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99。  作者: ある。
6/13

5 I and pleasant friends (私と愉快な仲間達)


それから、エラは、モコロ達人造人間の新拠点ともいえる場所に移動した。

「ここが俺達の帰るいえだ。」

そう言って、モコロが笑う。

この拠点の名は、『ホープ』と言って、

希望という意味がこめられている。

チームごとに6人程度がゆったりできる部屋があたえられている。

エラ達は、自分たちの部屋に入り、くつろぐことにした・・・。


              +


「うあーニコチンが不足した!!」

エラ達がチームを組んで、少したった頃。

モコロが叫び、頭をガシガシと掻いた。

「え・・モコロ??」

エラは驚き、モコロの方へと振り向く。

「あー・・・モコロはね、煙草を吸いたいって言ってるの」

ココが「うがー!!!」と叫ぶモコロを指差す。

「五月蝿い《うるさ》!静かにしろ!!」

フィオナは、イスに足を組んですわり、優雅に紅茶を飲んでいる。

「んだとぉ!?じゃあ煙草吸わせろ!!よこせ!!!」

モコロがついに、子供のように駄々をこねはじめる。



心なしか、頭に犬の耳が、腰の辺りにしっぽが見える。



「・・・うるせェと思ったら・・やっぱお前かよ、モコロ」

部屋の奥から、長身の男が出てくる。

年上のモコロよりも数センチ高い、彼は。

黒髪で、耳下までのびており、暗い紫の目が、特徴的だ。

赤いTシャツに、少しダボっとしたジーパンという一般的な服装をしているのに

そのシンプルさが、彼の大人びた雰囲気をより一層高めていた。

「あ~てっめぇレン!身長分けやがれ!!」

モコロはついに煙草に火をつけながら言う。

顔にかかった髪を耳にかけると、モコロの耳があらわになる。

右の耳には、ピアスが開けられていた。

煙草をくわえたモコロは、先ほどよりぐんと大人っぽく見えた。

「モコロ・・!また煙草吸ったな・・・煙い。」

次に奥から出てきて、あからさまに嫌な顔をする少女。

低身長で、長い白髪が特徴だ。チャームポイントともいう。

振袖付きの短い黒の着物を着ていて、

少し古風だがやわらかい雰囲気をまとっていた少女は、

その雰囲気を一瞬で崩れさせる言葉遣いで言った。

「イリヤ・・・。・・・こんくらい許せよ」

モコロは口を3にして文句を言う。

正直、このチームで最年長なのに、精神年齢は1番低そうだ。

「イリヤだけではない。皆、貴様の撒き散らすその煙に迷惑している」

淡々とした口調でイリヤは述べた。

結局、イリヤに負けて、モコロは眉をしかめながら煙草の火を消した。

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