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マネージャー、悔やむ
「あー、お兄ちゃん、お帰りー」
家の玄関に入ると、リビングから妹が顔を出した。
中等部の制服のまま、寝転がっている。
「高等部って、終わるの遅いねー。それとも、女?」
俺は、ため息をついた。
「なんか、あった?顔がゾンビみたいだけど」
「ほっとけ、疲れてるだけだ」
俺は、妹を見ずにそのまま2階の自室に向かった。
「これ、飲む?元気出るよー」
いきなり妹が、コーラの入ったグラスを俺の首の後ろにあててきた。
俺は、その冷たさに声を出げると、妹がケラケラと笑った。
「い、いらねえ。俺が飲めないの知ってんだろ」
妹は、あきれた顔で
「なんで、こんな美味しいの、飲めないかねー。信じらんない」
とグラスに入ったコーラを一気に飲み干した。
俺は、何も言わず自室に入ると学生鞄をベッドに投げ出し部屋の床に大の字になった。
「ああ、くそっ!」
「なんで、俺は、あんなことを」
俺は、天井にむかって大声を出した。
「うるさい」
妹が階段の下から、叫んだ。