65話
『〇〇高校文化祭!2日目が今始まりまーす!!』
元気なアナウンスとともに文化祭の2日目が開催された。今日も今日とて女装をさせられて綾崎と一緒に立たせられている。1日目で売り切れて売る商品がなかったためクラスメイトが業務スーパーにダッシュで行って買いそろえてくれたらしい。何なら女装男装カフェを開かなかったらよかったのに。はぁ、帰りてぇ。俺がため息をつくと綾崎は心配そうに話しかけてくれた。
「大丈夫ですか?」
「女装させられて公衆の面前で立たせられて大丈夫だと思うか?」
「安心してください夜見君。今日もめっちゃ可愛くしましたので!!」
「そういう問題じゃねえんだよ!!」
ちょっとずれている綾崎に俺は思わず突っ込む。一日目に俺が夜見だってことを言ってしまったから野次が集まってくることは確定しているんだよなぁ。
「唯桜が女装してるらしいぜ!!あっいたいた!」
「これが夜見!?本当に女子じゃん!!」
「写真撮っとこ」
ほら噂をすればやってきた。隣のクラスの零とその友達だ。
「ほらお前らここで立ち止まってないでとっとと店の中に入れ。後写真オッケーなのは綾崎だけだからな!!俺の写真撮ったら殺すぞ」
「けちー!」
「やったぁ綾崎様と撮ってもいいのか!?」
そう言うとあいつらはスマホを取り出しながら綾崎に頼んだ。
「写真お願いしても良いですか?」
「いいですよ」
綾崎もすぐ了承し、零とその友達はにっこにこで綾崎と写真を撮る。するとある一人の友達が綾崎には聞こえないように俺に写真を見せてきてこう言った。
「綾崎様の写真の所有権は俺だから何してもいいよな?」
「きもしね。もう早く店は入れ」
「ちょっ!!押すなって!!」
きっしょ。きっしょ。大事なことなので2回言ってしまった。こいつら本当にキモイ発言をすることだけは得意だな。俺はこのような激きも発言を綾崎に聞かれることがないようにあいつらを店の中に押し入れる。俺があいつらを綾崎から遠ざけて安心していると俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「唯桜っちー!!」
「不破!?」
一難去ってまた一難。俺の名前を呼んだこっちに走ってくる不破の姿が目に入った。
「唯桜っち滅茶苦茶可愛い女の子になってるじゃん!!あややもかっこいい男の子だね!!」
「ありがとうございます不破さん」
不破の陽キャオーラがまぶしすぎる!!あれ?不破一人っておかしくね?こんな陽キャだったら絶対友達と回ってるはずだ。
「不破、友達はどうした?迷子か?」
「唯桜っちのところ行きたいって言ったら邪魔になるからって言ってどこかに行っちゃった」
そうかそうか、それ多分俺と会いたくないだけだぞ。
「夜見が綾崎と不破の美人たちと一緒にいるぞ!」
「クッソ両手に花しやがって」
「おい夜見、そこ変われ」
教室の中から視線を感じるような...き、気のせいだよな!!




