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鳥男と小鹿娘  作者: MIKARA DE TASABI
3/3

傷の手当て

「痛いっ!…いたたた」

「あまり動くな。…ところで、バードン君。君はなぜここにいるのかな?森へ帰ったと聞いていたが」

バードンは今まで唸り声を上げていたのを、いきなり止めた。

「ミドルさん。こんなのは不意うちですよ…まさかここがラーヴウッド家だとは思いませんでした」

そう言って鳥の姿で肩をすくめてみせる。

ミドルはきつめに包帯を縛り上げながら、口を片方だけつり上げた。

「その調子なら大丈夫だろうが、このケガじゃ4月は飛べないだろうな!しばらくは絶対安静だ」

翼を指でコツリとやられ、全身がブルリと震えた。

ー4月も…か

緑の生い茂る森を思い浮かべながらひとりごちた。

傷の痛みはひどいが、とりあえず安心

することができた。

ーしばらくは、世話になるか。伯爵もいないそうだし。

考えているうちに眠くなってきた。

ーよ…し。そうしよう。ふああ!

あくびをしてから一気に眠りに落ちた。


***


バードンが傷の手当てをうけている間、バンビアナ達は居間で茶をすすっていた。

「やはりラーヴウッド家は素晴らしいですね…それであれは?」

ヒースは興味津々といった顔をして、色々と話を聞いていた。

ー綺麗な顔してよくしゃべる人ね。何か探られている様な気がするのだけど…勘違いかしら

「ええ、勿論です!あれは我が家代々引き継がれる盾でして」

変な表情をしてしまわないように、満面の笑みを作ってみせる。

そこへちょうど獣医が戻ってきた。

「あら、もう終わりましたか?さあお座りになってお茶でも飲んでくださいな」

ティアンナがコポコポと紅茶を注ぐと、アールグレイの匂いが鼻をついた。

「ええ。どうも、いい香りですな」

一口飲んで、熱っ!と言ってからティーカップを置いた。

「鳥の傷の具合なんですが、あまり良くありません。ですから4月ほどは安静にしてください」

その言葉にバンビアナよりも先にヒースが反応した。

「4月もですか?!酷いな」

目をみはってそう言ってから、彼は優雅にマカロンを口に放り込んだ。

その一部始終をみていたバンビアナとヒースは目が合った。

思わず彼のグレーの瞳に引き込まれそうになる。

バンビアナは、はっとして獣医の方に

向き直った。

「私しっかりと世話を致しますので…それと鳥って話せるのですか?」

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