5. FIP治療経過報告(2)
※汚い描写がありますので、食事中の方はご注意ください。
治療開始3週目に突入する頃には、マシュマロはごはんを完食できるようになった。
元気が出てきてキャットタワーにも登れるようになった。お転婆な甘えん坊に戻ってきて、私や白茶くんのそばに居たがるようになってきた。少しずつ以前の日常を取り戻していけることが嬉しい。
そんなある日、私は部屋の床にマシュマロの毛の塊がたくさん落ちていることに気付いた。冬毛が抜ける時期だし、長毛種だからすごい量の毛が落ちているんだろうと思っていたが、マシュマロを撫でていると、顎下から首にかけて縦2センチ、横5センチくらいの剥げができているのに気付いた。
昭和を代表する某イケメン俳優よろしく「な、何じゃこりゃあ!?」と慌てた私は、ネットで調べてみることに。
「猫コロナ 脱毛」で検索すると、薬の副作用で毛が抜けてしまった猫ちゃんの事例があった。もしかすると、マシュマロも薬の副作用で剥げてしまっているのかもしれない。数日後にまた通院があるので、その時に獣医師に診てもらおう。
剥げを見つけた次の夜、薬を混ぜた夕飯を食べてから1時間半ほどたった時、マシュマロが急にげーげーと嘔吐しだした。どうやら毛玉を吐き出そうとしていたらしい。大きな毛の塊が出るとケロッと元気になって、玩具で遊び出した。
薬を混ぜたごはんも全部吐き戻してしまったようだ。吐瀉物を確認してみたが、薬の白い粒は見当たらない。とはいえ、FIPの薬は84日間服用を続けないといけないため、途中で薬が摂取できなくなったらまずい。しかし、生憎とかかりつけの動物病院の診察時間は過ぎてしまっているため、電話して獣医師に相談もできない。
そこで私は、加入しているペット保険の特典のひとつである24時間獣医師に相談できるホットラインに電話することにした。
電話対応してくれた担当獣医師に、FIPに罹患していること、薬をあげ始めて半月ほど経過していること、薬は粉末状で、ごはんにまぜて1時間半ほど前に与えたことを話した。
すると、粉末状の薬を摂取してから1時間以上経過しているなら、80%くらいは体内で吸収されているだろうとのことだった。また、追加で薬をあげると副作用などが心配なので、次回の薬の時間に薬を与えるようにと言われた。
次の日の朝にごはんをあげ、また吐き戻したらどうしようとドキドキしながら見守っていたが、マシュマロは一粒残らずたいらげた挙句、「そこの下僕。わたしくにもっとごはんを寄越しなさい」といわんばかりに見上げてくる。その後も吐くことはなかったので、やはり毛玉のせいだったらしい。
しかし剥げは徐々に広がっていき、通院の日には更に親指1本分くらいの毛が抜け落ちていた。
動物病院で獣医師に診てもらったが、薬の副作用として脱毛が起こるという症例はあまり聞かないとのことだった。剥げた個所の皮膚は綺麗なので、ノミやダニといった虫が原因という訳でもなさそうだという。
「ステロイド剤が原因で脱毛が起こる場合はありますが、マシュマロちゃんはモヌルピラビルを摂取してから1回しかステロイド剤を服用していないので、それが原因とは考え難いんですよね……。もしかすると、ストレスかもしれません。どちらにせよ、モルヌピラビルの服用を中止することはできないので、このまま様子を見ましょう」
その日は経過観察のために、血液検査をした。
マシュマロはとても肝の据わった子なので、今までは注射もエコーも全く動じることがなく、「あら、何かわたくしに触れたかしら?」といった反応だった。しかしその日は虫の居所が悪かったのか、看護師さんに押さえられると「フニャアアアアア!!」と牙を剥き、シャーシャー言って激怒した。
「お前!! このわたくしに許可なく触れるなど、無礼千万にゃり!! 下僕よ、直ちに止めさせなさい!!」とでも言っているのだろうか。看護師さんに怪我をさせないように、エリザベスカラーをつけているから、余計私の妄想の中では女王様のような口調になってしまう。
結果として、総蛋白量はまだ少し高いが、その他の数値は正常まで戻っていた。順調に回復していっているらしい。
「まったく、酷い目に遭ったわ!!」とばかりに急いでケージに戻り、不貞腐れたように座っているマシュマロ。ちょっとかわいそうだったけど、これも治療のためと赦していただきたい。
誤字脱字は見つけ次第修正していきます。




