プロローグ
初心者が書いた小説です楽しんで頂けたら嬉しいです。
俺の名前は加藤優斗、今年の春から石波高校に通うはず、だったらごく普通の高校一年生なのだが、俺は他の人とは少し違う。高校生活が始まってすぐに俺は交通事故で親を亡くした。俺はそのショックで学校に行けなくなっていた。それからずっと現実逃避って奴だ。部屋に籠ってずっとネトゲばかりしていた。部屋を出るときはトイレと風呂ぐらいだ、飯は祖母がいつも持ってきてくれている。こんなに自堕落な生活を送っているのに何も言わずに俺のために飯を作っている祖母には下げた頭が上がらないや。俺の家庭は決して裕福じゃないけど頭の悪い俺のために高いお金を出して私立の学校にまで通えるってのに、俺はこんなに幸せ者なのに、家族の期待を裏切ってしまった自分が情けなくて本当に嫌だった。
そんな誰にも自慢できない怠惰な生活を送っていると、ある日おかしなことが起こった。
その日の朝、祖母が持ってきてくれた朝食を食べながらふとこんな事を口にしていた。
「頭が良くなったら今の家族が楽になって、俺は学校に通ってたのかな」
なんてそんな訳ないよな。俺が学校に行かなくなった理由が家族の死なんだ。いくら頭が良くたって現実は変わりやしないからな。
そんな事を思っているとふと後ろに気配を感じた。慌てて振り向くとそこにはフードを被った顔の見えない知らない人が立っていた。
「あんた、誰だ?」
「自分の事が嫌で嫌で仕方がない人間よ、ぬしにこの何でも1つ願いが叶う石をくれてやろう」
その人は、現れるなりいきなり意味のわからないことを言い出した。
「ね、願いの叶う石?」
「そう、ぬしが本心で思っている事をそのまま口に出せばきっとその石はぬしの願いを聞き届けてくれるだろう」
どうして見ず知らずの知らない人がこんなことをしてくれるんだろうか。その事を聞こうと思ったらさっきの人は「願いの叶う石」なるものを俺の机に置いて、いなくなっていた。それにしても願いの叶う石、かぁ。だったらやっぱり……俺は石を握って言った。
「俺は……家族を返して欲しい」
本当に叶って欲しい願いだった。高校生でここまで家族が好きな人なんてそうそういないだろう。だけど、最近まで親がいて、いきなりそんな当たり前の生活に終止符が打たれるだなんて誰が思うだろうか。子供だったら誰でも悲しいと思うはずだ。だが、その俺の願いをその石は聞き届けてはくれなかった。やっぱりハッタリか。なんだか自分のこの感情が本心じゃないと言われているとみたいで腹が立ってきた。まぁいいや、二度寝しよ。
寝れない、そういやさっき起きたばっかだった。寝れないから何をしようかなと思っていると、ふいにさっきの石が目に入った。
「この石が本当に願いを聞き届けてくれる石だってんなら、さっきのは本心じゃないってことなんだろうな」
さっきこれを渡してきた人は、いきなり出てきていきなり消えた。明らかに常人じゃないのは俺にもわかる。てことはこの石が願いの叶う石というのはあり得るのかもしれない。てことは、
「俺は、心のどこかで家族とは会いたくなかったてことかなのか」
きっとそうだ。俺は頭が悪い、だから家族が生き返ってもきっと自分のせいで家族に迷惑をかけるのかもと恐れていたんだろうな。なら今の家族とせめて幸せに生きていきたい。祖母、姉、弟となら頭が良くなるだけで良いのかな。けど、それじゃつまらないからな。俺は小さな声で言った、
「俺に関わる全ての事が真逆になればきっと家族は皆幸せになれるの、かな」
その一言を呟いた途端石がひかりだした。
「うわっ!」
なんだか意識…が…
ついさっきまで全然眠くなかっのに。
俺はそのまま気を失った。
☆
何もない真っ暗な静かな場所で目が覚めた。
「ん、何処だ?ここ」
「お、やっと目が覚めたのね。待ちくたびれたわ」
思った事をそのまま口に出した途端いきなり女の人が目の前に現れた。
「ようこそ、加藤優斗さん、ここは言わば死後の世界って所かしらね」
死後の世界?
「俺は死んだのですか?」
謎に自然と敬語になっていた。まぁ知らない人と話すということになったら誰だって敬語になるとは思うが。けど、理由はそれだけじゃない。目の前にいる人はどう見たって人間じゃないオーラをかもし出してた。女神と言った所だろうか。
「そうよ、あんたは死んだの。あんた、知らない人に渡された石で願いを叶えたでしょう?その時あんたは「自分に関わる全ての事が真逆になったら」って言ったの。生きていることが真逆になったんだもの、そりゃ死ぬわよ。ついでにあんた男として大事な物まで失ったしね」
は?あ、あ、あ、
「あぁー!!嘘だろー!!本当に無くなってるぅぅぅ!!!!」
俺が魂の叫びを上げると、女神(?)は変な物を見るようなものでこっちを見てきた。
「あんたねぇ、私は女性、それでいて女神なのよ!?そんな事、大きな声で言うんじゃないわよ!!」
なんだろう口調が女神って気がしない。てかこの女神(仮)緊張感が無さすぎる。
「ま、まぁその事は女神に免じて許してあげるわ」
まだ、何も言っていないんだが。ま、いっか、余計なことは言わない方が良いよな。とりあえず。
「ありがとうございます」
「それでいいのよ」
女神は満足気な顔をして笑った。
あぁ、笑顔がまじで女神ぽかった。
「さて、話を戻すわよ」
と言うと女神様は、さっきの表情とまったく逆の表情になった。
「加藤優斗さんあなたは自分の願いによって死んでしまいました。そんなあなたには、3つ選択肢があります。1つは、新たな生を受け赤子からやり直すこと、ちなみにこれは、人間として生まれるとは保証はできないわ。運が良ければ人間、悪ければ魚とか、豚とか、昆虫とかにもなりかねないわね。もう1つは、天国。まぁただすごい平和で暇な所ね。もう1つは、蘇生。今の状態で生き返れること。ただしこれはその人の運によって運命は変わってくるわね、良く聞くでしょ、生死の境をさまよったって、それってこの場所で蘇生を選んだ人が体験することなの。結局死んじゃった人は、そのまま天国か地獄に行くことになるわ、さ、このなかから選んで頂戴」
んーどれを選んでも楽しくはなさそうだな。どうすっかなー。蘇生ができたら一番良いんだけど。
「ねぇ、この三つの中じゃどれも微妙よねぇ、だからさぁ、あなたには特別に異世界に行く権利を」
「じゃ、異世界で」
女神様が言い終わる前に言った。ネトゲが好きな人間だったら誰だって夢見る場所だろう。
「わ、わかったわ。じゃ、異世界ね。これから異世界に送るからその場所から動かないでね。ちなみに送る場所は駆け出しの町と言われる所よ。じゃ、後の事は一人でがんばってね」
え?行くついでになんかくれないの?
「あ、あともう1つ言っておくと今からあんたが行く世界はモンスターがいるくらいで…………超平和だから」
え、えぇ!!普通魔王とかが世界の支配を目論んでいるとか、ないの!?
「それじゃ、加藤優斗さん、あとは見知らぬ土地で一人でパーティーメンバー探しとか、がんばってね!いってらしゃい!」
なんだろうさっきまでの女神スマイルとは、なにかが違う、なんかうざく感じるんだか!?
そんなことを思っていると足下に魔方陣が出てきた。
「俺の思ってた異世界と違ぁぁぁぁう!!!!」
俺の叫びは虚しくも届かず超平和な異世界に俺は、転送されたのだった。
どうだったでしょうか。出来るだけ早めに次の話も出したいです。それでは!