何故
何故こんなに憎いのだろうか。
人間は何かと優劣を付けたがる人間がいる。
人間は無視されると無意識に傷つくんだ。
男なんて単純だし尚更だ。目があうと気があうのかと思うし、どうしても気になってしまう。
気になる奴がいると相談するし、会話もしてみようかと試みる。
けど相手はこっちに興味なんて尚更ないんだ。それに気がつくのが遅かったし嫌がってたんだ。
なのに......なのに....それを.........俺は.....何故.........。
ーーーーーーーーーコクティア帝国ヒドリハ城砦碧
上の命令で働いていた書記らしい男女2人が応接間から出て廊下の窓際越しにこっちに歩いて来ていた。
途中で何かしらこちらを見てコソコソと話しをしている。何の話をしてるか確かめようとして、素通り様に瞬時に足の脛裏に約5mの盗聴器を飛ばし付ける。
「でね....あの人...............っになっ.............て、行ったらしいんだよね。」
「!?」
驚いた。何もかもふざけるなと心の中で何度も問いかける。
「へぇ.....それ..........でっい.............................たんだろ?」
あいつが幸せに暮らしている事とどうやら俺が小さい頃に起こった事件が関係して動いていたらしい事に
耳を塞いだ。
「!!! やだ.......。 後ろ...... 聞かれてる?」
何か言いだす前に早足で歩いた。
あいつらはもうこの国にはいないと思っていた。
なのに....なのに.....なのに............と、沸々と過去の事を否応にも思い出す。
頭がパンクする。
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!面白くない!面白くない!」
上司に散々甚振られていた。無視したあいつも。
なんであんな奴の言いなりになっていたのかさえ、何も答えてくれなかったあいつが帰ってきた。
「気にくわない!...........気にくわないっっっっっ!不愉快だし実に不服だ!!!!」
「おのれ!!!!!」
あの上司もまだ生きていたのかと、そう思うと怒りが治らなかった。
過去の仕打ち、両親が邪魔だからと追いやり、無理やり他国へと追いやった集団。
武装組織とその他の違う組織団体の服装を思い出しながら。
「散々無視しておいてこのザマだ!!!」
何もできなかったのと同時に悔しさでいっぱいだった。見ていることしか出来なかった。
「この無能どもが!!!!」
あの集団だけは許さないし、あいつだけは絶対に追い詰めてやるとそう心に誓って。
頭を抑えながら勘繰り回す。
「こっのぉぉぉぉぉぉおぉぉぉっぉぉぉぉ!」
今まで平和だったのが何か崩れ去る様な.....。予期しない何か、そんなのが来るのかと、頭の中で
色々ともし相手が自分だったらどうするかと思案を並べながら....。
「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇえぇぇえx!」
発狂しながら廊下で今歩いてる人は少ないながらもたったの数人がこちらを凝視していた。
落ち着く様に深呼吸をするも....
「はぁー。はぁー。はぁー。」
「見てろよ!」
見栄を張りながら踏ん切りをつけ、自分の中で自己暗示をかけながら自分自身に勇気付ける。
もしあいつらが来る様ならと、今までの様には行かない様に、絶対にと。
早々に走りながら、廊下から外まで走って思い切り叫ぶ
「このレクイエル・アルデリアの野郎ぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅ!」
そう.......あいつの名前を叫んでやった。