52話
「さて、全員そろったところだし自己紹介をしようか。まあ僕のことは皆知っているだろうし飛ばしてもいいよね」
どうやら生徒会役員全員がそろったようだ。それにより会長が進行を始める。さっき聞こえてきたけど会長以外の先輩たちは俺のことをクズってわかってるらしい。会長は俺がクズのふりをしているということを言っていないようだ。とりあえず一安心だ。俺が勝手にホッとしていると元気そうな先輩が手を挙げた。
「はーい!私は副会長の山田静香だよ!!よろしくね!!」
滅茶苦茶元気な先輩だな。陽キャのきゃぴきゃぴした雰囲気とは違いすごく単純...言い方を変えると素直そうだ(失礼)。山田先輩の自己紹介が終わった後にずっと下を向いていた山田先輩の隣にいた先輩が注意した。
「静香うるさい...私は書記の小播ひなり....よろしく」
「ひなりは恥ずかしがり屋だから自分から話してくれないかもしれないけど良い子だから話しかけてあげてね」
「...余計な事言わないで」
山田先輩と小幡先輩はかなり仲がいいようだ。これは百合厨大歓喜だな。俺は全然百合厨じゃないけど。
「二人とも喧嘩しないの!私は監査の高嶺月果。わからないことがあったら気軽に聞いてね」
二人をまとめるお姉さんみたいだな。優しそうだしわからないことがあったら高嶺先輩に聞こう。次の自己紹介は...座っている順番的に綾崎か。うわー!最後嫌だぁー!絶対綾崎が最後の方が盛り上がるじゃん!!
「綾崎彩葉です。ええと、役職はまだ教えてもらっていません。これからよろしくお願いします」
そういえば俺はまだ役職聞いてないなぁとは思っていたけど綾崎も教えてもらってなかったようだ。
「そうだったかい!?すまないね。綾崎君には広報、夜見君には会計を頼もうと思っているよ」
俺は会計か。他の人と話し合うような役職だったら100%無能だったから計算系はありがたい。
「広報ですね。わかりました。精一杯頑張りたいと思います!」
「彩葉ちゃんすごい可愛いね!!お人形さんみたい!!」
「ありがとうございます。山田先輩もすごくかわいいですよ」
綾崎の自己紹介が終わると同時に女子トークが始まりやがった。タイミングを見計らって自己紹介しないと!
「夜見君の自己紹介がまだなのだからそういった話は全部終わってからにしてくれ」
しっかりしている会長マジかっけぇ!!
「会計になりました。夜見唯桜です。よろしくお願いします」
先輩たちの見る目が冷たい。やっぱり、こういったしっかりしたところだったらクズっていう肩書きは安心して仕事を任せてもらえるようにいっぱい実績上げて見返してやる!!
「よし、これで全員の自己紹介は終わったね。じゃあ早速仕事をしてもらおうか」
会長は綾崎の前に数枚のプリントを置いた。そしてそのあと俺の前に大量のプリントを置いた。ざっと100枚ぐらいだろうか。
「は?」
思わず声が漏れる。だって流石に量多すぎでしょ!!
「本当に申し訳ないね!実は今年に入ってからまだ会計の仕事を一切していなくてそのまま放置していたらいつの間にかこんな量溜まっちゃってたんだよね!!」
会長が一切申し訳なさそうな感じを見せずそういった。ん?これはもしかして会長は俺が先輩たちと馴染めないことを予想していて「こいつ、できる!!」って思われて信頼してもらえるように仕事をたくさん振ってきてくれたのか!?会長、俺、頑張ります!!




