表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の力で人を助け続けた私は、あっさり切り捨てられて他国の住人となる  作者: リィズ・ブランディシュカ
第1章 切り捨てられた聖女
1/20

第1話 支援要員の価値



 聖女大国 プリズマ・ミラル 大通り建物前


 私、テイル・ミラージュの目の前で大きな事故が起こっていた。


「大変だ! 火が噴き出てる! 早く中の人を助けにいかないと間に合わないぞ!」

「助けるったって! 瓦礫でふさがっててどうにもなんないよ!」


 目の前には大きな建物。

 その前に集まる人たちは悲痛な叫び声をあげている。


 異臭がして、建物の上部から黒煙が立ち上るが、内部から出てくる者はいない。


 どうやら、大きな建物の中に大勢の人達が閉じ込められているようだが、何らかの原因で脱出できないでいるらしい。


 しかも、煙があがっていて、焦げ臭いため内部では火災が起きているようだ。


 その場に救助隊が駆け付けるが、どこから手をつければ良いのか分からないでいる。


 おそらく、閉じ込めの原因となっている、がれきが多すぎるからだろう。


 人の手でどける事のできない数と大きさだ。


 このままでは建物の中にいる人たちに訪れるのは、死の運命のみ。


 だが、だからこそ聖女である私の出番だ。


「私は聖女です。今から皆さんの力を底上げしますので、そうすればがれきをどかせるはずです」


 私は魔法を駆使して、救助達の能力を底上げした。


 精一杯精神を集中して、奇跡の力が起こるように念じる。

 すると、救助者たちの体を光が包んだ。


「力があふれてくる!」


 効果はきちんと出たようで、救助隊の人達は、がれきをどけて先へと進めるようになっていった。


 すぐに私は、運び出されてきた人々の治療も行っていく。


「もう大丈夫です。私が癒しますから」


 怪我をした人たちの前で精神を集中させると、彼らの体が光につつまれた。


 怪我をした部分がみるみる元通りになっていく。


「ああ、これで助かった! 聖女様のおかげだ!」

「聖女様の力はなんて素晴らしいいんだ」


 かつて昔、聖女は支援魔法や回復魔法を使用して、多くの人を助けてきた。


 しかし、時代の変化に伴って、役割が変化してきたのだ。


 ただの支援要員だった者達は、聖女となり各地で多くの人助けをするようになった。


 なぜか攻撃魔法や妨害魔法が消えていったため、支援要員の価値が上がっていったのも理由の一つになるだろう。


 聖女は、奇跡の力を振るえる唯一の存在として人々から崇められた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ