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何故この様な状況になっているんだろう。
ラン先生から言われていた通り、本当に突っかかられてしまったのでラン先生の『愛する二人の馴れ初め ~純愛~』の台本通りに喋ったは良いものの、人前で話すと分かるが本当に恥ずかしかった。
「嘘を付く時は、少しの本当を混ぜるのよ」と先生は私達が市井で出会った事を盛り込んだせいで妙にリアルなのだ。
真実はもっと淡白で、私のただの片思いなのに。
しかも、エル様が聞いていてそれから……。
「大丈夫か?」
いつの間にか人気の無い廊下に来ていて、エル様の足が止まり心配そうに此方を見た。
「は、は、はいっ。だだ、大丈夫です」
先程までの極度の緊張感が一気に解れて、上擦った変な声を出してしまった。
もうダメだ、今すぐに消えたい。
「ふっ、くくくくくっ」
恥ずかしさの余り自らの身体をギュッと抱いているとエル様が堪えきれない、と吹き出した。
「ロレッタ、一人にしてすまない。どうやら作戦が上手くいったようだね」
「上手く、いったのでしょうか…?」
「あぁ。貴族とは噂好きだ、直ぐに広まるだろうな。頑張ってくれてありがとう」
「エル様…」
「君は素直な人だな」
そう言って、エル様はとても優しい目で私の頭を撫でてくれる。
私も現金なもので、エル様が笑ってくれるなら恥ずかしくても言って良かったかなと思える様だ。
なんて単純なんだろう。恋は盲目とは良く言ったものだ。
「実は疲れた所本当に申し訳無いのだが、もう一件頑張って貰わなくてはいけないんだ…」
「もう一件、で御座いますか?」
「あぁ。先程俺が一瞬消えただろう?あれは王太子がお忍びで来てしまっていてな」
「はぇ??」
「うん、そんな反応になってしまうのも無理は無い。俺も驚いて別室に押し込めて来てしまった」
なんと先程のもっさりした人は王太子様だったようだ。流石のエル様でも冷静な対応は取れなかったらしい。
ホッと一つ胸の蟠りが無くなる。
と同時に、今から会わなくてはいけない事に驚きを隠せない。
ゆっくりと歩き出したエル様にエスコートされ、付いて行く。
「だ、大丈夫でしょか?私、王太子様には初めてお会い致しますが…。粗相をしてしまったら…」
「大丈夫だ。今日出来た事が出来れば問題無い」
「そうなのですね、とても緊張します…」
「すまない、別日にちゃんとした謁見を申し込んでいたのだが…。ちょっと自由なお方なんだ…っと、ここだ」
エル様は一つの扉の前で止まった。
緊張で脚がガタガタしている。社交界に出るのも久しぶりで緊張したが、やはり王族となると緊張の度合いが桁違いだ。
ドキドキする鼓動を落ち着けようと胸元をギュッと掴むと、エスコートされている方の手が少しだけ強く握られた。
反射的にパッとエル様の方を向くと、エル様は少し申し訳無さそうにニッコリと微笑み、頷いてくれる。
ドクン、と違う要素で鼓動は跳ねたがその笑顔にどれだけ助けられただろう。
コンコン
「レイヴン様、ロレッタをお連れしました」
発明を全然書けてなくて焦ってます←




