3/14
きっと、また、この掌に
ずっと、つないでいた手を離したのはいつのことだったろう。
君の背が伸びて、わたしを追い越した頃?
ケンカするのに君の手が出なくなって、勝ちを譲ってくれるようになった頃?
わたしの髪が長くなって、風に踊るようになった頃かしら。
まぶしそうに、目を細めて私を見つめる瞳に気付いていないわけじゃない。
少し離れたところを歩く、君の背中に呟く。
いつか、また、このてのひらに。
きょうだいでも、
幼なじみでもなく、
君を感じることが出来ますように―――。