プロローグ ~嘘吐きレコーダー~
はじめまして!五月蓬と申します!
ちょっとひねくれた内容ですが、恋愛ものです!
初めてで至らぬ点も多いと思いますが、何卒よろしくお願いします!
感想、批評、指摘する点などありましたら、是非是非よろしくお願いします!
あいつは嘘吐きだ。本当のことなんてまともに話さない。その上、腹黒陰湿根暗ときたもんだ。質が悪いったらありゃしない。
でも、そんな姿を平気で晒していたからこそ、俺はあいつが俺にぶつけてきた悪態は『本当の気持ち』の顕れなのだと思っていた。
なのに、卑怯じゃないか。こんな言葉。
俺がおまえといがみ合って、睨み合ってきた日々は何だったんだよ?
ICレコーダーを握る手に力がこもる。
「嘘だって言えよ……なぁ!」
そうじゃなかったら、俺はどうしたらいいんだよ?
真実しか語らないICレコーダーは、ついに「嘘だよ」といわないまま、再生を終える。
ICレコーダーは初めて『嘘を吐いた』。俺は絶対に騙されない…絶対に…絶対に…!
俺は握り締めたその『嘘吐き』を怒りに任せて叩き付けようと、腕を大きく振りかぶる。
浮かぶあいつの顔を振り払うように……