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29話

「あのぉすいません。唯桜っちはいらっしゃいますか?」




不破が敬語で姉に訪ねた。唯桜っち呼びは戻らないっぽい。因みに俺は玄関から見えない死角で盗み聞きをしている。姉がちゃんと言ったことをこなしてくれるか心配しか無いんだよなぁ。




「今唯桜はちょっと駅前まで出掛けているの。だから家には居ないわ。ごめんね」




「そうですか、わかりました。失礼しましたー!」




「唯桜ー!ちゃんと言われた通りにしたわよー!!」




不破が帰ろうとしたときうちの姉がドアを開けたまま俺のいる場所に向かって話した。何やってんだお前ぇーー!!バレるじゃねえか!!心の中で折れは叫ぶ。あーあ、マジでうまく行ったと思っていたのに結局はこうだよ。




「あれ?唯桜っちそこにいるの?」




不破にバレて姉貴が慌てて言い訳をする。




「い、今のは...えぇと...そう!電話で唯桜に連絡してたの!!」




流石にその言い訳はきついだろ。人を信じる系の陽キャである不破も嘘だとわかるだろう。




「お姉さん、唯桜っちは本当にいないんですか?」




不破が姉にそう尋ねる。これはもう無理だろうな。




「あー、実はいます...本当にごめん唯桜ー!出てきてー!」




ニートには陽キャの圧が耐えきれなかったのか白状して俺を呼んだ。この状況、どうしようか?俺は考えながら不破の前に出る。




「唯桜っち!何で居留守なんかしたの?」




流石の不破も怒っている。いくら優しくてもそりゃあ怒るわ。




「ごめんっ!!今家でやる系のバイト(そのようなものはない)や今日の夜ご飯の下準備(勿論そのようなものはない)で忙しくて居留守しちゃった!!」




忙しいと嘘を付きしっかりと謝るところは謝る。




「そ、そうだったんだ。こちらこそいきなり凸っちゃってごめんね」




あ、これゴリ押ししたら行けるわ。でもやっぱり騙すのは心が痛い。今度からちょっと優しくしてやろう。でもこいつどMだったわ。あれこの場合酷くするか優しくするかどっちが良いんだ?でも今は謝らないと。




「今度マジで何でもするから」




「何でも!?わかった!!いきなり来ちゃってごめんね。じゃあまた!!」




不破はちょっと満足した様子で帰って行った。何でもすると言ったのは俺だけど流石に常識の範囲内のことだよな。そこだけが懸念点だけどまあ今の状況を解決できたのは上手く行ったほうだ。バレたのは姉のせいだけどこれは確実に俺が悪いから責めることもできない。俺が部屋に戻ろうとすると姉に注意された。




「あんたこのまま嘘ばっかり言ってたらいつか女に殺されるわよ」




仰る通りでございます。本当にごめんなさい~!!




_____________




俺は綾崎の分のケーキとミルクティーを持って部屋に戻った。俺の分のケーキは姉にあげた。大失態をしていたけれど手伝ってくれたことには変わりないからな。




「綾崎、結構待ったよね?ごめん。もう解決したから」




そう言って俺は綾崎にケーキとミルクティーを出した。




「話が聞こえてきましたけど夜見君、そんな嘘ばっかりついていたらいつか女の人に殺されてしまいますよ」




はい、綾崎様。仰る通りでございます。




____________




実はクズじゃないことを隠すための嘘以外はつか無いと心の底から誓った。

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