第7話 自業自得
それからも何度か崩落が起こったが、運が良かったのか小さな砂や岩しか落ちてこなかった。
まる一日たった頃、通路をふさいでいた岩々が外の人達の手で取り除かれた。
そこにはファルコンもいた。
この事件を知って、力になりたいと国から駆けつけてくれたらしい。
「これでようやく命を助けてもらった恩を返せたな」
「馬鹿ね。とっくに返してもらっていたのに」
手当が済んだ患者をファルコンにかついでもらって、私達は坑道から脱出した。
要救助者の他の人間は全員救助されたらしい。
しかし、あの時逃げ出した元上司たちは運悪く崩落に巻き込まれて、堕ちてきた岩に潰されてしまったらしい。
即死だったため、手当てもできなかったとか。
我が身可愛さに逃げ出した罰なのだろう。
その後、大事件の救助に貢献した事で、あの場に派遣された聖女達には勲章が贈られる事になった。
しかし、それ以外は変わらず。
あいかわらず、仕事の多忙さに汗を流す日々だ。
「今日も忙しそうだ」
「ええ。でも気持ちよく働けているわ。これも貴方のおかげね。あの時、声をかけてくれてありがとう」
でも、仕事が忙しすぎて意中の相手をなかなか誘えないのが考えものだけど。