付き合って5年【黒木あん22歳】
私、黒木あん22歳、社会人2年目である。
私には付き合って5年の彼氏がいる。
彼は、私が高校2年生の時に文化祭をキッカケに仲良くなった男友達だ。
彼の3回目の告白で付き合うことになった。
私も彼も初めてのお付き合いで、付き合った当時は初々しかった。
手を繋ぐだけでドキドキした。
初めてのドキドキにこれが恋というものなのかと知った。
彼といろんなものを知っていく。
クリスマスに見たイルミネーションの凄さ、初詣の人混み、バレンタインの手作りチョコとホワイトデーの手作りクッキーの美味しさ、2人で見た桜や海や紅葉の綺麗な景色。
5年経つと思い出も分厚くなる。
社会人になって、初めて携帯電話を手に入れた。
手のひらサイズの二つ折りの携帯電話。
これで電話とメールができるなんて、便利な世の中になったもんだなと思った。
電話代は高いので、なるべくメール。
前までは、次に会う約束してからバイバイ。
その後は約束の日まで連絡はとらない。
家の固定電話はお互い苦手で、落ち着かないので電話は基本しない。
そして、彼と会う約束は私の心を強くする。
彼は約束を破ったことがないのだ。
風邪で熱があっても約束の時間に約束の場所に来る彼。
その時は流石にデートはしないで、熱がある彼を家に送った。
彼は実家暮らしで、家にお邪魔するしたことは数回ある。
緊張するから、家にはあまり行きたくないのだ。
熱がある彼を家に送り届けた。
少しお茶を飲んでから帰ることになった。
彼は寝ている。
彼のお母さんが持ってきてくれた紅茶を飲む。
「あん?今日、ごめんな。」と彼。
「謝らないで。デートは元気になったらいつでも行けるから、まずは元気になって。」
「うん。」
初恋は叶わないとよく言うが、私たちに別れが訪れる気はしない。
いつか結婚するんだろうな。彼と。
次の日、彼からメールが来た。
【元気になった。ありがとう。】
彼のメールは短い。
簡単に連絡は取れるが、やっぱり会いたい。
【早く会いたい。】と返信した。
続くRe:
メールは便利だけど、文字だけじゃ伝わらないこともあるよな。
次のデートは私の誕生日。
私は期待してしまう。
結婚の2文字。
付き合って5年。
そわそわする私。
この話は、続くかもしれない。