56話
『〇〇高校文化祭!開催します!!』
今年の文化祭の始まりを告げる学校のアナウンスがスピーカーから響き渡る。皆が売り上げ1位を目指して気分を高める中俺は教室の前でチラシを持って嫌々立たされた。しかも女装姿で!!←ここ重要。
「夜見君、一緒に頑張りましょうね」
しかも綾崎の監視付き。これだとサボろうにも綾崎に連れ戻されてサボれない。俺の制服を着た綾崎は男子のようには見えず、かっこいい女子って感じだが滅茶苦茶にあっている。本人には絶対言わないがな。
「仕方ない、最低限の仕事はするか」
俺は覚悟を決めると前から歩いてきた他校の生徒らしき男子2人組にチラシを突き出す。言葉を発せないのがきつい。
「え、めっちゃ可愛いじゃん」
「仕事が終わったらで良いからあとで俺らと回らない?名前は?」
この他校の二人は俺が突き出したチラシを受け取ると俺にそう話しかけてきた。いきなり!?っていうかチラシ読めよ。男装女装って書いてるだろ。
「いやこれ女装だから。いいから俺らのクラス寄れよ。因みに名前は夜見だ」
「なんだ男かよ....え、夜見ってあの!?」
「その名前は俺らでも知ってるぞ!この高校にはとんでもないクズがいるって聞いたがまさか!?」
お?こいつら俺のこと知ってるのか?俺の名も売れたもんだなぁ。
「俺のことを知ってくれてるんだな?それはありがたい。で、俺のクラスで豪遊してくれるよな?」
「も、もちろん!」
「今すぐ行かさせてもらいます!!」
「はい、二名様ごあんなーい!」
よし、幸先がいいのかはわからないが二名様を呼び込むことができた。
「やり方はおいておいて、いきなり成功するなんて凄いです!!」
「この調子で頑張ろうぜ」
もうやめたいのは山々だがそういう訳にもいかないしな。やるなら徹底的に呼び込みまくってやる。
「ん?なんか人めっちゃ来てるくね?」
「確かに多いですね。全員呼ぶ勢いで頑張りましょう!」
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1時間後...
「なんかさ、店に列ができるってより綾崎の方に列ができていないか?」
「そ、そうですね。でもその方たちはそのあとにお店に入ってくれるので実質お店の方に並んでいるのではないのでしょうか」
そう、綾崎からチラシを貰うために長蛇の列ができていたのだ。流石綾崎様、ここまで人を集めれるなんて才能だろ。俺も最初の方は何人かに話しかけられたが夜見だってバレたとたん、誰も俺に話しかけて来なくなった。
「この調子だと今日中に全部売り切れちゃうんじゃないか?」
「そうなってしまったら、明日はどうするのでしょうか?」
誰にもチラシを配る必要がなくなった俺はスマホを取り出し、いじっていた。
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『午前の部はこれにて終了です。午後の部も楽しんでください』
午前の部の終了を告げる放送がなった。あれ、そういえば一緒に回ろうと思ってたあいつら午後に仕事入ってたっけ!?だ、誰と回ろう....




