36話
綾崎と遊ぶ当日、俺は早めに着いたので駅前でスマホを弄りながら待っていた。遅刻するかもとか思ってしまって待ち合わせのときにいつも30分ぐらい早く着いてしまうのは悪い癖だな。直さないと。そんな事を考えていると遠くで綾崎が見えた。綾崎が俺に気付くと急いでこっちに向かってくる。
「お待たせしました!ごめんなさい、待ちましたか?」
いや、綾崎美人すぎだろ!ここまで来たらもう人間の域を超えているような気がする。あ、返事しないと!ここで『ううん、いま来たとこ』というと童○感が丸出しだな。絶対言わないでおこう。
「いやぁ俺が悪いんだけど待ち合わせのときに時間より30分位早く着いちゃう癖があって...じゃ早速行こっか?」
周りの人に見られている気がする。やっぱり綾崎はだれが見ても美人だということがわかった。綾崎が注目を浴びると俺にも「なんであんな奴とこんな美人が!?」ってなって飛び火が来るから早くこの場から去りたいな。
「わかりました!」
俺たちは駅の近くにあるショッピングモールに足を運んだ。
「さっきのカップルやばくない!?」
「美男美女のカップルって存在するんだ!」
「あの男の子に声をかけなくて正解だったわ」
「俺もあの子に声かけなくてよかったぁ」
綾崎だけでなく夜見自身も注目されていたことに本人が気づくはずがなかった。
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俺が今日選んだ遊ぶ場所は映画館だ。映画館の中では静かにしていないといけないため会話に困るようなシチュエーションになることもないし、映像を見ているだけで2時間はつぶれる。完璧すぎて逆に怖い。チケットを発行する機械の前で俺は綾崎に確認した。
「最近流行ってるこの映画でいいよね?」
俺はす〇めの戸締りを見るつもりでいた。なんか最近流行ってるしこれでいっかって雑に決めた。因みに内容は一切知らない。
「こういった映画は見たことなくて以前から興味があったので楽しみです」
良いところのお嬢様だし洋画とかミュージカルとかをみてるのかな。あー、簡単に想像できるわ。
「そりゃあ良かった。あ、席は俺が決めるよ」
俺は席を光速で選択し一瞬でお金を入れようとした。
「いいですけど...ちょっと待ってくださいお金は私が払います!」
そういって綾崎は財布から1000円札を取り出した。ちっ!ばれたか。一瞬で払えばばれないと思ったのに。意外と鋭いな。
「綾崎はポップコーンいる?」
映画館と言ったらポップコーンだろう。俺は買うつもりだったので綾崎にも聞いてみる。
「映画館でポップコーンを食べることに昔からあこがれていたんですよ!」
結構早めに門限もあったし厳しい家柄なのだろうか。
「じゃあ俺買ってくる。何味がいい?」
「塩がいいです。あれ?まさか奢ってくれようとしてませんか?」
またばれた!!結構自然に聞けたと思ったんだけどなぁ。でもここでは下がらないでおこう。
「まあまあ、俺にもちょっとぐらいかっこつけさせてくれよ」
「それならお言葉に甘えたいと思います」
俺は塩味とキャラメル味のポップコーンを買って綾崎に渡してから映画館に入っていった。




