57話
午前の接客の仕事が終わった後、俺は一瞬でジャージに着替えた。このまま文化祭回ったら恥ずか死ぬね。間違いない。当たり前のことだが制服はしっかり洗濯してから綾崎に返す。俺が着替えてから教室に戻ると文化祭を回っていた人も戻ってき始めた。
「おつー!!夜見、お前の滑稽な姿を見ることができてうれしいよ」
「しねっ!!」
いつもの奴らが楽しそうに話しかけてきたのであいさつを返してあげた。こいつらマジで!!
「売り上げはどんな感じよ?」
友達に聞かれ俺は頭の中で大体の売り上げを計算する。まあ一人当たりどのぐらいお金を使ったのかわからないから推測だけど。
「結構売れてると思う。途中で綾崎が大量に人を呼び込んでたからな」
「それならよかった。午後はその勢いが途絶えないように頑張るよ」
友達はそう言って着替えるために空き教室の方へ向かって行った。このあとどうしよ。あー、回る人がいない。このまま1人で回ると周りからぼっちだと思われてしまう。結構な人に話しかけたがまさかの俺の男友達が全員午後に仕事が入っていて全滅した。隣のクラスの人も確認するためにチラッと見に行ったが零や、ほかの仲がいい人達は全員一生懸命クレープを作っていた。誰も誘う人がいない...どうしよう...。俺が悩んでいると俺の視界の中に綾崎が映った。そうだ!綾崎と回ろう!!
「なぁ、綾崎」
「あのっ、夜見君!」
俺が綾崎を誘おうと声をかけようとすると綾崎と声が被った。びっくりしたぁ。
「綾崎から言っていいよ」
「文化祭、一緒に回ってくれませんか?友達がいなくて...」
「おぉ!ちょうど俺も一緒に回る人がいなくて綾崎にお願いしようとしてたんだよ」
よし、これでぼっちじゃない!これでもう周りから「なんだこいつ普段いきってるくせにただの陰キャじゃん」って思われない!!
「そうなんですか!?夜見君はてっきり、もう何人かと約束してるかと思ってダメ元で聞いてみたのですが...」
「実は俺のクラスや他クラスで仲がいい奴ほとんど全員仕事入ってたんだよね。俺がメンバー決めの話し合いサボらなかったらよかったんだけど」
「じゃあ一緒に回りましょう!行きたいところってありますか?」
行きたいところか...。あ!一つだけある!!
「隣のクラスのクレープ食べたい!」
「いいですね。前から思っていたのですが夜見君って甘いもの大好きですよね?ギャップがあって可愛いと思います」
「う、うるさい!別に好きでもいいだろ!いいから行くぞ!」
俺は綾崎を連れて隣のクラスのクレープ屋さんへと向かった。




