するか分からないんだよなぁ。
それに今日は友だちと遊ぶことにしているしこのまま放置していこう。」
しばらく森をかき分けるとギラギラと太陽の反射した青い海が見えてきた。
「やった!海についた〜」
森を抜けた先は断崖ではあったが目の前には無限に広がる海があった。
「この崖の下に家は無いな……よし」
(身体強化)
そう心のなかで唱え
崖から飛び降りる。一見自殺したかのようにしか見えない光景でも、身体強化をかけていれば難なく着地できる。
「何年ぶりの海だろう。前に海を見たのは地球が最後だったもんなぁ」
感慨深くなってくる。
誰も居ないことだし泳いでみたかったのだが季節が9月という微妙な時だし髪が濡れた時の言い訳が思い浮かばなかったので今日は我慢しておく。
「今日の冒険はこんなものにして家に帰ろう」
そうしてまたワープして家の庭の地下へと戻っていく。




