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LEVEL3 -地図にない島-   作者: しろながすしらす
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第14話 作戦

 俺と一条が部屋に戻って5分後くらいにみんなが帰ってきた。

 危なかった。帰ってくるのがあと少し遅れていたら、地下に入っていることがばれるとこだった。


「ういっーす! お待ちかねの食料だぞ!」


 圭太が笑顔で片手に持った紙袋を上げ部屋に入ってきた。

 それに、続くように真、結衣さんが同じように袋を抱え入ってきた。


「お待たせしました」 


 俺はみんなの変わらない姿を見て少し安心した。


「すまない。少し遅くなってしまったね。私は二階の部屋にいるから君たちはゆっくりと食事をとって休んでいてくれ」


 全員が部屋に入った後、扉から上半身だけを出し神宮さんが俺達の方を見て言った。

 一瞬、身が固まって言葉が出なかった。


 あの地下を見た後だと、神宮さんを普通の目で見ることはできなかった。

 ここで変に動揺を見せたら怪しまれる。俺は何とか平静を取り繕うとした。


「いや~ありがとうございます! 神宮さんあんたは命の恩人だ! 食べ物は俺達が責任もっておいしくいただきまーす!」


 圭太がいつものように軽い調子で言った。


「本当にありがとうございました」


 結衣さんがペコっと小さく頭を下げた。

 それに続いて真も神宮さんの方を見て小さく頭を下げた。


「いいんだ。気にしないでくれ」


 そう言って神宮さんはその場から離れた。

 俺は神宮さんの階段を上る音をしっかり確認した後、小声で口を開いた。


「お前ら来る途中に食料か水に手をつけたか?」


「おいおい海斗そんな怖い顔すんなって。そんなに腹がへってたのか? 俺が欲望に負けてフライングするような浅ましい人間に見えるか?」


 圭太がドヤ顔で自信たっぷりに言った。


「圭太さん、ちょっと早いけど先に少し頂くか! って言ってましたよね?」


 結衣さんがジトーっと圭太を怪しむような目で見つめている。


「ちょっと結衣ちゃんそれは秘密のはずじゃ……」


 圭太は慌てて俺と一条の方を向き弁解した。


「いや、これはほんの一瞬だけ、欲望に飲み込まれそうになっただけだって、しかし俺の鋼の精神で何とか持ちこたえてやったぜ!」


 結衣さんは圭太から視線外さずジトーっと見ている。


「ちょっと結衣さんそんな目で俺を見ないで、何かに目覚めそう!」


「何かあったのか?」


 真は何かを勘ぐったのか冷静な顔をして聞いてきた。


「みんなこの食料に一切手をつけるな」


 みんなが運んできたものは未開封の2リットルの水のペットボトルが3つほど、食料は缶詰、ブロックタイプの栄養機能食やゼリーなどの保存にきくものばかりだった。


 外部の手で直接中に何かを入れたとは考えにくいが警戒するのに越したことはない。


「えー何でだよ。一時間近く待ったんだぜ。俺もう腹ペコで死にそうだよ」


 圭太が大げさに騒いだ。


「馬鹿、大声を出すな! いいかよく聞け、この食料には俺たちの意識を奪うような薬かなんか入ってる可能性がある」


 俺はなるべく二階に響かないよう小さな声で喋った。


「えっ! それってマジ?」


「えっ!」


 結衣さんは驚きを隠せない様子で両手で口を覆った。


「どういうことだ。話を詳しく聞かせてくれ」


 俺と一条は地下で見たものを話した。

 そして地下から持ち出した例の書類も……


「これって……」


「嘘だろ……」


「ふざけやがって、全部あいつの仕業なのか!」


 真が爆発しそうな怒り押し殺すような声で言った。


「ああ、おそらくな。俺たちはこのわけのわからない研究の実験台にされたんだ」


「悪鬼は元は俺たちと同じ人間だっていうのかよ……」


「とても信じられない話ですけど、これなら私たちが突然特別な力を使えるようになったのにも説明がつきます」


「悪鬼を放ったこの島は俺たちの能力を引き出すには最適ってわけか。くそが! となるとあの村の外れにあった板は……」


「おそらく、俺達が意図的に争うよう誘導するためのものだろう。俺たちの恐怖心を煽ると同時に能力を最大限引き出すように仕組んだんだ」


「でもそれって、おかしくないですが、この話が本当なら私たちは貴重な研究材料ってことになりますよね? もしそれで、みんなが死んじゃったら意味がないと思うんですけど?」


「結衣ちゃんの言うとおりだぜ。俺たちが全員死ぬ可能性だってあったはずだ」


「……そればかりは俺にもわからないが、ここに書いてある隕石のことやあの集落、悪鬼の正体、俺たちが特殊能力に目覚めたこと、地下で見たものすべてに説明がつく」


「どうする今のうちにここから逃げ出すか?」


 圭太が俺の方を見ながら言った。


「いや、俺はあの野郎を懲らしめねぇと気がすまない! ふざけやがってこの家ごと焼き尽くしてやる!」


「早まるな! まだ神宮さんが犯人だと決まったわけじゃない。もしかしたら本当にただ助けにきただけかもしれない……」


「海斗、何不抜けたこと言ってんだ。ここはあいつの家だぞ。どう考えてもあいつが一番怪しいだろ」


「わかってる。……でも真実を確かめずにいきなり手を出すってのはどうにも気が引けるんだ。せめて本当に神宮さんがやったかどうかだけを確認させてくれ」


「どうやって確認するつもりだよ。それにもし神宮のやろうが犯人だったら俺たちをみすみす逃すわけがない。それにあの紙に書いてあることが本当ならあいつも俺たちと似たような能力を持ってるはずだ」


「大丈夫だ。こっちは5人だ。いくらなんでも負けるはずがない。それに相手には俺たちの能力は知られていないから最悪不意打ちで倒すことができる。相手だって俺たちがこの事実に気づいていることは想定外のはずだ。犯人だと確認次第こっちから先制攻撃を仕掛ければいい」


「……わかったよ。もしあいつが犯人だとわかり次第すぐに焼きつくしてやる」


「ああ」


「でも神宮さんが犯人だっていう証拠をどうやって調べるの?」


 一条が不思議そうな顔をしながら言った。


「大丈夫だ。この部屋に入ると同時に確かめる方法がある。……真ちょっと力を貸してくれ」


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