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真実
俺は何も先ほど三上に言われた言葉が理解できずにいた。
頭の中で何回もリピートしてみる。
(かずが・・・?え、でも助けに来てくれた・・・。いや、待てよ、タイミングよすぎじゃないか?)
俺は茫然としながら教室への道を進んだ。
周りは、朝から生徒たちのにぎやかな声で満たされていた。
その中、一人ただただ足を前に運んでいた。
「おう!りょう!」
誰かが通りすがりに俺の背中を叩いて声をかけてきた。
昨日の昼、クラスで騒いでたやつらの一人だった。
俺はなにも反応できずにいた、ただその声の方向を向くだけで精一杯だった。
「・・・?りょう?」
そいつは何の反応もない俺をじっと見ていた。
俺はそこで何かがはじけるような音がした。
そして、視界が暗くなり、平衡感覚がなくなり、
何も聞こえなくなった。
俺は気を失った。