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99。  作者: ある。
9/13

8 Phoenix (不死鳥)


「・・・・・・」

討伐レベル──。精霊を倒す難易度のことである。

レベル1がただの人間が10人集まって倒せる強さだ。

言葉にならなかった。



「・・・・ああ、貴様はまだ知らなかったな」

ザッ、とエラの隣にやってきたのはイリヤだった。

「イリヤ・・さん?」

エラが少し不安そうに言うと、

イリヤはちらりとエラに目をやり、イリヤで良いと小さな声で言った。


「奴の強さは異常だ。・・・・・・まず、肉体のレベルが次元単位で違う。」


イリヤは静かに、淡々と語りだした。


奴──モコロの肉体は異常だ。


本来、人造人間達には一個体に一つずつ、特殊な能力がある。

精霊と抹消するための力だ。


その力は、肉体のレベルによってパワーの限界値が決まる。



だが。


モコロの体は異常だった。

構造は従来の人造人間と変わらず、結構細身で、標準より少し低いくらいだろう、と予想されたのだが・・・・。



彼は、能力の最大限発動にも耐えうる身体をしていた。


彼は肉体へのダメージを、肉体の中で分解し、軽減していたのだ。


その軽減率はおよそ67%。彼は敵からの攻撃も、自分の肉体へのダメージも軽減していたのだ。



そして、体内で作られていく能力は、一定値溜まると、他の人造人間達は放出しなければならなかった。

膨大になりすぎた力は、諸刃の剣となり・・

自分の肉体にダメージを与えるからだ。


だが彼は、そのダメージすらも軽減できるのだ。


つまり。

彼は体内で限界まで能力を蓄積できるということだ。



そんな、デタラメなスキルを持っていた彼は


 

不死鳥(フェニックス)】。 そう、呼ばれるようになった。


実質、最強の攻撃型として・・・・・・。




            +


「らぁああああ!!」


モコロは、銃を乱射しながら駆けていく。その弾は、乱発しているように見えても

ちゃんと命中していた。

だが、致命傷を与えるような傷ではなく、腕や足などの動きを奪うための

攻撃だった。

                 

「さぁーて。この不死鳥、モコロ様が直々に!」


そう言って彼は、二丁の銃を自分の真上に放り投げた。

クルクルと回転しながら、二丁の拳銃は舞う。



「ぶちのめしてやらぁ・・・」



好戦的な笑みを浮かべたモコロ。






「炎の剣。右目は星、左目は闇。」


(うな)る声は不死鳥の如く!」


キッと目の前の精霊達を睨みつけ、唱えた。

モコロの元に降ってきたのは・・・・二振りの剣。


それを両手に掴むと、ボウッと炎が灯る。

       

「行くぜぇ・・・・(えん)()!!!」



残像が残るほどのスピードで駆け、

敵を切り刻み、敵が気付いた時には剣を収めている。



これが、(えん)()である。



モコロは、その(えん)()で、4体のドワーフ達を、一掃した。

ついでを言うと、ドワーフ達の討伐レベルは15である。





そして、不死鳥(フェニックス)が剣を銃に戻した。



その時エラは、他の事に気を集中させていたのだった。

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