深夜の快楽と罪悪感
夏弥回です。
※微エロがありますので、その手の話が苦手な方はご注意下さい。
「…んだよ、寝言かよ」
ぱちりと瞼を開き、ゆっくりと身体を起こす。身体を起こした瞬間、たゆりとおっぱいが微かに上下に揺れた。相変わらず、おっぱいと尻が重い。女の身体ってみんなそうなのか?それとも、千穂の身体だけか?俺は元男だから、わかんねぇ。
「さて、と」
暗闇の中。ベッドから降りると、窓から入る微かな灯りを頼りに、部屋を歩く。たゆりたゆりと揺れるおっぱいと尻。歩くとさらに、おっぱいと尻の重さを感じる。それと同時に、股がスースーするというか、股にアレが無いことに、違和感を覚える。10年千穂の身体に居て、時々千穂の身体を(勝手に)借りてるけど…未だに、アレの無い感じが慣れない。
「たしかここに…」
洋服タンスの一番下の引き出を、静かにすうっ…と開け、畳まれた洋服を開く。が。
「…あれ?ねぇなあ…」
洋服を取り出し、ばさばさと揺らしてみるが、隠していたはずのタバコが無い。
「こいつ、ここに戻してたよな?…さてはあの後、俺が寝てる間に処分したかどっか持っていきやがったな~…」
チッ!と舌打ちしながら、千穂の洋服を引き出しの中に投げつけた。
「はあ…しようがねえ、またこいつの親父さんのところからタバコをこっそり貰ってくるかな…」
ボソボソとそんなことを言いながら、俺は引き出しに投げつけた千穂の洋服を畳み、引き出しに戻した。
洋服を引き出しに戻し立ち上がると、部屋の扉の方へと歩く。たゆりたゆりと揺れるおっぱいと尻。
扉の取っ手に手を掛け、キイ…と開けると。
「はぁ…やっぱやめよ。こいつにまた怒られるし。それに…これは、こいつの身体だからな。タバコなんて、百害あって一利なしだしな…」
もう一度ため息を吐き、パタン…と扉を閉めた。
「起きてたら疲れるのはこいつだからな…しかたねぇ、もう寝るか」
ギシッ…と、ベッドを軋ませながらベッドに上がり、横になった─…その時、手がおっぱいに当たった。一瞬触れただけなのに、ぶわっと身体の真ん中が熱くなった。
「やっべ、揉みたくなってきやがった。くっそ…あんまりやりたくないんだけどな…」
いや、本音を言えば、おっぱいをめちゃくちゃに揉みたいし、そういうことだってシたい。俺も一応元男だし、男が女の身体になったなら、まっさきに考えることだろう(多分)。
でも俺は、なるだけシない…ようにしている。千穂に怒られるからとか、そういうことじゃなくて…俺自身が、あまりしたくない。
千穂はまだ、男を知らないし、多分きっと…自分の手で、そういうことすらしたこと無いと思う。そういう年頃だから、多少は興味はあると思うけど…俺が常に、千穂の身体の中にいるから、やりたくてもできないだろう。
千穂でさえシたことないのに、俺が千穂の身体で気持ちよくなるのはダメな気がするし、何より…千穂を傷つけたくない。いや、嫌われたくない…かな。
けど…
「…わりぃな、千穂…」
俺は我慢できず、千穂の一番柔らかいところを、洋服の上から右手で揉み、そして。
「っ…」
下着に手を入れ、左手でそっ…と、千穂の一番敏感なところを擽る。
柔らかいもの。
あったかくて、濡れたもの。
発熱する、身体。
俺のじゃない、身体。
俺のじゃない身体を、ひとり刺激する。
そして。
「─────……っ」
快楽がびりびりと全身に流れ、ほどなくして、罪悪感がまるで毒のように体内を廻った。
「…最低だな、俺…」
ごめんな…千穂。
身体の中で眠っているだろう千穂に、俺は独り言のように心の中で呟いた。